「そうではないもの」(以下モノノケ)→人間→その他動植物 の順に、この世界では食物連鎖がおきている。
・主人公の生まれ育った世界は、本土から少し離れた位置にある、海に浮かぶ小さな孤島である。孤島に一つきりの村は、代々この島にある鉱物を本土へおくり生計をたてている。伝統文化として、「齢15の成人の儀」があり、15歳になった若者を本土へ旅立たせ1年して戻す儀式が、いわゆる成人の証とされていた。
・その中でも特別に「神子」として選ばれた子は、島に戻らずに本土で暮らしを得させる。
・両親は他界して、親類もなく村人に助けられ育ってきた主人公は、15歳になった年に「神子」に選ばれた。
誕生日の夜に、小さな船になけなしの生活用品を乗せて、村人に見送られながら儀式はおこなわれる。
しかし問題が起こる、出発前に確認した時は一カ月はもつと思われた食糧は微々たる量しかなく、ほんの数時間としないうちに底をついてしまう。主人公は空腹にのたうち気絶してしまう。・・・前になぜだか深い眠りに着く。
気がつくと、見知らぬ牢屋のなか。
鉄格子の向こうに現れたのは、なにやら騒ぎ立てる「そうではないもの」たち。
状況のつかめぬ主人公に、「そうではないもの」たちの間から現れた長と名乗るモノは、主人公を一目見て言う、
「なんてことだ。やせ細り餓えた脆弱な子供じゃあないか。ちっとも美味そうじゃない。
どれどれ、ああ、駄目だなあ。 どうするよ、皆の衆」
相談を始めるモノノケたち。幾ばくもしない内に、ある一人?がこう言った、
「あれだ、ぶくぶくにしよう。我らの食い物なら、きっと美味く太ってくれるだろうに」
そんなの今までやったことがない。しかし、面白そうだと話は主人公そっちのけでトントン拍子に進んでゆき、結果としては、
「「主人公が美味しく育つまで飼育する」」提案が通った。
さてここで、主人公は提案通りぶくぶくに肥え太り、かれらに食べられてもいいし、なんとか逃げられないか脱出を実行してもいい。
また、なんとなく一生牢屋で生活していいし、かれらの仲間入りをしてもいい。自殺しても、誰かを身代わりにしてもいい。
ただし、「そうではないもの」たちが気まぐれに飼育を止めるまでの何時かまでに、行動をしなくてはいけない。
さもないと、一週間で主人公は食われるだろう。
これは、そんな状況におかれた主人公の、奇妙な牢屋生活のスタートであった。
世界観
・モノノケが成人の儀にあたる15歳の青年を選ぶ理由
青年期: 身体的・精神的発達が著しく、大人に依存していた子供から自主独立する成人への過程。問題が多く、情緒的に混乱が起こりやすい。
身体的発育… 男女差が目立ち、最も性的成熟で特徴が表れやすい。
精神的… 自己意識が確立することが大きな特徴。情緒・主観的で、客観的に自己をとらえることが少ない。
自己水準の水位によったは、うぬぼれが強くなり、劣等感や自己卑下に悩まされる。
思想… 時代の影響を受けやすい。抽象的で実際と食い違うことがある。また、自我的論理で強い感情や自我に支配されやすい。現実に対する懐疑から、否定的な態度をとり、新しいものを求める。感受性も強く、経験も乏しいため周囲の人間関係によっては扇動に乗りやすい。
情緒… 孤独感・心配不安・苦しみ・憧憬・嫉妬・羨望
孤独感… 内閉的になり、孤独を喜ぶ。そして、さびしがる。反省を与えるため、極めて成長に関して大切。
心配・不安… 未来の期待に伴い、あれこれ思い悩む。時に憂鬱状態になり、恐怖も生まれる。
苦しみ… 非常に不愉快な、心の痛む情緒状態(苦悩)。順番として、勉学・仕事・性格・友人異性・健康・家族・容姿…
憧憬… 基本的な気分。孤独を埋めるものを求め、得られないと悩む。これが複合したもの。
嫉妬… 一生涯存続する感情。他者に対して、憎悪と闘争心が複合したもの。優越感を好む基本的欲求がある。
羨望… 自分に欠けているものが他人には満たされている時、不快をいだく社会的欲求。また、人への虚栄心をそそる。