| リポーター | はい、こちらはポート・エドワーズ上空まで |
| 数キロを飛んでいるところで…… | |
| ご覧になれますでしょうか? | |
| ポート・エドワーズから | |
| 黒煙がいくつもあがっています。 | |
| その上空では、 | |
| ニューコム、ゼネラルリソース | |
| 両企業の基地より出撃した | |
| 多数の戦闘機の姿が……あっ! | |
| また爆発です! | |
| もの凄い音がしました! | |
| みなさんには、わたしの声が届いて……。 | |
| アナウンサー | はい、スタジオです。 |
| ここでもう一度、今までの情報を整理し、 | |
| 繰り返しお伝えする事にしましょう。 | |
| 本日午後、USEAのポート・エドワーズで | |
| ゼネラルリソースとニューコムが、 | |
| 交戦状態に突入しました。 | |
| そしてその戦いは現在も続いています。 | |
| NUN──新国際連合では、 | |
| 事態を解決する為、 | |
| UPEOの治安維持部隊の派遣を決定……。 |
| キャスター | ゼネラルリソース系列の報道機関では、 |
| 現在、放送内容について | |
| キーワード検閲が配信システムに | |
| 組み込まれたとの発表がありました。 | |
| このような大規模な報道規制が、 | |
| 施行されるのは初めての事です。 | |
| 現在この番組は、独立系パーソナル・ | |
| ベースの放送局からお送りしています。 | |
| それではここで、我々が独自に傍受した | |
| 映像を無検閲でご覧いただきます。 |
| (ウロボロス) | 既に我々は、全ての人類に |
| 限界を超えてもらう為の技術を持ち、 | |
| その準備も出来ている。 | |
| ──肉体を捨てよ! | |
| これは、生命を解放する為に行われる | |
| 革命である。 | |
| 今こそここに、我々は宣言しよう。 | |
| 全人類の電脳化(サブリメーション)──それこそが | |
| 我々の生命を次世代に進化させる | |
| 唯一無二の真実である! | |
| この技術は夢ではない。 | |
| その証拠に一つの例を | |
| ご覧いただく事にしよう。 | |
| ──ディジョン! | |
| この男は、10年前にゼネラルリソースの | |
| 謀略によって完全に肉体を失っている。 | |
| ……にもかかわらず電脳空間(エレクトロスフィア)で生命として、 | |
| 今も確かに存在している。 | |
| そう、もともと我々全てが平等に秘めている | |
| 『生命』『精神』『意識』という名で | |
| 呼ばれてきた力で構成される『意志』は、 | |
| 肉体などといった脆弱な存在を | |
| 限界とはしていなかったのだ。 | |
| そして、この事実を我々は、 | |
| 有史以前から知識として伝承してきた。 | |
| 歴史を振りかえってみるまでもない──。 | |
| 肉体の限界を持たない生命の存在について、 | |
| 我々はこう変換していた。 | |
| それこそは『新たな人類の姿』である、と。 | |
| そして、人類史上、 | |
| 最初に肉体を持たない生命として | |
| 生まれ変わったディジョン。 | |
| 我々は彼を『始まりの指導者』として迎え、 | |
| この革命を実行する! |
| (ウロボロス) | それでは、我らがウロボロスの指導者 |
| アビサル・ディジョンを紹介しよう。 | |
| ディジョン | 我々の決起を多くの人々は、 |
| まだ誤解している事だろう。 | |
| 確かに現時点で人々が目にしているモノは、 | |
| 人類にとってお馴染みの殺し合いに | |
| 過ぎないからだ。 | |
| ただ、これだけは言っておこう。 | |
| ゼネラルリソース、ニューコム、 | |
| UPEOといった組織が保持している軍隊と | |
| たった今も行われている交戦は、 | |
| 我々が望む革命にとって入口。 | |
| そう、我々にとって真実の敵とは、 | |
| ゼネラルリソース、ニューコム、 | |
| ましてUPEOなどといった権力ではない。 | |
| この革命が完成する時、我々が、いや、 | |
| 人類全体が掴むモノは、 | |
| このような権力ではない。 |
| キース | いいか、よく聞け。 |
| 俺は絶対に認めない。 | |
| 奴があのディジョンなワケがない。 | |
| あれは、俺の知ってる……俺の相棒だった。 | |
| ゼネラルのエースだった。 | |
| 俺の親友だった。 | |
| 俺の、俺の……。 | |
| ──別人だ。 | |
| 奴はもうどこかで死んだ。 | |
| あれは奴じゃない。 | |
| だから──俺は、奴の名を語るあれを、 | |
| 必ずこの手で……この世から消す。 | |
| 必ず──。 |
| ディジョンの蜂起後、戦局は急激に悪化しつつある。 |
| 混乱に乗じ、ニューコムはメガフロートに艦隊を集結、 |
| 同時に空軍機の編隊も確認されている。 |
| これら戦力の殲滅が今回の任務だ。 |
| 新たに最新鋭戦闘機『ゲイム』を配備した。 |
| なお、戦局の悪化により前線の情報が錯綜しており、 |
| これより先は十分なサポートが |
| 出来なくなる恐れがある。 |
| 各員慎重に行動してもらいたい。 |
| KEITH | 何としてでも、奴はオレがやるからな! |
| ENGAGE |
| KEITH | くそっ! こんな雑魚だらけじゃ |
| 奴に辿り着けん! |
| KEITH | こうなりゃ、 |
| 撃墜数を競うしかないな! |
| KEITH | いいか、俺より先に墜ちるなよ! |
| おはよう。 | |
| 終わったのか? | |
| 誰が何の為に造ったのか……。 | |
| 巻き添えはあの男だけで十分。 | |
| ねえ、もういいわよ。 | |
| オマエはダレダ? | |
| おはよう。 | |
| さあ、この世界を知るがいい。 | |
| オレにナニをした。 | |
| ほら……見て、こっちを見てる。 | |
| あと……三十秒。 | |
| ナゼ、オレはまだシンデいないんだ……。 | |
| キミのコピーはあっちで起動してる。 | |
| もう終わったんだろ? | |
| 私が見える? | |
| オレとチガウ。オマエはダレダ。 | |
| 私が見える? | |
| ヤメロ! ヤメロ! | |
| 私が見える? | |
| 逃げろ! | |
| 私が見える? | |
| まだシンデいないんだ……。 | |
| 私が見える? | |
| また会えたな。 |
| KEITH | どうしたんだ?! |
| もっとしっかり飛べっ! | |
| 死にたいのか?! |
| KEITH | 逃がすかよ! |
| KEITH | ヒャーッ! |
| KEITH | おら、やられるぞ! |
| KEITH | 後ろ、気をつけろ! |
| KEITH | おいおい、大丈夫か? |
| COMMANDER | メガフロートに |
| ニューコム艦隊が集結した。 | |
| ただちにこれらの機動艦隊を攻撃せよ。 |
| UPDATE TARGET |
| ※二次ターゲット出現 |
| MISSION ACCOMPLISHED |
| MISSION OVER |
| ニューコムの軍事勢力は大幅に弱体化した。 |
| ──見事な戦果だ。 |
| キース | さすがだな。 |
| あの戦況で俺よりも撃墜数が勝るとはな。 | |
| どうやら、俺も奴の一件で | |
| 頭に血が上りすぎたようだしな。 | |
| オマエのおかげで、少し冷静になれた。 | |
| しかし……な。 | |
| それでも、奴とのケリは俺が必ずつける。 | |
| それだけは、覚えておいてくれ。 |
| キース | どうしたんだ……何かあったのか? |
| 途中で動きが、ガクッと落ちただろ。 | |
| ちゃんと見てたんだからな。 | |
| 心配させないでくれ。 | |
| まったく、オマエのせいで冷静になったよ。 | |
| ──ディジョン。 | |
| 奴の息の根は俺が必ず止めてみせる。 | |
| それが、パートナーとして | |
| 俺が奴にしてやれる最後の事だからな……。 |
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