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嘘でもいい
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「ねぇ、愛してるとか言わないの?」
「嘘でもいいなら好きなだけ言ってやるよ。」
「・・・可愛くないね。リップサービスって言葉知ってる?」
「一回千円ね。」
「ちょっと、金取るの?それサービスじゃないよ・・・」
「俺はお前の望むままヤってやったじゃん。
SEXのあと愛してるって言ってほしいなんて聞いてない。」
「・・・あのね、貴方はもう身体売ってるわけじゃないだし、
僕に付いてきたってことはそれなりに好意があると思ってたんだけど・・・」
「もちろん、男娼から足を洗わせてくれたのはお前のおかげだけど、
そこに恋だの愛なんて感情が生まれるなんて俺は思わない。」
「・・・・・・哀しいよ、そんなの・・・」
「お前はあそこから抜け出すキッカケを与えてくれた。それには感謝してる。」
「僕と居て、楽しくない?少しでも僕を考えたことはない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「僕はね、貴方が好きなんだよ。だからどうしても辞めて欲しかった。
ちょっと強引だったかもしれないけど、今一緒に暮らしてることがずごく嬉しいんだ。
だからきっと・・・愛してるなんて言われたらさ・・・」
「嬉しい?」
「うん・・・きっと嘘だと分かってても喜んじゃうと思う。もうしょうがないんだ、こればっかりはさ・・・」
「なんで、分かってるのに許せるの?」
「愛してるから。たとえ貴方が愛を知らなくても・・・」
「バカじゃん、そんなの。結局弄ばれてるだけじゃん・・・」
「うん・・・」
「愛してる。」
「うん・・・ありがとう。」
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[[夢見る頃をすぎても>8-499]]
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