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ミルクパニック」(2010/03/26 (金) 16:01:06) の最新版変更点

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「アグリアスさんのミルクが飲みたいんですが」 「うむ、任せろ」 こんにちはアリシアです。 庭でお喋りをしていたアグリアス様とラムザさんに声をかけようとしたら、 いきなりトンデモ発言を発してしまってどうしたものかと頭を抱える私。 ちょっといやらしい話になりますが、男性も女性も、出せますよね。ミルク。 けれど、その、ええと……女性が出すには、その、ねえ? でも出産しなくとも母乳が出せたというケースも聞いた事があります。 しかしまさがアグリアス様が、その、ミルクを出せて、挙句、殿方に飲ませるとか。 これなんてエロゲ? そう言わざるえない。この世界にエロゲがあるのかとか、そういう問題じゃない。 官能小説なら鞄の置くに隠してるけど、それもこの際関係ない。 アグリアス様はそっち方面の話に疎いし、貞淑だし、生真面目だし。 そんなアグリアス様が搾乳プレイだなんて全年齢板でやっていいネタじゃないでしょう。 いや落ち着くのよアリシア。落ち着けば、落ち着け、落ち着く時、落ち着けられるはず。 BE COOL! BE COOL! そう、だからこれは、あのパターンだと私は予見する。 例えるならゲームをプレイしていて、こんなセリフを言うとしよう。 「きゃっ、そこはダメ」「アッ、アッ、アッ」「もう(HP的な意味で)逝っちゃう」 それを扉越しに聞いた人は勘違いする。 そして「何をしているんだ!」と闖入して、赤っ恥をかく、と。 そうよアリシアその通り、だから私は勘違いなどしない。 「アグリアスさんは本当に乳搾りがお好きでいらっしゃる」 「あぐっ……だって、気持ちいいんだぞ」 OK……完璧に読んだ。これは、アレよ。作者が誰かを考えれば答えは簡単。 まったく、同じオチを使い回すだなんて、ネタ切れなのかしら? いざ、という時になったら文字化けっぽい文章で誤魔化して終了よ。 「実はラッドも乳搾りが好きみたいなんですよ。昔はよくやってたって」 「ほう、意外だな」 「貴族の出で乳絞りをなさっているアグリアスさんの方が意外ですよ」 「いや、楽しくて……子供の頃にやってから、病み付きというか」 あー、あー、聞こえなーい。 牡牛座のアルデバランのように鼓膜を破るべきでしょうか。 ていうか、何で? ラッドもなの? ラッドもそういう性癖なの? 私、知らないよ? 求められてないよ? 何か頭が爆発しそう。 万能薬を飲みたい。私は今、混乱しているのだろうから。 万能薬……万能薬はどこ……。 「む?」 「アグリアスさん、どうかしましたか?」 「いや、アリシアがそこにいたような気がしたのだが……?」 「アリシアが? 気のせいではありませんか?」 「しかし、いい話をもらったな。  山羊の乳搾りを手伝えば、食事代を少しまけてくれるというのだから」 「朝早くに起きなきゃいけないから、結構つらいんでしょうね。  アグリアスさんの搾ったミルクを早く飲みたいです」 「任せろ、私は山羊の乳搾りの達人だ!」 「じゃあ明日の朝、お願いしますね」 「ああ。せっかくだからラッドにも手伝わせよう」 おはよう、アグリアス・オークスだ。 今日は宿で飼われている山羊の乳搾りを手伝い、食事代をまけてもらった。 朝食の席には、もちろん私の搾ったミルクが並んでいる。 ラムザはとてもおいしそうに飲んでくれていて、何だか気恥ずかしい。 私が乳搾りなどといった貴族らしからぬ趣味を持っているなど、 他のみんなは知らないだろう。だから、ラムザと二人きりの秘密だ。 ――と思ってたら。 「よぉ、アグリアス」 ラムザと歓談しながら食事をしていたラッドが、 ミルクを持って私の隣席へとやって来た。 と同時にアリシアがぎょっとした表情でこちらを見る。……何だ? そういえば昨日から様子がおかしい。 妙におどおどしているし、なぜか私の身体をチラチラと見るし、 体調不良だったのか万能薬を十本も飲んだ。 「ラムザから聞いたぜ」 私が部下の事で悩んでいるなど微塵も気に留めずラッドは続けた。 「騎士様は意外な趣味を持ってるようだな」 「あぐっ……ラムザめ、喋ってしまったか」 「まあ、人に知られたくないってんなら黙ってるから安心しろ」 「すまんな。で、用件は?」 「次やる時は俺にもやらせろ」 そう言って微笑むラッドは、素朴な少年のような顔をしていた。 傭兵などと血生臭い仕事をしていても、 子供の頃は家畜の乳を搾って暮らすよう平和な日々を送っていたのかもしれない。 乳を搾る時の感触、ミルクがバケツ一杯に溜まった時の達成感。 そして自分で搾ったミルクを飲んだり、チーズを作ったりするのは、とても楽しい。 ラッドも、そういう気持ちを忘れていないのだろう。 だから。 「ああ、いいぞ。今度一緒にやろう」 「おう、楽しみにして――」 ラッドの言葉の途中で、突如、あまりにも唐突に、アリシアが椅子を倒して立ち上がった。 いったい何事か、顔は真っ赤に染まり瞳がわずかに濡れている。 やはり悩み事でもあったのだろうか? どうした? と、問いかけるよりも早く、アリシアは叫んだ。 「わた、私の胸を、搾ればいいじゃないッ!」 ………………。意味が解らん。 食堂の空気と時間が凍りつき、皆の視線はアリシアへと向けられたまま固まっている。 ラッドも、何事なのか理解していないようで、目を丸くしている。 私も意味が理解できずにいて、頭の中が真っ白になってしまった。 ――その後、ラッドがアリシアをなだめ、食堂から連れ出し、十数分後、 ラッドが一人で戻ってきて言った。 「さっきの件はみんな忘れてくれ。でないとアリシアの奴、首を括りかねん」 こうして私達はアリシアの意味不明の発言を忘れるよう努めたが、 一ヶ月くらい気まずい雰囲気は払拭できなかった。 「搾乳プレイ……いいなぁ」 「む? ラムザ、今何か言ったか?」 「いえ、ミルクおいしいなぁ……って」    終われ

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