システムに対する有限個の入力に対して、出力も有限の範囲にある場合、そのシステムは安定であるという。
極の位置と安定性
連続時間システム
まず、連続時間システムについて考える。(連続時間システムについては
線形時不変システムを参照。)
連続時間システムの解析には、
ラプラス変換を用いる場合が多く、この場合、逆ラプラス変換を行う元の分数式における極、すなわち(分母)=0を満たす複素数解が安定性に関わってくる。
具体的には、
となることを考えると、極(ここではs=a)の実数部(ここではα)が
- 負であれば、減衰振動
- 実数部が0であれば、振幅一定の振動
- 実数部が正であれば無限大に発散
となることがわかる。したがって、s平面(縦軸が虚数軸、横軸が実数軸)に極をプロットすると、
において、システムは安定である。
離散時間システム
離散時間システムにおいては、
z変換を用いる場合が多く、この場合、逆z変換を行う元の分数式における極の位置が安定性に関わってくる。
ラプラス変換とz変換の対応を考えると、
であるから、s<0という条件は、|z|<1という条件に対応するということがわかる。したがって離散時間システムの場合は、逆z変換を行う分数式の極をz平面(縦軸が虚数軸、横軸が実数軸)にプロットしたとき
において、システムが安定であるということがわかる。
参考文献
最終更新:2009年01月24日 01:45