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夏――! 夏といえば――水着ッ!!
「という訳で、プールにでもいきませんか?」
「却下。なんか関西弁を話すマインドフレイアに触手プレイされる予感がする」
「じゃあ海に行きましょう」
「解った」
こうしてラムザとアグリアスは戦いの疲れを癒すため海水浴を決定した。

ウォージリスの浜辺で、水着姿の一同はおおはしゃぎだ。
ムスタディオは「スイカ割りをするぞ」と叫び、ラヴィアンとラファが参加する。
ラッドはアリシアを岩陰に連れ込んだ。釣り具を持って。
ベイオウーフもレーゼを岩陰に連れ込んだ。特に何も持たず。
オルランドゥ伯は赤フンで海に飛び込んだ。
マラークは蛙になって波にさらわれた。
残ったラムザは右腕をアグリアスの胸に挟まれ、左腕をメリアドールの胸に挟まれていた。

「メリアよ。ほれ、スイカ割りが楽しそうではないか。
 ああいうのを割るのも剛剣らしくて面白いんじゃないか? 行ってこい」
「あらアグリアス。ラッドがアリシアにイタズラしないよう見張りに行った方がよくない?」
ラムザを挟んで睨み合う両者。
目の前で火花が散っているというのに、ラムザは惚けた顔を浮かべていた。

青いビキニが眩しいアグリアスさん。
緑のワンピースが美しいメリアドール。
二人に挟まれている僕はなんて幸せなんだろう。
その様子を見て、ムスタディオは歯軋りをする。
「ぬうう……ラムザめ、うまくやりやがって。
 こうなったら俺もラヴィアンとラファ……ラファはいいや、
 ラヴィ……いや、こいつもなぁ……う~ん……」
などと呟いたせいで、首まで埋められたムスタディオはスイカの代わりをする事になった。
そしたら海から戻ってきたオルランドゥ伯がエクスカリバー装備で参加を表明。
「ああ、俺死んだわ」
ムスタディオのデコが夏の太陽を浴びて輝いた。

そして、その横でラムザも首まで埋まっていた。
「あのー……何がどうなってるんですか?」
問いに答えるはアグリアスとメリアドール。
「愚問だなラムザ。お前はフラグだ」
「要するに私とアグリアス、同時に走り出して先にラムザのフラグを取った方が勝ち」
旗なんてどこにあるんだろうと疑問に思うラムザの頭上で、アホ毛がゆらゆら。
グシャリ。
隣から奇妙な音が聞こえ、頬に嫌な感触の液体がかかったラムザは、天を仰いだ。
「太陽が眩しいや」

ラムザから十数メートル離れた位置に並ぶアグリアスとメリアドール。
いよいよ決戦の時!
「フッ、メリアドールよ。ラムザのアホ毛は私がいただく」
「甘いわねアグリアス。鈍足のあなたに私が負けると思って?」
一秒。
二秒。
三秒。
「しまったぁっ!!」
「この勝負もらった!」
アグリアスが慌てふためく横で早々にガッツポーズを取るメリアドール。
これはもう駄目かもしれんね。
「じゃあ行くわよ! ヨーイ、ドン!」
メリアドールが合図をし、先んじて走り出す。
慌てて後を追いかけるアグリアスだが、開いた差は閉じようがなかった。
絶体絶命! このままラムザを奪われてしまうのか!?
その時、救世主来る!

同時刻――竿を握りしめ、呼吸を乱しているアリシアの姿があった。
「ら、ラッド! ラッド! もう駄目、私……!」
「アリシア、もうちょっとだ。もっと力を込めて……」
「あっ、あっ……来る! 来るわ! あっ……!」
アリシアは尻餅をついて、獲物のかかった釣り竿は力いっぱい引っ張られた。
頬に釣り針の刺さった蛙が宙を舞い、糸が切れ――。
というように健全に釣りを楽しんでいるラッドとアリシアであった。

メリアドールは踏んづけた。ヌルッとしたこの感触! 蛙だ!
「キャアッ!」
「グゲコォッ!?」
マラークの声にならない声の上に、メリアドールがすってんころりん。
哀れ下敷きとなったマラークは虫の息。
「今だァッ!」
これ幸いと猛ダッシュするアグリアス。狙うはラムザのアホ毛!
「取ったぁー!」
目前! という所で濡れた何かを踏んづけ、足を取られた。

「いかんいかん、ふんどしをしめ直そうとしたら、風に飛ばされてしまったわ」

という声が聞こえ、アグリアスは自分が踏んづけたのが、
オルランドゥ伯の赤フンだと理解し、声にならない声を上げた。
そして前のめりに倒れた先には、埋められたラムザが顔を出していて――。
肘。
それはもう綺麗にラムザの鼻梁へとアグリアスの肘が叩き込まれた。
このパターン、絶対アグリアスの胸が顔にムニュッと思い込んでいたラムザは、
予想外の衝撃に凄まじい勢いで鼻血を噴出した。
ああ、どうせならこの鼻血、違う理由で出したかった。

こうしてウォージリスの浜辺は二人分の生き血で染められましたとさ。
そしてベイオウーフとレーゼが帰って来たのは日が暮れてからだったとさ。
そして今日の晩ご飯はラッドとアリシアが釣り上げたマインドフレイアだったとさ。
『煮てよし、焼いてよし、でもタタキは嫌やで!』
と魔獣語で言うマインドフレイアだったが、アリシアは魔獣語をセットしていなかったため、
マインドフレイアの活け造りを振舞うのだった。

「ゴンザレス……久々の出番だというのに、哀れな奴」
「ゴンザレスって誰だっけ?」
大量出血したラムザとムスタディオも無事回復し、
ゴンザレスことマインドフレイアの活け造りをおいしくいただいたとさ。
その横でアグリアスとメリアドールが争っていた。

「どけメリアドール! ラムザに『あ~ん』してもらうのは私だ!」
「年増の癖に『あ~ん』してもらうですって!?
 私はラムザに『あ~ん』して上げるんだから!」
「ぬうう! ならば私はおしぼりでラムザの口を拭き拭きする!」
「だったら私は――!」

異端者ラムザ一行、今日も平和である。

   終わる
最終更新:2010年03月28日 16:37