ある朝、食堂に行き、メンバーと挨拶を交わす。
しかし、そこにアグリアスさんの姿がない。アリシアとラヴィアンもだ。
「ムスタディオ、アグリアスさん達は?」
「さぁ、今日はまだ見てないぜ」
「ふ~ん、ラファ。君は知らない?」
「アリシアさんとラヴィアンさんなら今朝、会いましたよ?」
「珍しいなぁ~、あのアグリアスさんが寝坊なんて」
なんて話をしていたら、食堂の入口に二つの影―――ラヴィアンとアリシアだ
が、様子が変だ。アリシアはいつも以上にニコニコしている。対してラヴィアンは眉を下げ困った顔をしている。
「二人とも、おはよう」
「おはようございます、ラムザ隊長!!」
「お、おはよう、ございます」
「アグリアスさんは?」
「隊長なら一緒に――」
「アリアシア、私から話すわ。隊長、見て頂きたいモノが…」
「ん?ラヴィアン何抱えてるの?」
「驚かないで下さいね☆」
何が嬉しいのかアリシアは上機嫌だ。
ラヴィアンがゆっくりと抱えているモノを見せた。
「ぉ、おはょぅ…ラムザ」
「ええぇーっ!?」
驚くなと言われても無理である。
なんと抱えられているモノ――いや、者は小さなアグリアスだった――
「んー、どうしたラムザ?うおぉ!?」
「アグリアスさん!?」
「皆、あんまり大きい声は…」
「おぉぉ!?アグ姉が小さくなってる!!」
「なんと!これは一体…」
「きゃー、かわいい☆アグリアスさんどうしたんですか?」
「でしょでしょ!さっすがラファちゃん~☆」
「もぅ、アリシア!喜んでる場合じゃ――」
「あぁ、もぅ、うるさーい!!」
――驚嘆と好奇の的にさらされる事、30分。
相変わらず好奇の的にさらされてはいるものの、大きい声をあげる者はいない。
「大丈夫ですか?アグリアスさん」
「あぁ、大丈夫だ。…が、少し耳が痛い」
「でも、一体どうして―」
「それは、私から説明します」
ラヴィアンの説明によると、それは昨日の事――――
アリシア・ラヴィアンが儲け話から戻ってきた。
メンバーが増えた事で、資金繰りに行き詰まった一行は、この数日、それぞれ資金繰りに奔走していた。
「アグリアス隊長、戻りましたー」
「アグリアス様、只今戻りました」
「うむ、ご苦労」
「骨董商の護衛って意外と大変なんですね。たった2日間なのに3回も盗賊に襲われましたよぅ」
「それだけ、イヴァリースの治安が悪いということだな」
「ですね。まぁ、報酬の他に珍しい物を貰いましたけど」
「ん?何を貰ったんだ?」
「旧文明の技術で作られた箱です。なんでもドーターの闇市で手に入れた品で、骨董商が言うには[古]の頃の物だとか」
「ほぅ。その話が本当ならかなりの値打ち物じゃないか。何でくれたんだ?」
「そういった物を買うのは教会か機工士くらいで、あまり値が付かないらしいですよ?」
「じゃあムスタディオにやろう。中には何が入っているんだ?」
「さぁ・・・まだ確認してません(怪しそうなので)」
「中身の確認くらいしておいた方が良いだろう」
パカッ
「む?」
「どうしました、隊長?」
「いや、何でもない―――ふむ、中身は何も入っていないようだな」
ただの箱のようなのでラヴィアンに放って渡す。
「確かに何も入ってないですね―って隊長ぉ!?」
「アグリアス様が、小さくなっ!?」
「わ、わ、わっ!一体どうなってるんだ!?」
「私に聞かれても…と、とにかく、アグリアス様、落ち着いて下さい」
「ねぇ、ラヴィアン、このまま隊長が消えちゃったりして…!!」
「アリシア!変に不安を煽ること言わないでよ!!」
「き、消える!?私がか!??―このまま、消えてしまったら…こんなところで……しかも、まだラムザに―――イヤァァー!!」
現在の大きさになるまで急速に縮んだアグリアス。
その後、ラヴィアンがエスナを使ったり、端からアイテムを使ったり、アリシアが小さくなったアグリアスを見て喜んでも元には戻らなかった。
「―――で、いろいろ試してみたんですが…結局駄目でした」
ラヴィアンの話を聞いて事情はわかった。
でも、エスナやアイテムで解決できないとなると――
「私の故郷でもそう言った術は聞いた事無いです」
「人をドラゴンにする魔法なら知ってるけど、小人にする方法は知らないわね」
他のメンバーに聞いてはみたが、やはり同じ答えが返ってきた。
「でもよ~、消えなくて良かったなアグリアス」
「うるさいぞ、ムスタディオ。…指で人を突っつくんじゃない、バカ者!!」
う~ん、どうしよう……でも、びっくりしたな~。どうすれば元に戻るんだろう?あぁ…でも、アグリアスさん……か、可愛い
ちょうど手のひらと同じくらいかな?ムスタディオに抗議の声をあげながら両手で指を払い避けたり、走って逃げたり…まるで小動物のようだ……
あぁ~、かわいいなぁ。いつものアグリアスさんも良いけど、これも良いなあ~………触るとプニプニしてるのかな?………僕も触ってみようかな?
ラムザが触ろうと手を動かした時―
「いい加減にしろ!!」
アグリアスは小さなセイブザクィーンを一閃し、ムスタディオの指に切りつけた。ムスタディオに50のダメージ!!
「ぎゃー!痛てぇぇー!!」
「もぅ、何やってるですかー。はい、ケアル~」
「昨日のアリシアみたいね」
「私は切り付けられてませんよ?」
「そうね。その代り、不動無明剣くらったけどね」
…やはりアグリアスさんは、アグリアスさんだ。良かった触らなくて――
そんな中、沈黙を守っていたオルランドゥ伯が口を開いた。
「昔読んだ文献に、小人にする魔法-ミニマムというのがあったそうだ。当時、小人の状態でしか入れない部屋もあったらしい」
「う~、まだ、痛えぇ。魔法銃と似ている構造があるから同じような方法で魔法を封じ込めておいたんだな」
「ということは、やはり魔法ですか」
「うむ。だが、ミニマムは大崩壊以前の魔法。使える者はもうおらんだろう」
「あ~、そういえば」
「何かしってるの、アリシア?」
「関係ありそうな話、2つ知ってますよ。
1つは、東方の国の話で、推理ものです。特殊なポーションを飲まされて小さくな――」
「それは違う」
「何も文末食ってまで否定しなくてもいいじゃない、ラヴィアン」
なによー とアリシアは抗議の声を上げている。
「アリシア、もう1つは?」
「もう1つも、やっぱり東方の国の話なんだけどね。生まれた時から小さい男がウチデノコヅチというアイテムで大きくなるって言うはなし」
「ああ、そういえば聞いたことがある。確かイッスンボウシとか言う話だったよね」
「だが、あれも大昔のはなしだよな。そのウチデノコヅチがまだ現存してるかは謎だぞ?」
「だけど、今上がった話の中では一番現実的だ」
「じゃあラムザ隊長、あの骨董商に聞いてみましょうか」
「箱をくれた骨董商?」
「そう、あの骨董商いろいろ知ってそうだし。ウチデノコヅチが大昔のものなら何か知っているかも知れませんよ。餅は餅屋です」
「そうね。何よりこんな事になったのも、元はといえばアイツのせいじゃない?こんな箱くれなければ!!」
「ホントよね!私たちが何したって言うのよ!! 確かに荷台にある高そうな壺壊したけど―」
「そうよ!!私は石像の腕をもいだけど、あんなに頑張ったのに酷いわ!」
ラヴィアン…アリシア………
最終更新:2010年03月30日 20:45