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ラッド。
ガフガリオンの同僚すなわち傭兵であり、ガフガリオンほどではないが性格悪し。
突出した戦闘力は無いが小器用に何でもこなすため、
戦況によって様々なジョブやアビリティを使い分け結構活躍している。
それはいい。
不満点があるとすれば、彼の性格と、星座である。
アグリアス・オークスは巨蟹宮。そしてラムザは磨羯宮。相性は最高だ。
で、ラッド。彼もまた磨羯宮なのである。

戦闘になれば、アグリアスはたいていラッドとチームを組む。
理由は、部隊をいくつかの班に分けて行動するさいの部隊長をできる人材にある。
リーダーのラムザ、サブリーダーのアグリアス、この二人が班を率いるのは自然な事。
アグリアスは主にラッド、アリシア、ラヴィアンを率いて前衛となる。
聖剣技や高い回避率を考えればアグリアスが前衛なのは当然、
アリシアとラヴィアンは騎士だから魔法より肉弾戦が得意だ。
ラッドは、アグリアスを補佐するために色々やってる。
相性がいいからチャクラでお互い回復し合ったりするのも珍しくない。

で、ラムザ。やはり将たる者が前に出るのは危険という事で、前衛引退しちゃった。
銃を使うムスタディオ、真言を使うラファ、アイテムを投げるマラークと共に、
後方支援に徹して地烈斬とか時魔法とか召喚魔法とか使ってる。

実に理にかなった布陣である。けれども、こういうスタイルに落ち着く前は、
ラムザが異端者認定されて本格的に集中砲火を浴びたりする前は、
アグリアスは相性の理由もあってラムザと行動を共にする事が多かったのですよ。
「……さみしい」
とアグリアスはベッドの中でひっそりと呟いた。
夜中だった。もうみんな眠ってるだろうと思って呟いた。
だがしかし同室のラファちゃん、何だか寝つけなくて起きてました。
まだ仲間になって日が浅いとはいえ、
アグリアスの視線がいつも誰を追っているのかは知っていた。
なぜなら自分の同じ人に視線を向けていたから。
とはいえここは恩人のため一肌脱ぐべきだろうとラファは思う。
明日の予定はモンスターの中でも弱いチョコボが多くいる河を渡るだけである。
それならちょっとくらいアレしても問題ない。うん、問題ない。
ルカヴィや北or南天騎士団のようなマジで戦わないといけない奴が相手じゃない。
だからちょっとくらい大丈夫大丈夫。うん、問題ない。きっと。

暗殺者としての訓練を受けたラファは翌日の朝、
ラッドの朝食に無味無臭の毒物を混入させた。
といっても頭痛やめまいが一日ほど続くだけの弱いものだ、死に至る事はない。
結果体調不良を訴えたラッドは馬車で休む事になった。
そしてラヴィアンとアリシアも同様に体調不良を訴えてきた。
前衛チームはアグリアス以外全滅した。
もちろんラファの仕業だ。
ラッド一人を潰したとて、アグリアスがラムザと組めねば意味がない。
だがこれならラムザ、ムスタ、マラーク、ラファの四人のチームに入るしかない!
こうしてアグリアスはその日、久々にラムザとコンビを組んで戦場に立った。
チャクラでお互いのHPを回復し合うというラブラブ戦法もバッチリだ!
どれくらいバッチリかというと毎ターン延々とチャクラオンリーなくらいバッチリだ!
「チャクラ! チャクラッ! チャクラァッ!」
「チャクラ! チャクラー! チャクラァー!」
チャクラの合間にチョコメテオとチョコボールが乱舞する。
渡る予定だった河、フィナス河で遭遇したのは、黄黒赤のチョコボの群れだった。
たかがチョコボと甘く見たら、赤と黒の攻撃は高威力+回避困難で、
何とか反撃をしてもすぐ黄チョコボがチョコケアルで回復してしまう。
マラークはアイテム係なので、チャクラでフォローし切れない他の仲間の回復を。
ムスタディオは普通に銃撃したり腕を狙ったりとがんばってるが、
一人でどうこうできる数ではなく焼け石に水状態だった。
ラファはというと、何とか無力化しようと真言で状態異常を狙っているが、
チャージ中に攻撃を受けては倒れ、マラークにフェニックスの尾を使ってもらっている。
「くっ……せめて前衛チームが無事なら!」
嘆きながらアグリアスはチャクラを放った。
相性バッチリなので頭からダラダラ血を流すラムザもすぐ元気になった。
「まずいです、このままではジリ貧……全滅はまぬがれません」
「どうするラムザ!?」
「北斗骨砕打の一撃必殺に賭ける……成功率は低いですが、もうそれしか」
「し、しかしチャクラを休んでは……」
「大丈夫、僕が全力でチャクラをします。アグリアスさんを死なせはしない。
 だから僕を信頼して、戦ってください。お願いします」
「ラムザ……貴公の命、預かった! でぇぇい! 北斗骨砕打!」
赤チョコボに命中!
デス、不発!
黄チョコボがチョコケアル!
赤チョコボ回復!
赤チョコボの反撃。チョコメテオ。アグリアスの金髪が赤く濡れた。
「あぐっ……!」
「チャクラ! アグリアスさんしっかり!」
「ぬぅぅ……負けるものか、北斗骨砕打ァー!」
死闘を繰り広げる中、ついに一匹の赤チョコボを仕留める事に成功するアグリアス。
これで敵の攻撃力を削ぐ事ができた、ホッと一息ついた刹那――。
「うわぁー!」
相性効果で回復量が上がっていたアグリアスと違い、
通常の回復量しか得られなかったラムザはついに倒れてしまった。
「し、しまったぁー! マラーク、フェニックスの尾を!」
「駄目だ! さっきラファに使った分が最後だ!」
絶体絶命。戦闘不能に陥った者は早急に手当てせねば死んでしまう。
ラムザの命が尽きるのが先か、まだ大勢残る敵を全滅させるのが先か、
考えるまでもない……しかしあきらめる訳にはいかない。
「アグリアスさん、みんな、ごめんなさい私のせいで……」
ラファは戦意を失いその場に泣き崩れた、そこに迫るチョコボール。
「危ないラファー!」
間に割って入ったマラークの身にチョコボールが炸裂……しようとした瞬間、
大地がめくりかえって壁となった。
「こ、これは! タイタン!?」
驚愕するマラークとラファ。なぜ、誰が詠唱を!?

その時、河の対岸から現れる三つの影。
「ラッド!」
「アリシア!」
「ラヴィアン!」
『戦線復帰!』
タイタンを受け挟み撃ちにされて驚き戸惑っているチョコボの群れに、
ラッド達は苛烈な攻撃を加えていく。
「ええーい! 地烈斬!」
「でやあー! 阿修羅!」
「よぉし今度はラムウの詠唱に入るとするか! とっとと片づけるぜ!」
前衛三人組の範囲攻撃の波状攻撃に成すすべもなくチョコボの群れは次々に倒れ、
ついには逃げ出してしまった。
「大丈夫かアグリアス」
「ら、ラッド。助かった、礼を言う」
「フッ……これに懲りたら俺を邪魔者だなんて思わないこった」
「じゃ、邪魔者などと……それよりお前達、頭痛とめまいはどうした?」
「あー、薬を調合して治した。あれくらいのなら簡単にな」
と、ニヤリ笑ってラファを見るラッド。どう見てもラファが何をしたのか見抜いてます。
ラファはしょんぼりと肩を落とした。
エスナでも治せない毒だったのに、まさかああも簡単に解毒されるとは。
とはいえ自分の軽率な行いのため全滅しかけてしまったので、感謝せねばならない。
「さて、ラムザの顔がいい感じに青くなってるな。早く蘇生してやれよ」
「それがフェニックスの尾が無くて……」
「お前、拳術の蘇生使えたろ?」
「ハイトが……その……」
見れば、ラムザの周囲には同一ハイトの場所が無い。これでは蘇生は不可能だ。
「やれやれ、仕方ねーな。俺のレイズで何とかしてやらぁ」
「おお! さすがラッド、こうもお前が頼もしいとは……」
アグリアスは全力でラッドを見直した。
性格は気に食わないが、これからはうまくやっていけそうだ。
そんなアグリアスの心変わりを感じながら、ラッドは自信満々といった風に詠唱した。
「レイズ!」
ミス! ラムザは生き返らなかった。
「…………」
「…………」
男同士、磨羯宮同士、相性は普通。とてつもなく普通。
だから、まあ、失敗しても珍しくないネ!
「ラッドォォォッ! 時間が、時間が無い! 早くもう一度レイズを!」
「待てもうMPが無い、お前等チャクラやれ早く」
「ちょっ、そこも微妙にハイトが合わない。というかこの辺一帯ハイトが合わん!」
ああ! 何という事だろう。チャクラ合戦のために同一ハイトに陣取っていた二人だが、
アグリアスが北斗骨砕打のために死に物狂いで移動したため、
チャクラが届かないハイトズレした場所に来てしまっていたのだ!
「落ち着けラッド! そこにクリスタルがある、それを取ってMP回復だ!」
「解った! ていっ、アビリティ継承? いるかボケ! 今はHP・MP回復だ!」
ラッドのHP・MPが回復した!
「よしレイズをラムザにターゲットして……あっ」
その時、ラッドは気づいた。自分の立っている場所こそラムザが倒れていた場所だと。
つまり、今取ったクリスタルは……。
「ら、らむ……きゅ~っ」
アグリアスはその場で目を回して河の中にぶっ倒れた。
「ああっ! アグリアス様がー!」
「溺れる! 早く引っ張り上げて!」
アリシアとラヴィアンが大慌てでアグリアスを引っ張り上げる光景を見ながら、
ラファは辞表ってどう書けばいいんだろうと涙を流していた。

   GAME OVER……?
「本ッッッ当ォ~~~~にごめんなさい!」
土下座してダラダラと涙と鼻水を垂らして謝るラファを前に、
アグリアスもラッドも渋い顔をしていた。
ラッドから、前衛チームの頭痛の原因は聞かされているし、
アグリアスはラファがなぜそうしたのか理由を察している。
一番悪いのはラファだが、これは本質的に事故であるし、責任はアグリアスにもある。
どうしたものかと困っていると、どんどんラファの謝罪はエスカレート。

「本当にごめんなさい私が軽率な行いをしたばっかりにどう謝ったらいいのか
 いえ謝って許される問題ではありません私は殺人犯です所詮暗殺者なんです
 未来永劫地獄の釜でグツグツとされるのが相応しい大馬鹿者です最低最悪の
 ああそんな私がいくら詫びたところでラムザさんは帰ってこないというのに
 ラムザさんラムザさんラムザさんラムザさんラムザさ~~~~~~~んッ!」

その時奇跡が起こった!
かつて死したマラークを生き返らせたように!
ラファの偽らざる心が! 聖石から力を引き出し!
ラムザの魂を天から舞い戻す!

「おおっ……これは……」
アグリアスは、天から降りてきたラムザの魂をじっと見つめた。
魂のラムザはニッコリと微笑んで、ラッドの体内への入っていった。
「……え?」
ラッド、ラムザのクリスタルを吸収した男。
ラムザの肉体が無い以上、ラムザの肉体が帰る場所は必然的にそこだった。

「ら、ラッド……ラムザ?」
「俺はもうラッドでもラムザでもない……名前を忘れてしまった磨羯宮の男だ」
こうしてラムドと改名した彼はルカヴィとの戦いに身を投じる。

 ターゲットは磨羯宮の男 完!
最終更新:2010年03月26日 15:28