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大運動会。 導入


 冒険者の町アドロード。
 悪党どもに町を占領されかけ、一時は冒険者の町としての評判すら危うくなった我々の町である。
 件の騒動からどれほどの時間がたったものか。
 この街の三つの勢力は、未だ残る街への爪跡に悩みを抱えていた。

「ヴィランズ騒動で信用が薄れっちまった。ここらで一度、大きな花火を打ち上げねば」
 常に起死回生の手を狙う冒険者ギルドはそう考えた。

「それがいかなる理由によるものであれ、儲けが大幅減したことに対して迅速に手を打つ必要がある」
 金と人をこよなく愛する商工ギルドはそう考えた。

「旅人が減った。人の動きは金の動き、これはなんとも憂慮事項。誠に遺憾である」
 騎士団に頭を押さえられつつ、行政はそう考えた。


「ならばよろしい。」
 どこかの知恵ものが、こうまとめた。
大運動会。だ」



 大運動会。
 アドロードでいわれるその祭りは、並大抵の運動会ではない。
 名うての冒険者たちが知略と力を振い、影日向を飛び回る戦いを繰り広げるのである。
 アドロードの歴史を紐解いても、屈指の大騒ぎになることは必定であった。

 かくして。
 冒険者たちの汚名返上、“冒険者の町”の住人としての名誉復活を果たすために。
 過去の騒動で一度は枯れかけた金庫を、再び金で満たすために。
 最近低迷の一途を辿っているアドロード観光産業にテコ入れを図るために。

「我々選手一同は、冒険者シップにのっとり、正々堂々使える手全てを使って戦うことを誓います!」

 汗と涙と友情、知略謀略、名勝負珍勝負混じり合う大祭が、始まる。


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最終更新:2010年03月04日 21:09