暑いから

「お前なんで毎日俺んち来んだよ」
言いながら内藤は麦茶の注がれたコップを差し出してきた。
「暑いから。俺の家クーラー壊れてんだもん」
「ああそう、つーか邪魔なんだけど」
少しウザったそうにしながらも、繋ぎっぱなしのゲーム機を立ち上げてコントローラーを寄越す。
「負けたら帰れよ」
「いいよ。俺景品かかると強いんだ」
「クーラーごときでよー、もーコンビニ行けよ」
「ははは」
今のとこ全勝、だって内藤がかかってんだもん。
「江田、電気代払え。つーかクーラー直せ」
「お前が勝ったらね。明日バイト休み?」
「休み。あっ、お前今のハメだろ!」
楽しい楽しい夏休み。
お前の隣で「せっかく涼しいんだし、もっと暑いことしちゃう?」なんてエロ漫画真っ青のサムいこと考えてるのは内緒。
「はー天国!」
「そのまま召されろよ」

押しかけてきた内藤が「まじクソあちぃ」とか文句を言って、「これならもっと暑くなることしても平気だろ」ってキスをしてくるのはまぁ、来週ぐらいの話。


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最終更新:2012年09月09日 23:01