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日課の鍛錬を終えて、宿の自室へ戻った所、不意打ちのようにラムザは居た。
 あろう事か私のベッドにて眠りこけてるものだから、一瞬、動揺したが、
 冷静になって整理してみると、おそらく、自分を待っている内にうとうとという所だろう。
 連戦を重ねていたから無理も無い。起こすような無粋な真似はやめて、
 武具を削いだ自分の体を、ラムザの傍らに座らせた。
 ……こうやって覗き込むと、本当、まるで赤子のようだ。
 自然と私のゴツゴツとした指が、ラムザの髪を梳いていた。
 雨風、そして血に晒されているだろうに、布のようにほどけていく。
「……ん」
「!」
 少しだけラムザの顔が歪む、それだけで、私の心臓も歪むようにどきっとする。
 起こしてしまったか、こんな事をしてるのがバレてしまったか、
 ……瞼は開かれる様子がなくて、私は安堵の溜息を吐いた。
 ……それに、しても、
「無防備すぎるぞ、ラムザ。私が敵だったらどうする気だ
 今の、子供みたいなお前なら、どんな目にだって合わせられる、……」
 実際は、そんな事など何一つできる訳がない。ラムザが自分の仲間であるというより、
 単純に、私が臆病者なだけだ。本当なら、抱きしめたい、そして……、
 ……それ以上の事を言葉に出来ずに、想像するだけで顔を赤くするだけの自分が居る。
 我ながら情けない。相変わらず、無垢な顔で寝息をたてるラムザに、私は、
「これぐらいは、今、許してくれ」
 さっきと同じように、ラムザの髪を梳いた。指の間を流れていく、彼の一部。
 心地の良い夢を見てるのだろうか、ラムザの顔が緩んだ。それが、今の自分の所為によるものだとするなら、
 幸せな事だと思いながら、長く、彼の髪に触れ続けた。
最終更新:2010年03月26日 15:29