| キャスター | 続いて、本日の未明に |
| ワイアポロ山脈にある | |
| ニューコム航空基地で起きた | |
| 爆発事故の続報です。 | |
| 原因については、 | |
| 現在もニューコム・インフォと | |
| 現地警察による共同調査が | |
| 続いている状況です。 | |
| 死亡が確認された方の氏名が、 | |
| ニューコム・インフォから | |
| 発表になっています。 | |
| その氏名は次のとおり。 | |
| ──NEU所属 | |
| 整備士、ロバート・サンダーソンさん、 | |
| ジョージ・トムソンさん。 | |
| コム運送のタドコロさん | |
| ……まだ名前がわかっていません。 | |
| 同じく、コム運送のスタークさん | |
| ……まだ名前がわかっていません。 | |
| NEU所属パイロット、 | |
| フィオナ・C・フィッツジェラルドさん。 | |
| 同じくパイロット、 | |
| ケヴィン・ジョーンズさん。 | |
| え……あ、あ……はい、はい、そうですか。 | |
| えー、ニュースの途中ですが、 | |
| たった今、先程まで不通だった | |
| 衛星回線が繋がったようです。 | |
| それでは、 | |
| 軍事クーデターが発生したと見られる | |
| 現地近くの空港からと、 | |
| 現場周辺に向かった特派員からの | |
| 中継をご覧ください。 |
| レポーター | はい、空港です。 |
| こちらでは、各地区を結ぶエア・ラインが | |
| 全便欠航となっています。 | |
| その理由についての発表はまだありません。 | |
| 一部地区でゼネラルリソースの制空権が | |
| 完全に略奪されたとの噂もあり、 | |
| 空港は混乱の極みを見せています。 | |
| レポーター | みなさん。 |
| 私はジオフロントから | |
| 50キロほど離れた場所から | |
| お送りしています。 | |
| ご覧いただけるでしょうか? | |
| 私の上空では、多数の戦闘機の編隊が、 | |
| ジオフロント方面に向かっていく姿を | |
| 何度もカメラで捉えています。 |
| (ウロボロス) | 我々の決起を……多くの人々は、 |
| まだ誤解している事だろう。 | |
| 確かに現時点で人々が目にしているモノは、 | |
| 人類にとってお馴染みの | |
| 殺し合いに過ぎないからだ。 | |
| ただ……これだけは言っておこう。 | |
| ゼネラルリソース、ニューコム、 | |
| UPEOといった組織が保持している軍隊と | |
| たった今も行われている交戦は、 | |
| 我々が望む革命にとって入口。 | |
| ……そう。 | |
| 我々にとって真実の敵とは、 | |
| ゼネラルリソース、ニューコム、 | |
| ましてUPEOなどといった権力ではない。 | |
| この革命が完成する時、 | |
| 我々が──いや、人類全体が掴むモノは | |
| このような権力ではない! |
| キャスター | ゼネラルリソース系列の報道機関では、 |
| 現在、放送内容について | |
| キーワード検閲が配信システムに | |
| 組み込まれたとの発表がありました。 | |
| このような大規模な報道規制が、 | |
| 施行されるのは初めての事です。 | |
| 現在この番組は、独立系パーソナル・ | |
| ベースの放送局からお送りしています。 | |
| それではここで、我々が独自に傍受した | |
| 映像を無検閲でご覧いただきます。 |
| (ウロボロス) | 既に我々は、全ての人類に |
| 限界を超えてもらう為の技術を持ち、 | |
| その準備も出来ている。 | |
| ──肉体を捨てよ! | |
| これは、生命を解放する為に行われる | |
| 革命である。 | |
| 今こそここに、我々は宣言しよう。 | |
| 全人類の電脳化(サブリメーション)──それこそが | |
| 我々の生命を次世代に進化させる | |
| 唯一無二の真実である! | |
| この技術は夢ではない。 | |
| その証拠に一つの例を | |
| ご覧いただく事にしよう。 | |
| ──ディジョン! | |
| この男は、10年前にゼネラルリソースの | |
| 謀略によって完全に肉体を失っている。 | |
| ……にもかかわらず電脳空間(エレクトロスフィア)で生命として、 | |
| 今も確かに存在している。 | |
| そう、もともと我々全てが平等に秘めている | |
| 『生命』『精神』『意識』という名で | |
| 呼ばれてきた力で構成される『意志』は、 | |
| 肉体などといった脆弱な存在を | |
| 限界とはしていなかったのだ。 | |
| そして、この事実を我々は、 | |
| 有史以前から知識として伝承してきた。 | |
| 歴史を振りかえってみるまでもない──。 | |
| 肉体の限界を持たない生命の存在について、 | |
| 我々はこう変換していた。 | |
| それこそは『新たな人類の姿』である、と。 | |
| そして、人類史上、 | |
| 最初に肉体を持たない生命として | |
| 生まれ変わったディジョン。 | |
| 我々は彼を『始まりの指導者』として迎え、 | |
| この革命を実行する! |
| シンシア | ニューコムの事故、ニュースを見た? |
| あれ、あれ……絶対に陰謀だわ。 | |
| フィーが……だから言ったのに! | |
| 誘ったのに、ウロボロスに……。 | |
| ずっとずっと言ってたのに | |
| いつも意地張って、 | |
| 馬鹿な、馬鹿な事ばっかり! | |
| ──肉体に固執するから。 | |
| 死んだら何も残らなくなっちゃうのに。 | |
| 私と一緒にここで電脳化(サブリメーション)しようって言った。 | |
| 私の言う事を聞いてれば、 | |
| こんな事にはならなかった! | |
| ニューコムの奴ら…… | |
| 結局、ゼネラルと変わらない! | |
| やはり革命はしなければ、いけない。 | |
| この世界は駄目になる。 | |
| ねぇ……キミと私の二人で | |
| ディジョンの革命を完成させて、 | |
| 肉体を捨てて──電脳空間(エレクトロスフィア)の海で | |
| 人の新しい在り方を手に入れましょう。 |
| ディジョン | 久しぶりだな。 |
| キミがUPEOにいた頃に、 | |
| 一度誘った事を覚えているだろう? | |
| ──よく来てくれた。 | |
| 実はあの頃から、 | |
| この革命は計画されていた。 | |
| その時から、キミは | |
| もう私の手の中にいたというワケだ。 | |
| キミもわかっただろう。 | |
| UPEOもニューコムも、 | |
| 所詮は同じ穴のムジナだった | |
| ──という事なのだよ。 | |
| 治安維持だの、科学選民だのと | |
| 色々と御託だけは並べるが、 | |
| 実行力のない臆病な連中。 | |
| だがな、私は違う。 | |
| 私には恐れるものなど、何もない。 | |
| くっ……くっくっくっ! | |
| 世界は既に私を認めたようなものだ。 | |
| さぁ、世間を見返してやろう。 | |
| 今まで私を馬鹿にしてきた奴らを | |
| 血祭りにあげてやろうじゃないか。 | |
| ──肉体に固執した人類など滅びてしまえ! |
| CYNTHIA | ありがとう。 |
| キミは説明もしてなかったのに | |
| 私を信じてくれた。 | |
| だから、どんな事があっても | |
| キミの事を守る。 | |
| DISION | 我々の革命に必要な最終兵器 |
| 『ナイトレーベン』のパイロットを | |
| UPEOから救出する。 | |
| まずUPEO基地を襲撃し、 | |
| 地上部隊を排除。 | |
| 救出機が滑走路に着陸 | |
| 出来るようにするのがキミの任務だ。 | |
| 健闘を祈る。 |
| ENGAGE |
| CYNTHIA | ふざけてる場合じゃないでしょ! |
| CYNTHIA | 後ろ!気をつけて! |
| CYNTHIA | 着陸した! |
| これよりパイロット救出に向かいます。 | |
| 上空から援護しなさい! |
| CYNTHIA | パイロット救出に成功! |
| 離陸できるように進路を確保! |
| UPDATE TARGET |
| ※二次ターゲット出現 |
| CYNTHIA | さぁ、空母に戻ろう。 |
| 早くしないと逃げ切れない! | |
| DISION | シンシア機をやらせるな! |
| 大事なパイロットがいる。 | |
| どうしても必要なのだ。 |
| MISSION ACCOMPLISHED |
| CYNTHIA | まさか、UPEOのアイドルが |
| 相手とは……! | |
| DISION | そうだ。レナは無事だな。 |
| 救出ご苦労だった。 | |
| 帰還するぞ。 |
| (DISION) | よく戻って来たな、レナ。待っていたぞ。 |
| 全てはこれから始まる。 | |
| そして、この世界を変えるために | |
| 生まれたナイトレーベンで、 | |
| レナが秘めた真実の力を | |
| じっくりと見せてやろうじゃないか。 | |
| (CYNTHIA) | この世界を変えるのは、このような戦いではなく、 |
| ディジョン……あなた自身の姿であり、 | |
| 人々の電脳化(サブリメーション)ではないのですか? | |
| ナイトレーベンなど使わなくても、あなたが自らの手で | |
| 人々に電脳空間(エレクトロスフィア)の素晴らしさを説くべきです。 | |
| (DISION) | いや、違うな。 |
| 力とは、人に見せる為にあるものだ。 | |
| 今のお前に、私の姿が見えるか? | |
| (CYNTHIA) | いいえ。でも、肉体として見える姿に |
| 意味なんてあるのですか? | |
| (DISION) | 今のお前に何がわかる! |
| 何も知らずこの世界に縛られ、 | |
| 一瞬にしてすべてを失った者の気持ち。 | |
| この俺がこの姿を望んだとでも思っているのか? | |
| (CYNTHIA) | 電脳化(サブリメーション)を望んでいなかったなんて……。 |
| ──私が、この私がニューコムを裏切り、 | |
| たった一人の妹までも裏切り、 | |
| すべてを捨ててまで参加したこのあなたの革命に | |
| 私が望んでいるのは……あなたの、その姿でした。 | |
| (DISION) | この姿だと? それこそお前が私を使って |
| 見ようとしているのは、 | |
| 無意味な夢に過ぎないという事だ。 | |
| お前の現実から逃げる為のな。 | |
| 電脳空間(エレクトロスフィア)で一体何が見えると思っている。 | |
| お前の話は、電脳空間(エレクトロスフィア)の世界が、 | |
| 天国だとでも言いたいようにしか聞こえない。 | |
| そんなに天国へ逃げたいのなら、 | |
| 妹の後でも追えばいい。 | |
| (CYNTHIA) | フィーは…… |
| フィーは、こんな私にいつも言ってた。 | |
| 夢なら寝てる時にでも見ろと。 | |
| でも、あなたのおかげでわかった。 | |
| ──寝覚めの悪い夢。 |
| (なし) |
| シンシア | ごめん。 |
| もう……私、 | |
| どこにも行くとこなくなっちゃった。 | |
| ここは、私の思っていた場所だと | |
| 信じてたのに……。 | |
| いろいろ無くしちゃった。 | |
| 何だか馬鹿なのは、 | |
| フィーじゃなくて私だったみたい。 | |
| ──それでも、私は、私。 | |
| 自分自身とフィーの為、 | |
| この戦いにケリをつけるつもりで。 | |
| それから、キミの事も必ず……。 | |
| だから、私の、最後のわがままを許して。 | |
| ──ここから、消える。 | |
| そして、何がこの戦いの真実だったのか。 | |
| それだけは、自分の目で見るまで戦う。 | |
| そのつもり。 | |
| だから、私を信じて、お願い……だから。 | |
| ──それじゃあ。 |
| COUNTERREVOLUTIONへ |