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 ぶる、と腰骨が震えた。性器を銜え込んでいる後孔がきゅううと絞られ、 その内部の肉が粘液を伴い熱く蠢く。 俺は、意識を薄める急激な快楽を、深く息を吐いて逃がし、 もう一度小作りな頭に口を寄せる。 夜の中、肌は青めいて光り、柔らかい髪の奥からは馨しく甘い匂いが振り撒かれる。 それをうっとり眺めてから、熱を発する頬に頬をつけて、耳元で低く。 「古泉」  また秘部が収縮する。抱きこむ体が熱くなり、ああ、感じてるんだな。  そしてまぶたが再度見開かれる。涙が、睫毛の先端できらきらと輝く。 涙が、目尻からしとしとと流れる。 俺が耳から注ぎ込んだ言葉は、古泉の口から子どものような喘ぎとして出てきた。 涸れた喉から、搾り出すように。 「あぁぁぁぁっ……」  悲鳴は細い。唇をはくはくと震わせている。湧き上がる過剰な熱から逃げるという 概念自体忘れているのか、ただ快楽に溺れている。  まあ、逃げようとしても、逃がすわけはない。  男にしてはふっくらとした頬に鼻先を擦り付けながら、古泉の腰を両手で抱え直し、 体内を繰り返し穿つ。小刻みに揺らしたり、ねっとりとかき回したり。  頭の一番近くで、ずっと「古泉」と囁きながら。  そしてずっと古泉は泣いている。首が力なく振られる。 「はあ、あ、や、やあっ……やめて、やめて、もう」  もう、何だろうか。  おかしくなってしまうと言うのなら、おかしくしてしまいたいのだ。  俺だけに名前を呼ばれて何度もいっちまえばいいのに。  そんな悪意を込めた睦言にさえ、忠実に反応する体。液体音をそこここで鳴らしながら、胸を上下させている。  お前が俺のものだと知るたび、お前はこんなにも悦ぶんだ。

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