落ち着かない気分のまま、アグリアスは寝室の姿身の前で着ている服を脱ぎ捨てて下着姿になった。
ラムザはベッドの上に腰掛けて頬杖をつき、半ば闇に沈んだ妻の肢体を何だか楽しそうに眺めている。
それを横目で見ながら、やっぱり今日のラムザはおかしいと首をひねるアグリアスがおずおずと
騎士団の制服に手を伸ばすと
「待って下さい。下着も脱いで」
「えっ?」
「全部脱いでから、裸の上に制服を着るんです」


二人が家を出たところで突然、空砲が夜空に轟いた。一瞬びっくりしたアグリアスだったが、
明日がベルベニアの自治権獲得記念日である事をようやく思い出した。そう、前夜祭が始まったのだ。
「さあ、早く行かないとチョコボエッグが売り切れてしまいますよ」
アグリアスの大好物であるチョコボエッグは、こうした祭りの時の出店でないとあまり目にする機会が無い。
また、チョコボエッグは人気の品なので早々に売り切れるのが常だった。
二人して行列に並び、それぞれひとつずつ大きなチョコボエッグを買って頬張るのが毎年のパターンだったが、
三年前の祭りの時に人混みの中で持っていた財布を掏られたアグリアスが激昂してからというもの、
ラムザも誘い辛くなり、それ以降は何となく前夜祭も祭りの当日も家でのんびり過ごす事になっていた。

そんな事情もあってアグリアスはすっかり祭りの事など忘れていたのだが、
そこへ夫からの突然のお誘いに奇妙な頼み事。結婚以来、一番ラムザの事が分からなくなった瞬間だった。

また財布を掏られたら嫌だし、何故この歳になって昔の制服などを着て、しかも言うに事欠いて下着を
身に着けずに人混みの只中へ行かなければならないのかと、にべも無くはねつけたアグリアス。
しかし、何故かいつもと違って強気なラムザはまるで子供の着替えを手伝うかの様にあれよあれよと言う間に
アグリアスの下着を脱がし、ジタバタと暴れるのをなだめ抑えつつ半ば無理やりに制服を着せた。
「うーん、やっぱり似合ってますよ。凄くキリッとしてて・・・知り合った頃のアグリアスさんを思い出します」
褒めてくれているのだろうが、アグリアス自身はどうにも落ち着かない。
確かに久々に制服を着てみれば気が引き締まる思いがする一方、その一枚下は全裸。そのギャップに
ラムザは興奮しているのだろうか? しかし、そんな嗜好の片鱗すら今まで全く見られなかったのだが・・・

そんな事を取りとめも無く考えている内に、ラムザに手を引かれていつの間にか祭りの会場である
街の中心部まで来ていた。
辺りには威勢のいい掛け声と様々な楽器の音、笑い声や罵声が飛び交い、
ズラリと立ち並ぶ出店と道に広場にと溢れかえる人の群れでまさに混沌としている。
今回は二人ともチョコボエッグと飲み物を買う程度の金しか持って来ていない。
それもラムザが首からかけた小物入れに入っている。
こうすれば掏りに遭う心配をせずに済むからと、渋るアグリアスをラムザが説得した結果だった。 

「ほら、あそこ。ああ、もうだいぶ人が並んでますね・・・間に合うかなあ」
ラムザが指差す方向にはチョコボエッグの屋台にズラリと並ぶ人人人。
それでもチョコボエッグの為なら、アグリアスはいつも嬉々として列の最後尾に走ったものだ。
しかし今日のアグリアスは少し浮かない顔。しきりに視線を下げて胸の辺りを気にしている。
制服の厚手の生地のお陰で乳首が浮き出る心配は無かったものの、胸を鎧うプレートが無い為に
アグリアスの比較的大きな胸の形がクッキリと浮き出ており、すれ違う男達の視線を吸い寄せているのだ。
こうした好奇の目に晒されるのを嫌ってアグリアスは外出時にはゆったりとした服を着る事が多いのだが、
今日はラムザの妙な強引さに負けて裸の上にタイトな騎士の制服などという格好で出てきてしまった。
下はスカートでは無いので人目に晒される様な心配は無いが、それでも心許無い事には変わりない。
下着を着けずにこんなに大勢の人前に出るなんて考えられない事だったが、夫の熱意(?)に負けて
嫌々ながらも来てしまった自分をアグリアスは恨み、ため息をついた。
恥ずかしさでさっきから顔が火照りっぱなしになっていて、頬がぼうっと熱っぽいのが自分でも分かる。

いかに引退したとはいえ、かつての近衛騎士たる私がこんな変態じみた真似を・・・!
羞恥に赤く染まった顔を隠す様にうつむき、隣にいるラムザの方を見ない様にそっぽを向く。
するとラムザの目には、うっすらと赤みのさした妻のうなじが飛び込んで来た。
      • 妻は口では嫌がりながらも明らかに興奮している。もしかして・・・
布地越しに左手でアグリアスの尻を撫でると、ビクっと震えて体を固くしたのが手の平から伝わって来る。
傍らのアグリアスは肘でラムザの脇腹を小突くが、ラムザの手は止まらずにそのまま尻の割れ目に沿って
女の最も敏感な部分の方へ滑り込んでいく。アグリアスが必死で身をよじり足を閉じて抵抗するも、
「おとなしくしてないと周りに不審がられますよ」
と囁かれては身を縮こまらせて耐えるほか無い。
ラムザは肩にかけていた大きなカバンで巧みにアグリアスの尻を隠しながら、布越しに秘所に触れた。
思わず声が出そうになるのを、必死でこらえようとしているアグリアスの震えるうなじを見て、
そして指先に伝わる粘液の感触にラムザの理性は吹っ飛びそうになる。
人込みの中でなければ、にちゃりという音がハッキリ聞こえただろう。アグリアスはいつの間にか
蜜を滴らせて股の部分に大きな染みをつくっていたのだ。
「アグリアスさん・・・こんなに濡れてる・・・」
「もうバカッ、こんな所で・・・」
アグリアスは周囲の人に気付かれるのではないかと気が気で無いのだが、興奮したラムザの指の動きは
更に大胆さを増していく。
「あッ」
そのわずかな小声を耳にした通りすがりの中年男が怪訝そうな顔でアグリアスを一瞥した。
もうアグリアスは顔を上げる事が出来ない。快感と羞恥と不安の渦の中で、
ただひたすらに屋台の順番が回って来るのを耐えて待つしかなくなっていた。
順番が来れば、さすがにラムザは財布から金を出す為に手を離してくれるだろう。
その隙にラムザとは距離をおいてこの場を早々に立ち去るのだ。もう二度とこの祭りには来れない。

ようやく順番が回ってきた時もラムザは左手を離してはくれず、アグリアスの目論見はアッサリと外れた。
ラムザは右手で器用に小物入れのフタを開けて1000ギル紙幣を支払うと、釣りは要らないと言って
チョコボエッグが二つ入った大きな紙袋を右手だけで受け取り、その間も左手は始終アグリアスの蜜壷をこね回していた。
アグリアスは両手を股の前で組んで必死で股の染みと夫の指を隠す事に懸命になっていたが、
むせ返る蜜の匂いまでは隠せないと思うと、周りの人間達にはもうとっくにバレている気がして涙目になった。
「もうッ いい加減に離してッ」
家への帰り途、さっきからアグリアスはラムザの肩を拳骨で強く叩いているのだが、ラムザはどこ吹く風で
歩きながらアグリアスの敏感なところを布越しに悪戯し続けている。

アグリアスだって、本気で止めて欲しいわけじゃない。本気なら僕は今頃のされている。
そもそもが嫌がりながらもあんな格好で人前に出て、触られてもいない内から濡らしていただなんて・・・
やっぱりアグリアスだって期待していたところはあったんじゃないか。ふふ、可愛いよなあ。

カドモス夫妻に相談した甲斐があったかな、倦怠期の脱出法・・・


その後、あの夜の羞恥プレイがルグリア夫妻の倦怠期を克服するきっかけになったかどうかは定かでは無いが、
夫婦は一年あまり後になってようやく念願の子供を授かったと言う。
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最終更新:2010年03月26日 15:11