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もう皆が寝静まって、しんとした宿の廊下。

そっと、ドアをノックする人影。
静かにドアが開き、人影が中へと滑り込む。すぐにドアは閉められ、中から鍵が掛けられた。

ふぁーあ……。
「こらラヴィアン。そんなに大きなあくびをするものじゃない」
アグリアスがラヴィアンの大あくびを見咎める。
「はぁ~い……」
そう返事をするラヴィアンの目はまだ眠っている。
「いい加減に目を覚ませ。全く……」
「私と同じ時間に寝てるはずなんですけどね」
アリシアが不思議そうに言った。

そして、夜。
ラヴィアンはぱっちりと目を覚ました。隣ではアリシアが寝息を立てている。
物音を立てないようにベッドを抜け出して、部屋を出た。
廊下の様子を窺う。しんと静まり返って、誰もいない。
足音を立てないように、廊下の奥のドアへ向かう。
静かなノック。そして、ドアが開いて、閉まった。

(……ラヴィアン)
廊下の影に潜み、様子を窺っていたのはアグリアスである。
ラヴィアンの様子がおかしいので、こっそり見張っていたところ、ラヴィアンが部屋から出てきたのだ。
(確か、あのドアはラムザの部屋だ。こんな時間に何をしに行っているんだ)
そっと、足音を立てないように、アグリアスはラムザの部屋のドアへ近づいた。
部屋の中の様子を窺う。

「……で……そ……」
「あ……も……」
中から声が漏れてくる。何を話しているのだ。
ドアに耳を近づけて、なるだけ声を聞き取ろうとする。

「でも……ここ…………だいじ……」
(ラムザの声だ)
「ああ…………そこね……」
(ラヴィアン?)
「……ラヴィ…………がまん…………」
「……だめ…………いや…………かない……」
(!!!!!)
ふたりの声は、甘く囁くように聞こえてくる。

アグリアスは我慢ならず、やおら部屋のドアを蹴破った。凄まじい音を立ててドアが破壊される。
「貴様ら何をしているかッ!!!!」
大声で怒鳴り、部屋の中へ乗り込んで行く。
部屋の中では、ラムザとラヴィアンがベッドの上に座って、ぽかんとアグリアスの顔を見上げていた。
2人はそれぞれ手に本を持っている。
アグリアスは怒りで顔を真っ赤にして怒鳴る。
「ラヴィアン!!貴様男の部屋に夜這いをかけるなど恥を知れッ!!」
「ラムザ!!貴様はそれでもこの隊を預かる隊長かッ!!」
「あ、あの……」
「問答無用ッ!!」
ぶるぶる震える拳は、今にもラムザを殴り飛ばそうとしているようだ。

この騒ぎに、宿の全員が起き出して、部屋の前に集まってきた。
しかし、アグリアスの剣幕に誰も口を出せない。

「なーにー?こんな夜中に何の騒ぎなの?」
寝ぼけた顔で部屋に入ってきたのはレーゼである。
この状況でアグリアスにまともに話ができるのは彼女くらいだろう。

「レーゼ、貴様には関係ない!これは私とこいつらの問題だッ」
「まぁまぁ。落ち着いて。2人の言い分も聞いてあげないとかわいそうよ」
そう言って、レーゼは2人の方を向いた。
「どうなの?アグリアスの言うとおり、2人でいけない事してたの?」
「違います!」
「違いますよ……」

「じゃあ、何をしてたの?こんな真夜中に男と女が2人きりなんて、ちょっと変よ」
「兵法の……講義です」
「え?」

「アグリアス様は忙しくてなかなか時間取ってくれないし……。
隊長に……相談したら『僕でよければ』って言うから……それで……」
涙目でラヴィアンが訴える。
「僕もそんなに時間があるわけじゃないので、こんな時間になってしまって……すみません」
ラムザが申し訳なさそうに言う。
「で、では……なぜ……隠れて……」
アグリアスがしどろもどろになって聞く。
「だってもう皆寝てる時間ですよ。そっと物音がしないようにするのが普通です」
「し、しかし……なぜ講義だと、そう言わん!」
「そう言おうと思ったのに……アグリアス様が怒鳴るから……ひっく……
夜這いなんて……ひどいです……」
ラヴィアンは泣き出してしまった。

レーゼが、やれやれ、といった風にアグリアスに言った。
「アグリアス、もう少し冷静になってね」
「……すまんっ!」
アグリアスはいたたまれなくなったのか、それだけ言って部屋から出て行ってしまった。
レーゼはラムザとラヴィアンに、
「貴方達もこそこそしてよくないわ。後でアグリアスに謝っておきなさいね」
と言った。そして、めちゃめちゃに壊れたドアを見て、
「またこれも弁償しないといけないのよね」
そう言って笑ったのだった。

ちなみに、

「でも、地形を見ると、ここの場所を取ることは大事だよ」
(ラムザの声だ)
「ああ、その高台?今回の重要拠点はそこね」
(ラヴィアン?)
「ここをラヴィアンなら、どう攻める?僕ならまず我慢して防御、そして攻撃」
「それじゃだめだと思う。敵が嫌がるように攻めて行かないと……」

ということだったそうである。

END


  • 作者より
910を参考に書きました 例によって空気は読まない
以下、>>910の内容

アグ「ラヴィアァンっ!」
ラヴィ「はい?」
アグ「昨日は夜遅くにラムザの部屋から出て来たな。何してたんだ?」
ラヴィ「え、えーと…」
アグ「上官命令は絶対だ。さぁ、言え!」
ラヴィ「その…隊のTOPであるラムザから"言っちゃダメ"って言われてるんで…///」

アグ「こ、これが縦社会と言うものか…」
最終更新:2010年07月04日 21:07