「汝、碇シンジは惣流・アスカ・ラングレーを妻とし、これから35年間、いかなるときも妻を愛し、守り続けることを誓いますか?」「誓います」「汝、惣流・アスカ・ラングレーは碇シンジを夫とし、これから35年間、いかなるときも夫を愛し、献身的に支えることを誓いますか?」「誓います」沈黙。何一つ物音がしない。ただお互いを見つめ合うだけ。「指輪…」シンジが口を開き、震える手で指輪を取り出す。箱の中には二つの指輪が入っていた。「手出して…」アスカは左手を差し出した。指輪はシンジの手で薬指にはめられた。アスカの頬は紅潮している。目が潤んでいる。これ以上にないくらい幸せなのだ。シンジも左手を差し出し、アスカがはめる。箱は再びポケットへと戻された。そして、お互いの手を握り合う。シンジはアスカの指輪を撫でた。アスカは顔を上げた。シンジの顔を確かめるために。シンジは、ただ優しく微笑んでいた。ただ、アスカを見つめていた。余計な言葉などいらない。二人が共に生きていけるなら、それだけで贅沢なのだ。お互いを確かめ合い、二人のシルエットは溶け合った。
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