第59話 超古代編(後編)

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南緯47度9分、西経126度43分。南太平洋ニュージーランドの沖合にそれは姿を現していた。
その都市の名はルルイエ。かつて、光の巨人と闇の巨人達が死闘を繰り広げた地である。
再び人類の前にその姿を現した超古代の遺産。そこを今、地球守備隊日本支部電撃戦隊の面々が調査のために訪れていた。
「しっかし、日本も今大変だってのに何でわざわざ俺達がこんな南太平洋くんだりまで調査しに来なきゃならないのかね」
そうぼやく疾風翔にリーダーの剣飛竜が答える。
「そう言うな。ここはいわくつきの場所なんだ。それ相応の戦力を持った部隊でないと調査はできないから俺達が来たんじゃないか」
それでも疾風は納得できなかったようだ。まだ渋い顔をしている。
「じゃあ早く調査しようぜ。みんなも見ただろ、あれを」
ついさっき、彼らの目の前を数台の戦闘機、明らかに地球のものではない機体が通り過ぎ、ルルイエに降り立ったのだ。
「よしみんな、行くぞ。レッツチェンジ!」
5人はチェンジマンへと変身すると、オートチェンジャーに跨りシャトルベースから飛び降りていった。

「なにこの雰囲気。お化けとか出そう」翼麻衣・チェンジフェニックスがそう言うと、渚さやか・チェンジマーメイドが答えた。
「あら、お化け苦手だったっけ?」「違うわよ、そんな雰囲気だなぁって言っただけ!」
「二人とも、どうやらお化けより厄介な連中が来たみたいだぜ」大空勇馬・チェンジペガサスが指差す方から、大量のゾローが現れた。
「何よこいつら。宇宙人?」「さあな、だが敵には間違いないだろう」疾風・チェンジグリフォンはすでに臨戦態勢をとっている。
「みんないくぞ!」剣・チェンジドラゴンの掛け声に全員が答える。「OK!」
かくして、太平洋上での戦いの火蓋が切って落とされた。
「チェンジソード!」
5人が持つチェンジソード・銃タイプが群がるゾローを粉砕していく。
「なんだこいつら、弱いじゃないか」
「油断は禁物よ、ほら来た!」マーメイドが指差す方向には大柄な体の異形の怪物、レー・ガルスが立っていた。
さらにその横には獣戦士ザ・ズコンダが立っている。
「なんか凄いのが出てきたな」「来るぞ、避けろ!」ドラゴンが叫び、全員が左右に散らばる。
ズコンダが金属製のリングを投げつけてきたのだ。リングはチェンジマン達に避けられ、その後ろで倒れていたゾローの死体に嵌った。
と、ゾローの体がみるみるうちに小さくなり、リングが変形したカプセルの中に閉じ込められたのだ!
「嘘」「何だよありゃあ」「みんな気をつけろ!当たったら終わりだぞ!」
ズコンダが投げるリングをかわしながら、チェンジソードで射撃を行うチェンジマン。だが、ガルス達にはあまり効いていないようだ。
「くそっ!これじゃ埒があかないぞ。どうする?」ペガサスがドラゴンに尋ねる。
ほんの僅かの沈黙の後、ドラゴンが仲間達に告げた。
「俺が切り込んで活路を開く。みんなは援護を頼む」
「そんな」「無茶よ」「本気か?」「もし失敗しようものなら……」
「俺を信じろ!」
誰もがドラゴンの決意に口を閉ざした。と、そこへ……
爆発。吹き飛ばされるチェンジマン。そして聞こえる笑い声。
「はははは、無様だな」
遺跡の陰から、ウルクとキルトを従えたレー・ネフェルが現れた。
「新手か!」「こりゃまた綺麗な女性で。敵として会いたくなかったぜ」こんな時でもグリフォンはいつもの調子だ。
絶対絶命。そこへさらに一台のラボー戦闘機がやって来た。リー・ケフレンだ。
「ケフレン様、お待ちしておりました。さあこちらへ。ウルク!キルト!奴らの相手はまかせたぞ」
そう言ってネフェルはケフレンとともに遺跡の奥へと入っていった。
ウルクとキルトのスピード殺法の前に、チェンジマンは苦戦を強いられていた。
ズコンダは相変わらずリングを投げつけてくる。
さらにガルスも火を吹いてチェンジマンに攻撃を仕掛けてきた。
「くっ、このままじゃ……」
と、そこへ一台の小型飛行機が突っ込んできた。半ば墜落するかのような形で胴体着陸を行う。
敵に隙ができた。
「今だ!ドラゴンサンダー!」ドラゴンの攻撃でウルクとキルトが吹き飛ばされる。
「よし、パワーバズーカだ!」さらにドラゴンの号令で各人が一斉にズーカと呼ばれる個人武器を取り出し、合体させた。
「セット」ドラゴンが弾丸を込める。「パワーバズーカ!」
「マーク!」マーメイドがズコンダをロックした旨をドラゴンに告げる。そして……
「ファイア!」轟音とともに聖獣のパワーが込められた弾丸がズコンダへ向けて発射された!
爆発!砕け散るズコンダ。
「よし、まずは一体」
「おのれ!あの飛行機が邪魔をしなければ……」ウルクが悔しげに叫ぶ。
そして件の小型飛行機の中から、剣崎一真、相川始、瀬川耕司、悪魔くん、メフィストがルルイエへと降り立った。
形勢はヒーロー側へと逆転した。じりじりと追い詰められるレー・ガルス、ウルク、キルト。
「あんたら味方なのか?」「ああ、そうだ!」ペガサスの問いに剣崎が答える。
「だったら遺跡の中へ!敵が入り込んだんだ!」
「分かった!始!」ドラゴンに言われて剣崎と始が変身し遺跡の中へと向かう。
「よし、次は俺が相手だ。……変身!」ポーズとともに変身ベルトが現れ、そして瀬川の体を緑の光が包み込んでいく。
「仮面ライダー……J!」
変身完了、右手の親指と人差し指、中指を合わせてJの形を作りながら、仮面ライダーJが雄々しく名乗りを上げる。
「メフィスト、援護だ!」「分かってる。しかしルルイエ……何かあったような気がするんだがなぁ」

遺跡の奥は洞窟のようになっていた。
「何なんだここは……」
「分からない。だが油断するな。奥の方から気配が……」
途端にカリスが喋るのを止めた。
「どうした?」「……まさか、くっ!」
そして奥へ向かって駆け出していく。「おい、始!」ブレイドも慌てて後を追う。
二人は広い祭壇のような場所へとやって来た。
「よく来たな、仮面ライダーども」
そこにはリー・ケフレン、レー・ネフェル、そして……
「マスター……」
カリスの視線の先には、捻れたモノリスがそびえ立っていた……。
そこにそびえ立っていたのは、紛れも無くバトルファイトの調停者であった。
「始、知っているのか?あの捻れたのを」
「あれは……バトルファイトの調停者だ。53体のアンデッドの中から勝利者が出た場合、あれが現れることになっていた」
「え?でも……」
そう、4年前の戦いにモノリスは現れなかったのだ。最後の一人、ジョーカーが生き残っても……。
「まさかこんな所にいたとは。だが何故……」
「出られなかったのだよ。さらなる大事のために、な」ケフレンが事も無げにそう告げる。
「どういう意味だ!」
「このモノリスは元々ルルイエを守護する目的で旧支配者が造り上げたもの。あのバトルファイトは旧支配者が蘇った際、彼らの奴隷となる生物を決めるために仕組まれたもの」
「馬鹿な!」カリスが言い返す。だがケフレンの話は止まらない。
「似たような伝説は宇宙中にある。そしてその伝説の地が地球だったのだよ。素晴らしいとは思わんかね!私はこれから宇宙最高の生命体を復活させる神官となるのだよ!」
「何だかよく分からないけど……させるかぁ!」
ブレイドがケフレンに向かって駆け出すが、その前にネフェルが立ちはだかる。
「ケフレン様の邪魔はさせない!」
「ここに古代文字でこう書かれている。『ルルイエの棲み家にて、死せるクトゥルーは夢見つつ待つ』と。今こそ、邪神クトゥルー復活の時!」
ケフレンが呪文のようなものを唱えだした。途端に遺跡内部が大きく揺れ始めた……。

「そうか、クトゥルーだ!」戦闘中にもかかわらずメフィストが素っ頓狂な声を上げる。
「どうしたんだメフィスト」
「おい真吾、ここはやばいぞ。ここにはかつて旧神に逆らった旧支配者のうちの一柱が幽閉されて……」
言い終わらないうちに、ルルイエ全体が大きく揺れだした。
「何、地震?」「うわ、石柱が崩れてくる!」
「今だ!」
足元を掬われたレー・ガルスに向けてJがJキックを叩き込む!爆発!
そして、揺れが治まり体勢を立て直した彼らの前に、巨大な怪物がその姿を現した……。

ケフレンが呪文を唱える度、振動はますます大きくなっていった。
祭壇内が崩れはじめる。
「うわっ」崩れた天井の一部がネフェルに当たり、彼女の動きが止まる。
その一瞬をブレイドは見逃さなかった。
「もらった!」3枚のカードを立て続けにラウズする。
『ライトニングソニック』
電撃を纏った必殺のキックを超高速でネフェルに向けて叩き込む!炸裂!
「おのれっ!ネフェルーラになればお前ごとき……」だが彼女は全てを言い終える前に絶命した。
「残るは一人!始!」
ブレイドの声にしばらく呆けていたカリスが反応する。
雄叫びとともにカリスはカリスアローを手にケフレンへと突撃していった。だが、
「もう遅い」そう言うとケフレンは、五芒星に似た紋様の描かれたプレートをモノリスに向かって投げつけた。そして……
振動はますます激しくなった。見ると、モノリスが地中深くへと埋まっていく。
「始!脱出だ!」「分かった!」
「ふはははははは、ネクロノミコンに書かれていたことは真実だった!これで、クトゥルーが蘇り、永遠の闇が訪れる!」
ケフレンの絶叫を背に、ブレイドとカリスは落盤の中を出口へ向かって駆け抜けていった。

遺跡内からズドォーンという崩壊音が上がり、大量の土塊が舞い上がる中、ブレイドとカリスは命からがら地上へと辿り着いていた。
だが二人の目の前にあったものは……
「何だあれは!」「あれが、クトゥルー……」
海上に、巨大な怪物がその姿を現していた。そしてその前にはジャンボライダーとチェンジロボが立っている。
クトゥルーの頭部(と思しき場所)には、いつの間にかリー・ケフレンが埋め込まれていた。
「ふははははは!私は今、宇宙最高の生命体と一つになった!素晴らしい、力が溢れてくる!ふはははは!」
一方、ルルイエ上では今なおメフィスト、そしてウルクとキルトが死闘を繰り広げていた。
「メフィスト!やっつけるんだ!」「おおよ、魔力・槍!」
メフィストのステッキが掛け声とともに鋭い槍に変化する。不意を衝かれたウルクは心臓を貫かれて絶命する。
「おのれぇ!」キルトがウルクの仇と言わんばかりに飛び掛ってきた。
「お前にはこいつだ。ほれ!」そう言うとメフィストは被っていたシルクハットをキルト目がけて投げつける。
高速で回転したシルクハットは、キルトの体に当たった瞬間、それを真っ二つに切り裂いた。
「やったなメフィスト!残るはあのでかいのだ!」
「無茶を言うなよ真吾。あいつは邪神だぞ。悪魔や妖怪とはわけが違うんだ。俺達は……終わりだ」メフィストは力無くそう呟いた。
邪神クトゥルー、その姿はかつてウルトラマンティガと戦った海邪神ガタノゾーアに似てなくもなかった。
巨大な蛸を思わせる風貌、体中を覆う無数に蠢く触手、一際太く長い9本の触手の先端には凶悪な龍の顔が付いていた。
さらに、飛べるのかどうかは別として、長い翼が背面に生えている。そして、二つの赤い目玉が、凍てつくような視線を投げかけていた。
「あんなグロテスクな化けもん、さっさと倒しちまおうぜ!」
コクピット内でグリフォンがドラゴンに向かって言う。
「そうだな。だがまずは様子を見るんだ。チェンジロボミサイル!」
チェンジロボの腹部から2発のミサイルがクトゥルー目がけて放たれる。爆発。だが……
「びくともしてないのか……」
クトゥルーは全くの無傷であった。それどころか9本の龍の触手のうちの1本をチェンジロボに向けて伸ばしてくる。
「こいつ!電撃剣!」
チェンジロボはシールドから電撃剣を抜き、襲ってくる触手に切りかかるが、難なくかわされ逆に龍の口から出た超高火炎をまともに受けてしまった。
「うわああああ!」
ジャンボライダーの方も龍の触手に阻まれて接近戦に持ち込めないでいる。
「メフィスト!なんとかならないのか!?」
悪魔くんがメフィストに懇願する。
「……仕方ねえ。閻魔大王にクトゥルー復活の責任を取らされちゃたまんねえからな。魔力・ツイン・メーサー・タンク!」
そう言うとメフィストの目の前に1台のツイン・メーサー・タンクが現れた。早速乗り込んで攻撃を開始するがやはり効果はない。
「くそっ!やっぱり駄目だ」苛立ち、計器類を拳で強く叩くメフィスト。
「ふはははははは!」ケフレンの笑い声が、南太平洋上にこだました。

クトゥルーとチェンジマン達の戦いを、ブレイドとカリスはただ眺めているだけしかなかった。
「くそっ」「待て、どうするつもりだ」「キングフォームで加勢するんだ!」
今にも飛びださんばかりのブレイドをカリスが押さえる。
「あれはキングフォームで倒せるレベルの敵ではない」「じゃあどうすれば……」
と、その時、海面から何かが現れルルイエの上に這い上がってきた。
「な、何だあいつらは……」
それは、海外のホラー映画に出てくる半魚人のような姿をした怪物どもだった。
「メフィスト!何だあいつらは!」悪魔くんが悲鳴を上げる。
「あいつらは……『ディープ・ワンズ』か」
ツイン・メーサー・タンクから降りてきたメフィストが、怪物どもの姿を見て呻く。
「ディープ・ワンズ?」
「クトゥルーの眷属どもだ。親玉が蘇ったんで出てきやがったな。そういやこいつらの仲間が以前地上に現れたことがあると聞いたな。確かその時はラゴンって呼ばれていたとか……」
海中から無数に姿を現すディープ・ワンズ=ラゴンの群れは、4人をじりじりと追い詰めていった。
「数が多いな、だがここでやられるわけにはいかない」
カリスはそう言うと「エヴォリューション」のカードを使ってワイルドカリスへと変身、ラゴンの群れに切りかかっていった。
「俺だって!ウェェェェェイ!」 ブレイドが後に続く。
「真吾!お前は下がっていろ!」「ああ、頼んだよメフィスト」メフィストもまた、槍を片手に突撃をかける。
かくして、地上と海上の両方でヒーロー達と邪神達の死闘が行われることになった。

死闘は長時間に渡って続けられた。一見、一進一退のように見える。
だが、神であるクトゥルーと違いジャンボライダーには疲れが、チェンジロボにはエネルギー切れが見えてきた。さらに……
「くっ、電撃剣スーパーサンダーボルト!」
チェンジロボの必殺技がクトゥルーの触手をなぎ倒し、本体に炸裂する。
しかし、次の瞬間には再生してしまうのだ。
「無駄だ、お前達の力では神には勝てん」ケフレンが冷たく言い放つ。
「ならば、これで!」ジャンボライダーが大空高く跳び上がる。
「上空からの攻撃か。愚かな」
空中でキックの体勢を整え、クトゥルー目がけて急降下するジャンボライダー。その体は大気との摩擦熱で灼熱に燃え上がる!
だがしかし……
龍の口から放たれた幾条もの破壊光線がジャンボライダーの体を包み込んだ。
「うわあああ!」海上に墜落するジャンボライダー。
「大丈夫か!」チェンジロボが慌てて駆け寄る。

一方、ルルイエ上ではブレイド、ワイルドカリス、メフィストがラゴンの大群を相手に戦いを繰り広げていた。
『ワイルド』
ワイルドカリスがワイルドサイクロンで群がるラゴンを複数体まとめて吹き飛ばす。
だが新たなラゴンが次々と海中からその姿を現し、一同を取り囲んでいく。
「一体こいつら何匹いやがるんだ」
メフィストがヘトヘトになりながらそうぼやいた。
「くっ!」「よせ。キングフォームは消耗が激しい。今ここで使っても意味が無いぞ」
「だからってこのままじゃ」ブレイドが言い返す。
と、その時……
物凄い勢いでチェンジロボが遺跡へと吹き飛ばされてきた。
よく見るとジャンボライダーもいつの間にか等身大に戻り、ルルイエ上から肩で息をしながらクトゥルーを凝視している。
「ふはははは、もうお終いのようだな。ディープ・ワンズよ、奴らにトドメを刺せ!」
じりじりと取り囲む輪を狭めてくるラゴン達。と、その時、
無数の光の矢がラゴン達に降り注いだ!
光の矢は群がるラゴン達を貫いていった。慌てて矢の飛んできた方を見る一同。そこには……
3体の異形の怪物達が立っていた。
「……誰なんだあんた達」ブレイドが尋ねる。
「我らはエルロード……」鯨の頭を持つ異形がそう答えた。
「その声、まさかあの時の……」Jが尋ねるが返ってきたのは全く違う返事であった。
「汝が持つ大地の力、そしてあの者達が持つ母なる惑星の力。それこそがこの闇を払う唯一無二の手段」
「Jパワーのことか?」
横からラゴン達の悲鳴が聞こえる。見ると、チェンジロボから降りてきたチェンジマンがチェンジソードでラゴン達を切り倒していた。
「その話、つまり俺達のアースフォースと彼のJパワーとやらであの怪物を倒せるということか!?」
ドラゴンの問いに3体のエルロードは無言のまま頷く。
「しかしどうやって!俺達は実際に戦って勝てなかったんだぞ!」ペガサスが少し苛立たしげに叫ぶ。
「力を一点に集めるのだ」「そして核となる部分を討つ」
風のエルと地のエルが続けて言う。
「力を一点に?」
「我らが力を貸そう。これで汝らは力を一点に集中させることができる」水のエルがそう告げた。
「ならば……剣崎!」「ああ!」
『アブゾーブクイーン』『エヴォリューションキング』
眩い光に包まれ、ブレイドがキングフォームへと姿を変える。ブレイドは手に持つキングラウザーを天高く掲げた。
「さあみんな!これに力を!」
「おお!」J、そしてチェンジマンが全身に力を込める。すると、彼らの持つエネルギーが光となってキングラウザーに降り注いだ。
「やらせん!」
だが、クトゥルーが龍の口から破壊光線を放ち、ブレイド達を吹き飛ばした。
「うわああああ!」さらに衝撃でチェンジマン達の変身も解ける。
さらに第2波が来るが、これは3体のエルロードが協力して張ったバリアによって塞がれた。
「小賢しい。ならば少し威力を上げてやろう」
その言葉通り、クトゥルーの破壊光線の威力が上がった。必死で堪えるエルロード達。
「俺も手伝うぞ!」メフィストが3体のエルロードに自分の魔力を注ぎ込む。
「剣崎、しっかりしろ!剣崎!」だが直撃を受け、変身が解けた剣崎は気を失ったままだ。
「その剣にはすでに核を砕くだけの力が溜まっている。さあ行くがいい」水のエルがそう告げる。
「しかし……」そう、剣崎は気を失い、近くにいたカリス達もかなりのダメージを受けている。メフィストは動けない。
今、空を飛びクトゥルーの核に近寄れる人間はこの場にいないのだ。否、一人だけいた……。
「真吾!お前がやれ!」「ええっ僕が!?」メフィストに自分の名を呼ばれ、悪魔くんが驚きの声を上げる。
「みんなさっきの攻撃でかなりのダメージを負っている!無事なのはお前しかいないんだ!行けぇ!」
その言葉が終わると同時に、悪魔くんの背に空飛ぶマントが現れた。
「早くしろ真吾ぉ!」
「分かったよメフィスト!」悪魔くんは近くに転がっていた、今なお刃に光を湛えるキングラウザーを手に取った。
事態に気付いたラゴンの群れが、悪魔くんに襲い掛かろうとする。
だが、それを食い止めるべく変身が解けたチェンジマンの面々や瀬川が果敢にもラゴンの群れに跳びかかっていく。
「行けぇ、真吾ぉ!」
メフィストの声に背中を押され、悪魔くんはキングラウザーを手に、空へと飛び上がった。
「おのれ!子供とはいえ容赦はせんぞ」
エルロード達を攻撃しているのとは別の龍の口から破壊光線が放たれる。それを絶妙のタイミングでかわし、接近していく悪魔くん。
「ええいチョコマカと!」
その時、悪魔くんに攻撃を仕掛けていた龍の頭に地上からの攻撃が当たり、その動きを一瞬だが止める。
カリスだ。カリスが援護射撃を行ったのだ。
「核はその男だ。討て!」水のエルがテレパシーで悪魔くんに告げる。
「うわああああああああ!」叫び声を上げながら、悪魔くんはケフレンへと突撃していく。
次の瞬間、キングラウザーはケフレンの胸に深々と突き刺さっていた。
「ば、馬鹿な……」己が胸に突き刺さったキングラウザーを凝視し、ケフレンが搾り出すように声を上げた。
クトゥルーの動きが止まる。そして……
眩い光がクトゥルーの体のあちこちから漏れだした。光が、内部から邪神を滅ぼしはじめたのだ。
「真吾ぉ!すぐにそいつから離れろ!」
メフィストの声を聞いて、悪魔くんはすぐさまその場から離脱した。
光は、禍々しき邪神の巨体を全て包み込み、溢れ出した光がルルイエを、南太平洋一帯を黄金色に染めていく。
光が収束し消え去った時、クトゥルーもまたその巨体を全て消滅させていた。ラゴン達も同様に全て消え去っている。
そして、空から悪魔くんがルルイエの地へと降り立ち、さらにその後を追うようにキングラウザーが空から落ちてきた。
「終わった……のか?」瀬川が誰にともなく言う。
「終わったんだ!はっはー、真吾め、やりおったわい!」メフィストが大声でそう言いながら悪魔くんに抱きつく。
「わっ、よせよメフィスト」
「何言ってやがる!お前はどえらい事を成し遂げたんだぞ!伝説の邪神を退治したんだ!」
「僕だけの力じゃないよ。ここにいるみんなの……あれ?エルロードは?」
悪魔くんに言われて全員がはっとなった。3体のエルロードは忽然とその姿を消してしまっていたのだ。

「さて、これからどうするかだな」瀬川がその場にいる全員に向けて言った。
「俺達は一旦基地へ戻るよ。今回の任務の報告と、あとチェンジロボの修理も必要だからね」
剣が答える。
「瀬川さんはどうするつもりなの?」今度は渚が瀬川に尋ねた。
「もし行く当てが無いのならアンチ・バダム同盟に行ってみたらどうかしら」
「アンチ・バダム同盟?」
「ええ、あなたと同じ仮面ライダーが何人もいるって聞いたことがあるんだけど……」
「そうか。よし、行ってみよう。俺のこの力が少しでも役に立つのなら……」
「じゃあ決まりね。あなた達はどうするの?」今度は剣崎達に尋ねる。
「俺達は……とりあえず街に戻ります。橘さん達と合流して……後の事はそれから考えます」
「それに、伊坂の奴を見つけなければならないしな」剣崎と始はそう答えた。
「そう、じゃあ念のために私達の連絡先を後で渡すから。何かあったら連絡してね」
「やけに贔屓するな。まさかこの二人、タイプだったりするのか?」
疾風が茶化すが、すぐ渚に足を踏んづけられて黙らされる。
「メフィスト、僕達も行こう」
「行こうって何処へ。まさかこれ以上何か事件に首を突っ込めと?絶対嫌だね。大好物のチョコレートをくれたって駄目だ。大体俺は重労働で体がボロボロなんだぞ」
文句ばっかり言うメフィストに対して、悪魔くんは無言でソロモンの笛を吹き鳴らした。
途端にメフィストの頭から煙が昇り始める。
「あいたたた!やめろ、やめてくれ!分かった、分かったから」
「分かればいいんだ。これから人々のために戦うな?」そう言うと悪魔くんは笛を吹くのを止めた。
「まったく、末恐ろしいガキだ。分かったよ。じゃあ封印されていた妖怪どもが逃げ出したって話を耳にしたからな、そいつを調べてみるか」
「じゃあ行こう。俺達のシャトルベースで送っていくよ」剣がみんなに向かってそう言った。

一行がシャトルベースに乗って離陸した直後、ルルイエは音を立てて海中へと沈んでいった。
もう二度と、この忌まわしき地が人々の前にその姿を見せることは無いだろう。
だが、沈み行くルルイエと飛び去っていくシャトルベースを伺う怪しい円盤の存在に気付く者は誰もいなかった……。


円盤の中では、柄の悪そうな男達が今後について話し合っていた。
「これからどうするつもりかね、サー・カウラー」
「バダムの連中に取り入る前に幾つか手土産を用意していったほうがいいかもしれんな」
「ほお、では仮面ライダーブレイド、ギャレン、カリス、そしてレンゲルを倒してみてはどうだ?」
「成る程、ケフレンがお前達の封印を解いた装置、あれを使えば面白くなりそうだな……」
そう言ってカウラーは小さな機械を手に取った。リー・ケフレンが開発したアンデッド解放装置だ。
「お前がブレイド達の相手をしてくれている間にこちらも動くことができる」
その伊坂のセリフにカウラーは俄然興味を持った。
「何をするつもりだ?」
「アンチ・バダム同盟という厄介な組織がある。そこを潰す。そしてそこに所属する仮面ライダーどもを全て支配下に置く」
「ほお、大きく出たな」
「この不死身の体を持ってすれば勝てない相手など無い。……ブレイド達以外はな」
「ふふふ、いいだろう。……これより我々は日本へ向かう。進路を取れ!」
カウラー達を乗せた円盤は一路日本へ向けて飛び立っていった……
最終更新:2013年03月05日 17:58
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