(1)兵装転換所要時間(『戦史叢書(43)ミッドウェー海戦』p314)
では、実際兵装転換にどれだけ時間がかかるのか。インド洋作戦の帰りに、飛龍で行われた実験結果が残されています。[設定]○作業場所:飛龍格納庫内○使用機種:九七艦攻 18機○条件:爆弾・魚雷ともに弾庫・魚雷庫から出して搭載準備をしている状態から開始[結果] 換装前 換装後 所要時間(1)魚雷 25番陸 2時間30分(2)魚雷 80番通 1時間30分(3)魚雷 80番徹甲 2時間30分(4)25番陸 魚雷 2時間(5)80番通 魚雷 2時間(6)80番徹甲 魚雷 1時間30分[備考]○魚雷は、九一式航空魚雷(838kg)1本 [艦船攻撃用]○25番陸は、陸用爆弾(250kg)2個 [陸上攻撃用]○80番通は、通常爆弾(800kg)1個 [艦船攻撃用]○80番徹甲は、戦艦攻撃用爆弾(800kg)1個 [艦船攻撃用]http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1215089973/411
(2)兵装転換作業手順(『世界の傑作機(32)九七式艦上攻撃機』)[魚雷(九一式航空魚雷 838kg)]懸吊具本体は、2本の抱締策(だきしめさく)と呼ばれる複撚柔軟鋼ワイヤー(直径7mm)で吊るされている。これは、太い針金を魚雷にぐるぐる巻いて、機体につないでいるようなもので、この抱締策で魚雷の重量を支えています。抱締策の下側にはフックがついており、投下レバーを引くとフックが外れ、魚雷が落下する仕組みになっています。弾体揺れ止め金具は3個。これは、Y字を逆さにした形の金具で、飛行中に魚雷が揺れるのを防止する。つまり、まず揺れ止め金具を3箇所外し、抱締策をゆるめると、魚雷が落ちてくるので、それを台車で受け止めるという感じでしょうか。[80番陸用爆弾(800kg)]抱締策は魚雷と同じ。魚雷と異なるのは、揺れ止め金具が2個だということです。爆弾の先端には小さな風車がついており、飛行中にそれが回らないように風車押さえと呼ばれる細長い棒をつける。(投下後に風車が回転を始めると、安全装置が解除される仕組み)懸吊架の側面には滑車がついており、これにチェーンをかけて、爆弾を吊り上げる。それに抱締策を巻きつけ、フックでとめて固定し、揺れ止め金具を装着する。http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1215089973/448-449
(3)投下器の交換(『日本海軍の爆弾』(兵頭二十八/著)
「そもそも艦攻の雷爆転換に、なぜ2時間も3時間もかかっていたのかだが、これは海軍航空本部の主流派、たとえば大西瀧治郎らのせいなのである。昭和7年第一次上海事変に出動した鳳翔から、”十三式艦攻が魚雷・爆弾・増槽の転換に時間がかかるため、海戦になったらどうなるのか”というクレームが航空本部に届いている。航空本部の水雷主務者だった愛甲文雄氏によると、投下器や運搬車が共通になっていないため、それらも交換する必要があったからだと言う」つまり兵装そのものだけでなく、それを機体から懸吊する投下器や装着時にリフトアップする運搬車まで別々だったため、長時間を要したというわけです。更には投下器自体も規格が統一されていなかったため、同じ爆弾用の投下器でも別の機体のものを持ってきても合わなかったとの証言も紹介されています。http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1215089973/450
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/army/1288357779/199-201
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