第53話 参謀長を守れ!星の戦士たち


「ここは…?」
オーブルー・三田祐司が目覚めたのはインファント島。
そう、モスラが眠る神秘の島である。
「気がつきましたか?」
目の前に現れた二人の女性。だが、何かがおかしい。
身長が30cm程度しかないのだ。
「あなたたちは…小美人?」
「はい」
「でも、たしか日本のテレビ番組に出るために…」
「私たちは一度傷ついたモスラを癒すため」
「一度日本を離れました」
「!?モスラに何かあったんですか?」
「モスラは一度操られ、悪の手先になりかけたのです」
「XIGやGATSの皆さんのおかげでモスラは元に戻り、今はおとなしく休んでいます」
「それよりも、傷は痛みますか?」
「あ…だ、大丈夫です…それより早く日本に戻らないと!!」
「今のあなたの体では無理です」
「だけど…」

「行くなら早く出て行きな」
また別の声がした。祐司の目の先には小さな竜…ガルガルに乗ったベルベラがこっちを睨んでいる。
「ベルベラ!!」
「なんていうことを…この人は大怪我をしているのがわからないのですか」
「この島に人間は必要ない。人間が今までどんなことをしてきたか、お前たちも知ってるだろ?」
「だけど…」
「いいんです。僕の傷なら、もう癒えましたから」

そういって小美人にお礼を言い、インファント島を去る祐司。

「ダッシュレオンは無傷か…これなら日本に帰れるな」
祐司がダッシュレオンに乗り込もうとした時、何者かが後ろから引っ張ってくる。
「…アタシも連れていきな」
「へっ?」
「へっ?じゃねえよ。この島にいると退屈でさ、いいだろ?」
「うーん…」
「それとも、このデカブツをぶっこわされたいのかい?」
「…わかったよ。その代わり、大人しくしててくれよ。隊長にバレたら怒られるんだから」
「OK♪お前、けっこう話せる奴じゃん」
「やれやれ…」


「やれやれ、いくらなんでも、全員が駅前で暴れるのははしゃぎ過ぎだったよな。やっぱ、
あいつら頭悪すぎだね」
そう、ぼやきながら、人通りの途絶えた大通りを歩く青年の姿があった。
「あれのせいで、街からリントがすっかり消えちまったよ。これじゃあ、ゲゲルになりやしない」
そう呟く青年の横を一台の救急車が通り過ぎていった。
「あれは、確かリントの怪我人病人を運ぶ車・・・・」
救急車を見て、しばらく何かを考えた青年は
「そうか、病院なら怪我して動けなくなったリント達が集まってるな。効率よくゲゲルを
実行するには調度言いい。それに、動けなくなったリント達が恐怖に包まれながら
死んでいくのを見るのも楽しそうだな」
そう言い、青年は残忍な笑みと共に一瞬、メ・ガルメ・レの姿になると、救急車の向かって
行った方向、そう三浦参謀長の入院する病院へと向かって行った。


日本へ向かうオーブルーとベルベラ(とガルガル3)。
ベルベラ「なあ、ところであんた日本についたらどこ行くんだ?」
祐司「うーん…とりあえず隊長の安否を確認しないといけないけど…何か用事でもあるのか?」
ベルベラ「実はさ…モスラを蘇らせたいんだ」
祐司「?…モスラはインファント島で休んでるんだろ?」
ベルベラ「あたしが言ってるのは護国聖獣モスラさ。知らないのかい?」
祐司「知らないね」
ベルベラ「護国聖獣…モスラ、ギドラ、バラゴンの三体は日本を守る神様だったんだ。
     インファント島のモスラやキングギドラとは別の種類みたいだけど、そいつらがいれば日本の怪獣くらいは撃退できるだろ?」
祐司「なるほど…って、何でお前そんなこと知ってるんだよ!!」
ベルベラ「どうだっていいだろ?さっさと行くんだよ!!」
祐司「…わかったよ。だけど、隊長の安否を確認してからな」


秋田県・象潟
秋田県の最南端にある町の浜辺に、三田祐司、ベルベラ、ガルガルの2人と1匹
の姿があった。
「・・・ここはどこだ?」
「秋田県の象潟だ」
「秋田県?なんで、インファント島から日本海にたどり着くんだよ?」
「そんなこと、ワタシが知るわけないだろ」
「あちゃー、とにかくこんな所に着くなんて。バルカンベースまで
だいぶあるなぁ・・・」
そう言い、頭を抱えていると
「オイ、折角だから牡蠣を食いに行こう。牡蠣を」
と、困っている三田におかまい無しに言った。
「牡蠣だって?何言ってんだ、牡蠣は夏に食えんぞ」
「無知な奴だな。ここ象潟は夏に食える岩牡蠣の産地だぞ」
「へー・・・そう言えば、向うで目が覚めてから何も食ってないな・・・・」
「よし、決まりだ。腹は減っては戦は出来ぬ。」腹ごしらへをしてから
出発しよう」
「・・・そうだな」
空腹を覚えていた三田はベルベラの提案に賛成した。
「・・・とはいっても、どこで食えるんだ。グルメ紀行でお馴染みの市場はもうやって
無いだろうし・・・」
「あそこで食えるぞ」
ベルベラは、そう言い、海岸沿いに立っている近代的な建物を指差した。
「あれは?」
「あれは道の駅だ。いわゆる、ドライブイン+観光案内とか温泉とか色々
ある施設だ。あそこで食えるぞ。牡蠣の天丼もあるらしいぞ」
「・・・お前、やたら詳しくないか?」
「そんなことは無い。これ位世間一般の常識だ。お前が無知なだけだ」
「そうかぁ?」
「つべこべ言わずにさっさと行くぞ」
「おっ、おう」

秋田へ着いた祐司達は道の駅のドライブインで牡蠣の天丼を食べていた。
「やっぱ牡蠣ってうまいな。」
「ベルベラ、落ち着いて食えよ!」
楽しく会話が弾んでいる時、テレビからニュースが流れてきた。
「昨日から長野に現れたグロンキ族による被害者は300人を超え、県内での病院では収まらず、
浅見グループの総合病院にも被害者が収容されました。
また、県内の病院には昨日より国際空軍の三浦参謀長が入院しております」

「なんだって!参謀長が!」
ニュースを聞いた祐司が急に椅子から立ち上がった。
「どうしたんだよ!」
ベルベラはあわてながら聞いてきた。
「参謀長は生きていたのか、ベルベラ、長野へ行くぞ!」
「行くって、ちょっと待て…まだ食い終わってないだろ」
「そうだった…」
再び二人は食事に戻った。
しかし、三浦参謀長の入院している病院にグロンキの一人、メ・ガルメ・レの魔の手が迫っている事を二人は知らなかった。


「あっ、参謀長の心拍数が!」
ソガが三浦参謀長のベッドの横の心電図を見ると心拍数が大幅に上がっていた。
「すごい、流石はオーレンジャーの長官ですね」
薩摩は心電図を見てほっとする。

その時、外の方からすさまじい音が聞こえてくる。
「何があったんだ!」
ソガがあわてて外を見ると緑色の怪人が周辺の人々を長い舌で襲っていた。
「グロンギか!?」
薩摩のいうとおりその怪人はグロンギ族のカメレオン種怪人、メ・ガルメ・レであった。
「ソガ隊員、行きましょう!」
薩摩があわてて飛び出そうとするがソガに止められる。
「ここで飛び出したら参謀長が危ない、だから救援を待つんだ」
「ソガ隊員…」
ソガは薩摩に促すが、彼の本意は変身しないで欲しかったという気持ちであった。
今日も長野に現れた二大怪獣と中央署を襲ったメ・ガドラ・ダと二連続で変身した事により薩摩が変身しても既に戦える体力ではない、
と思ったからだ。

「よし、病院の中へ入るか…」
メ・ガルメ・レが病院へ入ろうとすると、ガルメの背中に火の玉が命中し、吹き飛ばされた。

「だ、誰だ!」
ガルメが立ち上がると、目の前に裕司が乗るブルージェッターが止まり、横にはガルガルに乗ったベルベラがいた。
「このベルベラ様が来たらもうここまでだよ!」
ベルベラが啖呵をきる。

「参謀長には指一本触れさせない、超力変身!」
裕司はブルージェッターから降りると、オーブルーへと変身した。
「オーブルー!」
オーブルーはガルメに向かって構える。

「いくぞ!」
と、言った途端
「うっ」
突然、オーブルーは腹を押さえながら蹲った。
「どうした、三田!」
それを見てベルバラは驚いた。
「はっ、腹が痛い。どうやら、道の駅で毒を盛られたようだ」
「何だって!一体誰が…ちょっと待て。お前、生牡牡蠣何個食った?」
「4…45個」
「それだ!牡蠣にあたったんだ。ボケ!そんなに食うからだ!!」
「くっ、苦しい」
牡蠣を食い過ぎで牡蠣に当たったオーブルーにメ・ガルメ・レが襲いかかろうとしていた。


「坊や、よく我慢したな偉いぞ」
そう言いながら、その青年医師はテントの中で治療した少年の頭を撫でた。
三浦参謀長の入院する長野県立中央病院 、ここにも未確認生命体の被害者が次々と搬送されてきたが、院内には収まりきらず、
庭の至る所に仮設テントを 設けて医師、看護士総出で治療にあたっていた。

「それじゃあ、次の患者をいれてくれ」
「先生。少しは休まれた方が…」
「何を言っているんだ。治療を待っている人は大勢待っているんだ、
休んでなんかはいられない。さっ、次の患者を呼んでくれ」
心配する看護婦に笑顔を見せそう言うと
「相変わらずだな洸。」
そう言いながら、この医師と同じ年令の医師がテントの中に入ってきた。
「おい、何やってんだ。俺は患者を呼んだんだぞ。お前も早く持ち場に戻れ」
「まっ、そう言わず、これでも飲んで一息いれろ」
そう言い、彼にコーヒーを手渡した。

「三浦参謀長の手術が終わってから、すぐこの有り様だ。少しは休まないとお前も参っちまうぞ」
「う、うむ、じやあ、コーヒーを飲む間だけだ」
「そうそう」
そう言われ、医師はコーヒー受取り口にした。
コーヒーを手渡すと、その青年は隣に座った。
「三浦参謀長の手術は、お前がいたおかげで助かったよ。あれを成功させられるのは、
俺はお前くらいしか知らんからな」
「何を言ってるんだ。おだて立って何もでないぞ」
「ハハハ、それは残念。しかし、すまんな。学会で長野に来たばっかりに、
参謀長の手術を助けてもらったばかりでなく、治療の手伝いまでしてもらって」
「何、医師として当然の事しているだけだ。それに東京にいたとしても、状況は同じだ。」
「それもそうか。」
「しかし、未確認生命体はどうなっているんだ?」
「それがだ、県警本部も襲われて情報が全く伝わらなくなっている」
「何だって。それは」
「ああ、状況は悪くなるばかりだ。」
「(やはり俺がいくしか…しかし、患者達を放っておく訳にも…)」
「んっ洸。何を考えてる?」
「んっ、いや。」
と、その時、外で悲鳴と叫び声が響き渡った。

「!」
「どうした?」
二人がそれを聞き、外に顔をだすと、患者達が騒ぎ立ててパニック寸前になっていた
そして、二人を見た看護士が青くなって叫んだ。
「先生、みっ未確認生命体が外に!」
「何だって!ここにも来やがったの!」
「お前は、ここを頼む!」
「おい洸!どこへ行く?」
それを聞いた、青年医師は外へと駆け出して行った。

「ふっ、なんか分からんが、バカな君は死にな」
病院の表玄関では、牡蠣の食あたりに苦しむオーブルーに止めをさそうと
メ・ガルメ・レ が近付いいた、その時であった。
「待て、未確認生命体!!」
メ・ガルメ・レを呼び止める者があった。
「んっ?」
メ・ガルメ・レが、その声に振り返ると、そこには洸と呼ばれていた医師が
立っていた。
「罪もない数多の人達を傷つけ、命を奪ったお前達を許さん」
「プッ、リントごときが何を言ってるんだ?」
あざ笑うメ・ガルメ・レを睨み付ける青年の拳に紋章が浮かぶと同時に叫んだ。
「装着!!」
そう叫び、彼は戦士へと変身した。
そう彼こそが、超古代人より受け継がれた力を持つ戦士、グランセイザーの1人
風のトライブ・セイザーレムルズこと伝通院洸なのであった。

「喰らえ!ファイナルジャッジメント!」
レムルズが愛用の銃、アイアン・ゲイルから青白いエネルギー波が放射される。
必殺のファイナル・ジャッジメントだ!
「馬鹿め、この程度の攻撃をかわせぬと思っていいるの。」
メ・ガルメ・レがファイナル・ジャッジメントを右横によける。

しかし、ガルメの後ろは病院の壁でその壁は轟音と共に崩れ去った。


             し ま っ た ぁ ! ! 


レルムズが悲痛の叫びを上げる。
「先生!」
その時、仮設テントから一人の看護婦がレルムズに駆け寄る。
「愛!」
彼女は洸と同じ京南大学病院に勤める看護婦、魚住愛であった。

「何故君がここに、ついてくることは無いのに。」
「先生、私も看護婦として人々の命を守りたいのです!」
愛は洸に黙って長野に来ていたのだ。

「フン、またリントが一人増えたか…」
二人にガルメが近寄ってくる。
「やらせない、装着!」
すると愛が右手をかざすと右手の甲のグランテクターが輝き、セイザーパイシーズへ変身した。

「リントごときが変な小細工をするな!」
ガルメは長い舌を二人に向けた。
「くっ!」
二人もすばやい身のこなしでよける。

「今だ、ファイナルジャッジメント!」
「ブリンクショット!」
そしてレルムズとパイシーズの必殺技が同時に決まりガルメは爆発と共に砕けた。

「お、俺って忘れられていない?」
オーブルーこと三田祐司は余りの腹痛で変身を解いていた。
「おーい!」
戦いを終えた洸と愛は祐司に近寄る。
「愛、どうやら彼は食べすぎによる腹痛のようだ」
洸は祐司を見て彼が腹痛だと見破る。
「普通、分かるだろ、誰か胃薬だせよ!」
と、間髪、祐司が突っ込みを入れる。
「分かった、愛、胃薬を出してくれ」
「はい、どうぞ。」
愛はカーディガンのポケットから胃薬と水の入ったペットボトルを差し出すと、祐司がそれを飲んだ。

「ありがとう、俺はこれから参謀長の所へ向かうよ」
「そうか、また共に戦えるといいな」
祐司と洸は握手をかわす。
「よし、祐司、参謀長の所へ向かうぞ!」
「って、そんなに急ぐなよ!」
祐司とベルベラは病院の中へと入っていった。

「さんぼうちょーー」
大声を出して、部屋に向かう祐司。
だが、
「参謀長は、集中治療室にいて面会はできません」
「手術は成功したと言え、しゃべれる状態ではありません」
と言われ、面会は出来なかった。

「参謀長…」
参謀長との面会が出来ず落ち込む祐司。
「何言ってんだよ、戦いが終わったら見舞い行けばいいじゃないか!」
ベルベラが祐司を励ます。
「ベルベラ…そうだな、ありがとう!」
ベルベラの一言で祐司は気を取り戻した。

「おや…?」
祐司のパワーブレスに連絡が入る。
「祐司か、俺は今バルカンベースについた所だ、昌平とリキもいるから安心してくれ」
「隊長!」
通信の主はオーレッドこと星野吾郎であった。
「隊長、今、参謀長の入院している病院にいます。参謀長の手術は終わりましたけど、絶対安静なのでこちらに向かいます。」
「そうか、待っているぞ」
通信を終わらせると祐司は即座に病院を後にした。


名古屋でのバルゴンとの戦いを終え、ビクトレーラーは無事、長野に到着した。
陽一郎達はビクトレーラーに残り、光、蛍、明、ダップの四人はマイティライナーで中央署へ向かっていた。
「はやく恭介たちに会えないダップかなぁ。」
「ふふふ・・・そんなにダップちゃんと仲良かった人だったの」
助手席の蛍が後部座席のダップを向き、話しかけた。
「そうダップ、みんな強くてかっこいい激走戦隊カァァァレンジャァァ、ダップ」
「かぁぁぁれんじゃぁぁ?」
ダップの話を聞いて明が不思議に思う。

その時、光が道路に怪しげな二人の男が入ることに気づき、急ブレーキを掛けた。
「あぶないな、道路のど真ん中に立つなよ」
光が顔を出し、二人に注意する。
「ラザ ゲゲルンアギデガギタバ(まだゲームの相手がいたか)」
「ボボデギラギギデジャソグ(ここで始末してやろう)…」
「お前達、ふざけているのかよ!」
光が怒りながらマイティライナーから降りる。
「ギキンネゾゴセデジャソグ(息の根を止めてやろう)…」
すると、二人はコウモリ種怪人ズ・ゴオマ・グとハチ種怪人メ・バヂス・バへと姿を変えた。
「くっ、奴ら化け物なのか!」
光がグロンギ怪人を見て驚きの声をあげる。
「大丈夫ダップか!?」
「兄さん!」
「僕達も戦おう!」
蛍たちもマイティライナーから降り、防人三兄弟は横一列に並んだ。
「ゾーンファイト、パワー!」
三人はそれぞれ、ファイター、エンジェル、ジュニアに変身しグロンギ怪人に立ち向かう。
「かっこいいダップ!」
ダップがゾーンファイター達に声援を送る。

「ボレデモボラエ(これでも喰らえ)!」
メ・バヂス・バが飛行しながら毒針をエンジェルとジュニアに放っていく。
「きゃぁ!」
「わぁ!」
差ほどの戦闘能力を持たない二人はかわすのが精一杯であった。
「エンジェル、ジュニア、大丈夫か!?」
「ええ、でも空を飛んでいるから中々攻撃が出来ないわ…。」
ファイターが二人に駆け寄る。
「ゾボゾリデギスンザ(どこを見ているのか)!」
三人の真後ろにズ・ゴオマ・グが浮遊しながら三人に狙いを定めていた。
「くっ、奴も空を飛べたのか!」
ファイターがズ・ゴオマ・グの方を向くが、ズ・ゴオマ・グは猛スピードで突進しようとしていた。

「ウルトラブルーチェリー!」
「グッ…」
その時、ズ・ゴオマ・グの背中に矢が放たれる。
「ラザ エモンガギタヨグザ バ(まだ獲物がいたようだな)…」
ズ・ゴオマ・グが矢の放たれた方向を見た。
「おっと、こっちの相手は俺達だぜ…」
ブルーチェリーを構えたアオレンジャーがズ・ゴオマ・グを挑発する。
その後ろには他の三人とターボレンジャーもいた。
「では、海城さん、行きましょう!」
「ああ、ターボレンジャーのみんなも頼むぞ!」
「はい!」
アカレンジャーがレッドターボに頷くと、ターボレンジャーはアカレンジャーに答えた。

「恭介たちじゃなかったダップ…」
ゴレンジャーとターボレンジャーを見て落ち込んでしまう。
理由はカーレンジャーでは無かった事は言うまでも無い。
「ラゴセデチラズリビギデジャスゾ(まとめて血祭りにしてやるぞ)…。」
ズ・ゴオマ・グがヒーロー達を見ながら不気味に目を輝かせる。

バチスは上昇していった。
「マズイ、アオ!」
「おう!」
それを見、アカが叫ぶとアオがアーチェリーを、バチスに向けた。
「ガゲスバ (させるか)」
そういいながら、ゴオマはアオに襲い掛かった。
「くそっ」
ゴオマを振払うが、バチスの姿は見えなくなった。
「逃げたダップか?」
「違う、奴は上空から針を放ち我々を殺すつもりだ」
「なんだってダップ?」
「早く建物のそばに…グハッ」
ダップに質問に答え、皆を建物などの所に避難させうとした時、右腕を押さえアカは膝をついた。
そして、地面には針が突き刺さっていた。
「クッ、ゴレンジャースーツを貫通させるほどとは…」
「アカ!」
慌てて、アカの元に駆け付けようとするアオの足下に無数の針が
空から打ち込まれた。
「何だと、15分立っていないのに針を打ち出せるのか!」
前回の未確認生命体事件の資料にのっていた14号のデーターと違いにアオは蒼然とした。

「とにかく、隠れろ!」
レッドターボが叫ぶと皆は建物等隠れた。
「ヂ ッ 、 ボ ボ ザ ジャ ヅ ビ ジュ ズ デ デ ジャ ス バ
 (ちっ、ここは奴に譲ってやるか)」
背中に矢を受け深手を負ったゴオマはそう言うと、飛び去っていった。

「グハッ」
建物の影に隠れようとしていたアカの左足をバチスの針が貫き、アカは倒れた。
「アカ!」
「ためだ!出ていったらやられる」
それを見て飛び出そうとするアオをターボレッドが押さえた。
「バカやろう!アカを見殺しにしろっていうのか!」
「グアァ」
そうしているうちに。バチスの針はアカの右の甲を貫いた。

「ガ ぅ 、 ザジャ ブ、ゼ デ ボ バ ギ ド 、バ バ ラ ザ ギ ン ゼ ギ ラ グ グ
 (さぁ、早く出てこないと仲間は死んじまうぞ)」
遥か上空、肉眼で見る事はできず、彼等の武器の射程外の上空で
バチスは冷酷な笑みを浮かべながら次の針を撃つ準備をしていた。

「ボレデゴワリザ (これで終わりだ)!」
バヂスがアカに次の針を放とうとしたとき…。
「この手を使うしかない!ゾーンダブルファイト!」
ファイターが前へ向かっていくと、ダブルファイトで巨大化した。
「キョ、キョザ ギバザ オ(きょ、巨大化だと)…!?」
バチスが巨大化したファイターを見て飛んだまま、固まってしまった。
ファイターはアカを見つけると、ダップたちの方にアカを置いた。
「ありがとうダップ」
ダップがファイターに手を振った。

再び、ファイターがバチスの方を向き、バチスをハエ叩きの要領で叩いた!
「流星、ハエ叩き!」
「ザ、ザエタタキザ オ(は、ハエ叩きだと)…」
飛行能力を失ったバチスはそのまま落下し、
地面に叩きつけられそのまま大爆発を起こし、散っていった。

戦いが終わり、一同は変身を解いた。
「海城、大丈夫か?」
「駄目かもしれない…奴の毒が体に廻ってきた…」
新命が倒れこんでいる海城に話しかけるが、彼は立ち上がるのも必死な状態であった。
(こんな時にバリドリーンが使えれば…)
バリドリーンは昨日、怪獣達への特攻で失ってしまい、移動手段がスターマシーンだけになるが、
海城の容態を考えると、スターマシーンを使うのは得策では無かった。
「それなら僕に任せて、スモーキー!」
明(ジュニア)が空を向き、スモーキーと叫んだ。
雲の中から、ゾーンファミリーの戦闘機、スモーキーが一同の元にやってきた。
「明、スモーキーであの人を病院まで送るのか。」
「うん、もうあの人も凄く危ないからね。」
光は明が海城を病院までスモーキーで送ることになった。
「もう明ったら、ほら、肩を持って」
「もう、姉ちゃんは人使い荒いなぁ」
蛍と明は海城の肩を持つとスモーキーに乗せた。
「神命さん、俺達は逃げた未確認生命体を追います」
「分かった、深追いだけはするなよ」
レッドターボ、炎力が新命に逃げたゴオマを追う事を告げた。
そして、マイティライナーとスモーキーは病院へと向かい、
ターボレンジャーはマッハターボでゴオマの追跡を始めた。


その頃、何とか撤退したゴオマは人間体に戻るが、ダメージは大きく歩くのもやっとであった。
「ザ レザ 、バギフグゾラタバベレバ(駄目だ、回復を待たなければ)…」
草っぱらをヨロヨロ歩くゴオマの目の前にグロンギのナンバー2、ラ・バルバ・デが現れた。
「何だその様は…」
「モ、モグギチゾチャングゾ(も、もう一度チャンスを)…」
ゴオマはバルバに泣きながらしがみ付くが、バルバに手ではたかれる。
「ぐ、ぐぁぁぁぁぁ!!!」
その後、ゴオマのうめき声と共に辺り一面に無数のバラの花びらが舞い、二人の周辺を包んだ。

そして、全てのバラが舞い落ちると、そこには倒れていたゴオマの姿だけで、
バルバはその場から既に去っていたのであった。
残るグロンギは後三人、このまま長野の町はグロンギの手に落ちてしまうのか?


セイザーレルムズがメ・ガルメ・レを倒し、平穏が戻った長野県立中央病院に
ウルトラ警備隊のポインターが到着した。

「隊長!」
病院から出たサツマ隊員とソガ隊員がポインターに近づく。
「サツマ、ソガ、グロンギの方はどうなったんだ?」
ポインターからキリヤマ隊長とフルハシ隊員が降りてきた。
「オーレンジャーの一人と見た事ないヒーローが二人が倒しました」
サツマ隊員が二人に説明する。

「で、この壁はグロンギにやられたんだな、酷い奴らだな。」
フルハシ隊員がレルムズが誤って破壊してしまった壁の方を見る。
(言わないでおこう…)
二人が真実を言わないほうがいいと思っているのは言うまでも無い。

「参謀長の方はどうなったんだ?」
フルハシ隊員が聞いてくる。
「参謀長は面会謝絶なので不安ですが、心強い見方がいます」
「心強い見方?」
サツマ隊員の返答にフルハシ隊員が不思議がる。
「でも病院の方は大丈夫だろう、中央署へ戻ろう。
キリヤマ隊長の一言で隊員たちはポインターに乗り、中央署へ戻って行った。

「ウルトラ警備隊か、彼らがいるなら大丈夫だな」
中央署へ向かうポインターを白衣の男が見ていた。
「先生、そろそろ戻ってください」
一人の看護婦が男に声をかける。
「愛、今行くよ」
その男、伝通院洸は看護婦である魚住愛と共に病院の仮設テントへ戻っていった。


所変わって仙台、ジャイガーを倒し、東京へ帰ろうとする海野たち寺子屋塾の面々は帰りの新幹線に乗ろうとしたが…。
海野「新幹線、無いのかよ!」
駅員「申し訳ございません。度重なる怪獣の出現で線路の大半も壊されていますし、復旧にも時間がかかります。」
海野「そうか、なら避難所で過ごすのか」
子供A「えーっ!」
海野「いつも自分の出来る事っていってるだろ!」
子供B「そうなの?でもまた怪獣が来たらどうするの?」
海野「その時はその時だ!ウルトラマンばかりに頼るのもいけないぞ!」
子供C「じゃあイグレックは…」
海野「それもダメだ…!」
海野は自分がギャラクシアン・イグレックであることを隠していた。それは自らの誇りを守る為だった。

子供A「海野さん、テレビの方みてよ!」
海野「怪獣か?」
駅のオーロラビジョンではニュースが放送されていた。
ニュースの内容は大阪で暴れている大悪獣ギロンに対して、地殻怪地底獣ティグリスが立ち向かっている姿を移していた。
キャスター「大阪の街ではまたも怪獣が現れました。先程も三匹の怪獣が立ち向かいましたが、無残にも倒されてしまい、
また次の怪獣があの刃物を付けた怪獣に立ち向かおうとしています。あ、今速報が入りました。既に怪獣が暴れているモスクワ、
ロンドン、パリにもう一匹怪獣が現れました」
その怪獣はパリにマグマ怪地底獣ギール、モスクワに甲殻怪地底獣ゾンネル、ロンドンに剛腕怪地底獣ゴメノスが各地を襲う怪獣に
地球を守る為に戦うが、怪獣コントローラーによって操られている事には気づいていなかった。

海野(怪獣も地球を守ろうとしているのか…)
子供B「海野さん、どうしたの?」
海野「なんでもない、とりあえずニュースを見ていよう。」
海野は愛すべき故郷を襲う怪獣と戦う地球怪獣の姿を見て、海野は全力で悪の怪獣と戦おうと誓った。
黄金の英雄、ギャラクシアン・イグレックとして…。

駅から外へ出た海野達は宿泊施設である避難所を探していた。
子供A「海野さん、まだなの?」
海野「いいから、あと少しガマンしてろ、ってこの方向でいいのかな?」
その海野が指を刺した方向には巨大な森林が広がっていた。

子供B「森…。」
子供C「何か大きいけど…。」
海野「ありゃ、さっきまでこんなでかい森あったかぁ?」
その巨大な森には海野達は驚愕していた。
さらにその森の中心には巨大な塔がたっていた。
子供D「何あれ…」
子供E「何か書いてある。」
その塔に描かれていたのは「深緑」を意味する象形文字のような文字であった。
海野「あの塔が森を作ったってのか!?」
その事実に海野は驚きを隠せなかった。


「流石は気象コントロールマシン、これさえあれば我がスーパーサイエンスネットワークがバダム、いや世界の頂点になれる」
とある建物の中で巨大な塔を見る赤い服の女性がいた。
黒木「麗子様、これで仙台もあたり一面森林になるのも時間の問題です」
その女性は帯刀コンツェルン、ネオギルドと並ぶ恐怖の秘密結社スーパーサイエンスネットワーク(SSN)の首領、綾小路麗子だった。
SSNは気象コントロールマシン、シンリョクを発掘し、それを戦力としていた。

麗子「さっきは怪獣(ジャイガー)の邪魔が入ってうまくいかなかったが、
こんどは成功だ。シンリョクよ、仙台を森にしてしまえ!」
麗子がシンリョクの力を確信した時、モニターに黄金の巨人が映った!
黒木「麗子様、あれは!?」
麗子「また邪魔が入ったか…」
そう、黄金の英雄ギャラクシアン・イグレックだ!

イグレックはイグレックサイコキネシスでシンリョクを持ち上げようとするが、逆にシンリョクのバリアによって
返され、周囲の木々を持ち上げていく。
「ウォォォォ!」
イグレックサイコキネシスによって持ち上げられた木々はイグレックに向かって行きイグレックを突き刺すようにぶつかっていった。

子供A「あっ!」
子供B「イグレック、がんばって!」
子供達の声援に答え、イグレックは再び立ち上がった。
その子供達の前に一台の車が止まった。

女性A「遅かったですね」
女性B「でも、まだ希望は捨てられないわ」
車の中から二人の若い女性が出てきた。

子供D「あなた達は…。」
寺子屋塾の子供の一人が青いブレザーの女性に問いかける。
めぐみ「あたしは岬めぐみ、あの塔を調べに来たの」
亜美「私、名前は水野亜美。めぐみさんの手伝いをしているの」
子供E「めぐみさん、亜美さん、何故ここに来たの?」
亜美「あれ(シンリョク)を使って砂漠を森にしようとしているの」

めぐみや亜美が所属する科学アカデミアでは気象コントロールマシンを使って失われた自然環境を復興しようという計画だった。
その一つ目であるシンリョクがSSNの手によって奪われてしまった今は市街地をも森林に変える悪魔の機械になっていた。

「トゥ!」
二人と子供達の目にはシンリョクに向かってギャラクシーキックをかますイグレックが映った。

子供「亜美さん!」
めぐみ「亜美ちゃん、どこ行くの!?」
突如として亜美はイグレックの方へと向かっていった。

「やめてー!」
亜美はイグレックに向かい叫ぶとイグレックは亜美に向かいうなずくとポーズを執った。
イグレックの癒しの力、ギャラクシアンカタルシスだ。

その時、上空から巨大な渦巻きが現れた。
亜美「きゃぁぁ!」
めぐみ「亜美ちゃん!」
亜美はその渦巻きを指差した。
亜美「大丈夫です、それよりあれはワームホール…」
ワームホールはから銀色に輝く巨人が現れた。
亜美「あれは…」
子供「ウルトラマン…」
ワームホールから出てきたのは何とウルトラマンであった。
その姿はザラブ星人が変身した偽ウルトラマンのように釣り目ではなく完全に本物のウルトラマンの姿であった。

スラッシュ光線をかわしたイグレックはウルトラマンを見失ってしまう。
そのイグレックの真後ろから謎の液体が湧き出てきた。
めぐみ「何あれ!?」
液体に気付いたイグレックが振り向くと液体は何とウルトラマンになった。

「ジュワ!」
ウルトラマンはイグレックの至近距離からスラッシュ光線撃ちこんだ!
「ウッ!」
スラッシュ光線にイグレックは吹き飛んでしまう。

子供「がんばれ、イグレック!」
亜美「立ち上がって!」
「トゥ!」
それでもイグレックは亜美や子供達の声援で立ち上がり、ウルトラマンにギャラクシーキックを放った!

「ウッ!」
亜美「ウルトラマンが!?」
めぐみ「何者なの!?」
ギャラクシーキックを喰らったウルトラマンは液体化し、さらには甲冑の様な姿の巨人になった。
ウルトラマンの正体は金属生命体アパデーだった。

アパデーは怒り狂うかの様に巨大な槍に変化し、イグレックに向かい突進した。
「ウッ!」
アパデーの槍がイグレックに当たってしまい、イグレックは倒れてしまった。

子供A「がんばれ、イグレック!」
子供B「イグレック、立って!」
めぐみ「イグレック、あの怪獣を倒して!」
亜美「イグレック、あなたがいないと地球はどうなるの?」

「トゥ!」
子供たちの声援を受けイグレックは再び立ち上がった。

亜美「イグレック…」
めぐみ「よかった…」

その時、再び、アパデーが槍となり、イグレックに襲い掛かる!

槍と化したアパデーはイグレックに迫る!

「トゥ!」
イグレックは二又の剣、ツインギャラクシーを構えアパデーを迎え撃つ!

「いけー!」
「がんばれー!」
子供達の声援を受け、イグレックはツインギャラクシーでアパデーを切り払った!
それにより吹き飛ばされたアパデーは元の姿に戻った。

「トゥ!」
たじろぐアパデーに対してイグレックは必殺のツインギャラクシー・Xスラッシュを決める。
Xの文字を刻まれたアパデーはそのまま爆発四散した。

「やったぁ!」
「やっぱりイグレックは強いよ!」
亜美「イグレック…」
めぐみ「亜美ちゃん?」
亜美にうなずいたイグレックは倒壊したシンリョクをギャラクシアンカタルシスを放った。
その暖かい光はアパデーに破壊されたシンリョクを元の姿へと戻していく。

麗子「おのれ…ギャラクシアン・イグレックめ…」
イグレックにより計画を阻止された麗子はイグレックに怒りをぶつけていた。

海野「おーい!」
子供A「あ、海野さん!」
シンリョクの方から海野が戻って来た。
海野「おや、こちらのお嬢さん方は?」
めぐみ「お嬢さん方ってないじゃない?シンリョクから来たって事は相当危なかったんじゃないの。」
めぐみは海野に尋ねた。
海野「そ、そりゃぁ、逃げ遅れたからだ!」
自分の正体をばらすまいと海野は焦っていた。
亜美「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私、水野亜美っていいます」
めぐみ「私は岬めぐみ、亜美ちゃんとは同じ大学なの」
海野「俺、海野八郎!この子供達の先生だ!」

その後、シンリョクは科学アカデミアに預けられたが、SSNはまだ恐ろしい計画をねっている。
戦えギャラクシアン・イグレック。

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最終更新:2013年03月05日 17:44
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