第79話 TAC基地爆破寸前


丁度ルチ将軍の全世界電波ジャックが行われていた頃、別の悪が動き始めていた。
TAC基地内の倉庫の片隅で死体となり横たわる防衛軍の武上参謀と右田参謀を見つめている2人の星人の姿があった。
彼らこそ「ゴラスで地球を破壊する会」ことウオノメ・マナコの送り込んだ刺客メトロン星人Jrとメフィラス星人(二代目)なのであった。
メフィラス「奴は失敗したが、奴のお陰で上手く潜り込めたな」
メトロン「ああ、この手の仕事はやはり頭を使わんとな。暴れて破壊しよう
だなんて愚の極みだな」
メフィラス「全くだ。では、そろそろ行くとするか」
メトロン「うむ」
そう言うと、二人は武上、右田両参謀に姿を変え2人の死体を光線を放ち燃やすと倉庫を後にした。

そして数分後…。
貯水タンクの上に右田参謀に化けたメフィラスが立っていた。
メフィラスは、タンクの蓋をあけると、持って来たビンの中の液体を流し入れた。
「ククク、俺様が作り上げたマンダリン病の元となるマンダリン毒。これで基地の連中はマンダリン病で動けなくなる」

その頃、武上に化けたメトロンは食堂の調理室に来ていた。
おばちゃん「参謀がこんなところに来るなんて、まぁ」
いきなり参謀が調理室にやって来た事に、調理担当の人たちは驚いていた。
武上「いや、食事と言う物は、働いているモチベーションにかかわる大事な物時が時だけに、どんな物が見ておきたいと思いましてね」
そう言いながら。武上は、気付かれないように、食べ物等に赤い結晶を混ぜていった。
メトロン(メフィラスのマンダリン病、そして、俺様の狂暴化結晶でこの基地も終わりだな)


MYDOのメンバー達は吉村隊員に連れられて地下にあるマリア3号の建設現場に来ていた。
MYDOが戻ってきた途端ルチ将軍の演説が始まったことにより多少狂ったものの梶隊員の尽力によりなんとか事なきを得た。

梶「御苦労様です、3号建設の責任者梶です」
薩摩「MYDOの隊長の薩摩です。そして、彼等が私の部下とMACのおおとりくんと
W.I.N.Rのカイ隊員です」
薩摩に紹介され、挨拶する一同。
薩摩「ところで、梶さん。マリア3号の建造はどうですか?」
梶「予定通り進んでいます。なんと言ってもこの地下工場は水爆5発に耐えられる
ようになっていますから、あれ位の攻撃ではビクともしませんよ」
梶が、そう胸を這って言ったときであった。
武村「危ない!」
武村が叫びながら、梶を突き飛ばした。
梶「うわっ?」
そして、梶が突き飛ばされた瞬間、彼の立っていた場所に鉄材が落ちて来た。
梶「うわわわ」
思わず腰を抜かす梶。
「大丈夫ですか」
慌てて薩摩達や作業員達が駆け寄った。
武村「バカヤロウ!危ないじゃねーか!」
「スイマセン。オペレーターが突然倒れてしまって」
薩摩「突然?」
と、突然、大きな衝突音が聞こえた。
数「何だ、今のは?」
「大変だ作業車がぶつかったぞ!」
「消火器早く持ってこい!」
音のした方から、作業員達の叫び声が聞こえて来た。
「ウガァァァァァ!!」
と、今度は鉄パイプを持った作業員が薩摩達の所へ襲い掛かって来た。
武村「何なんだ!こりゃ!」

山中「よし、取り押さえろ」
突然、暴れ出した通信員を今野とアラシが背後からつかみ掛かった。
「ウガァァァァァァァァ」
山中「少し寝てな」
そう言いながら、押さえ付けられた通信員のみぞおちに山中がパンチを入れた。
山中「おい、こいつを連れていけ」
山中「ったく、なんだったんだって、おいおい、どうしたんだ?」
気を失った隊員が、連れて行かれるのを見届け山中が振り返ると、室内では数人の通信兵達が倒れ込んでいた。
ムラマツ「竜隊長。これはただ事ではありませんよ」
竜「ええ、参謀に報告しましょう」

竜「何ですって?」
参謀室に報告に行った滝、ムラマツ、ヒウラは耳を疑った。
武上「だから、倒れた者たちは治療室や空いている部屋に寝かせておいて作業を続けろと言ったんだ」
ムラマツ「基地内で倒れる隊員や暴れ出す者が続出している原因を調べないでですか?」
武上「そうだ、倒れたりする者たちは、ここ連日の作業の疲れや、マリア3号が地球の命運がかかっている事のプレッシャーが原因だ。調べるまでもない」
竜「しかし、これだけの人数が倒れたり暴れだしたりするのが、疲労やプレッシャー
だとは到底、考えられません」
武上「考えられなかろうが、医局の報告もそうだと来ている」
そう言うと、武上は報告書を3人に見せた。
竜「あれが、疲労やストレスだなんて」
3人は医局からの報告書を見ても、そうだとはとても信じられなかった。
右田「分かったかね、分かったなら持ち場に戻りたまえ」
ヒウラ「しかし、参謀、構わないと言っても、人が倒れ続けるとマリア3号の建造にも支障が…」
右田「代わりの人員なら、他からいくらでも補充できる。話は終わりだ。戻りたまえ」
武上「我々の目的はマリア3号を一秒でも早く完成させゴラスを破壊する事だ。敵の襲撃がまた、いつくるとも分からないのだ。
君達は自分達の任務にだけに集中していたまえ」
竜「…分かりました」
釈然としないながらも3人は戻るよりなかった。


武上(メトロン)「フフフ、これでこの基地も終わりだな」
右田(メフィラス)「ああ、やつらも医局の連中が我々のコントロール化にあるとは夢にも思うまい」
武上「たとえ、彼等が真実に気が付いたとしても、その頃には、この基地は機能不能になりマリア3号の建造は間に合わん」
右田「地球もこれで終わりだ」
マグマ「内部崩壊を狙うとは考えたな」
竜ら3人が去った後の参謀室でメトロンとメフィラスが話をしているとマグマ星人の声が聞こえて来た。
武上「マグマか…」
右田「フッ、力技で攻略しようなんて愚か者のすることだ。やはり、頭を使わねばな」
武上「それはそうと、捕らえていたネオスとアストラを逃がしたそうだな。何を考えているんだ?」
マグマ「卑怯な手は嫌いなだけだ。どうせ、俺が他のウルトラ戦士共々仕留めるのだからなんの問題もない」
右田「卑怯なって…ギラス兄弟でセブンが弱ったところで現れて痛めつけたりギラス兄弟がレオにやられるや、さっさと逃げた者の言う台詞とは思えんな。キャラが変わってないか?」
マグマ「そう言う、お前も微妙にキャラが変わっていると思うぞ」
武上「まぁ、いい。ウルトラ戦士の事はお前に任せる。俺達の邪魔はするなよ」
マグマ「分かっている。この基地にいるレオ達もお前達の計画の邪魔にならない様始末しておいてやる」
右田「そうか、では任せたぞ」
マグマ「任せろ」
そう言うと、マグマの声は消えた。


マグマは参謀室を離れ、作戦室に繋がる通路に現れた。
「誰だ!」
「見つかったか…」
マグマ星人は右手にサーベルを装着し警備兵を次々を斬っていく。
「マグマ星人、こんな所にいたのか!」
「おおとりゲンか、今は邪魔者の始末をしているのでな」
ゲンはマグマ星人に叫ぶ。
「待て!」
そういうとマグマ星人姿を消した。
「マグマ星人は一体何を考えているんだ?」
ゲンはマグマの言葉に動揺を隠せなかった。
「おおとりさん、作戦室へ戻りましょう」
勝人に言われ、一同は作戦室へ戻っていった。



「くそっ、このまま、手をこまねいているしかないのかよ!」
山中は、ルチ将軍と謎の暴走事件への行き場のない怒りを壁にぶつけた。
それは、放送を見た誰もが同じ気持ちであった。
『諸君、武上だ』
と、その時、武上の声が基地の中に流れた。
『放送を見たと思うが、我々の予想していない最悪の事態が起きてしまった。
ルチ将軍の蛮行に対し、何もする事ができない悔しさは私も同じだ。だが、冷静になって考えて欲しい。我々の使命を。
そして、我々のやらねばならぬ事を…そう我々の使命は地球に向かって来ているゴラスを破壊する事だ。我々がマリア3号を完成させなければ、地球はこの宇宙から消えてしまうと言う事を。
だから、辛く苦しいと思うが、今はマリア3号建造に集中してくれ。ルチ将軍に一矢報いるチャンスは必ずあるはずだ…その時を信じて』
そう言い終わると放送は終了した。
「そうだ、参謀の言う通り。今はマリア3号建設に全力を傾けるしかない」
放送を聞き終え、竜隊長は皆に言った。
「そうですね、ルチ将軍が世界を支配しても俺達がマリア3号を完成させなきゃ
地球はなくなっちまんですからね」
山中は答えた。
「よし、まずはマグマ星人を倒す事だ。それと、他にも潜入している星人が
いるかもしれない、重要施設を中心に人員をなんとか工面して警備を強化するんだ」
薩摩は皆に言った。
「では、人員の工面は私におまかせを」
数隊員がパソコンを開いて言った。
山中「よし、俺は何人連れてマグマ星人を探しに行ってきます」
そう言うと、山中は指令室から出て行った。
「それでは、みんな頼むぞ」
「はい」
竜隊長に皆は答えた。

そして、ここは参謀室。
「よし、ここの連中には、こう言っておけばいいだろう。ところでメフィラス、そっちはどうだ?」
参謀として疑われぬようにスピーチを終え、放送用のスイッチを切ると、何やら話をしているメフィラスこと右田に声をかけた。
「こっちは許可をもらった」
「そうか、おい、マグマいるか?」
「何だ?」
武上に呼ばれマグマ星人が姿を現した。
「お前が見つかったそうだな。基地の警備強化のために人員を割き、建造作業に影響がでるな…」
そう言い含み笑いをした。
「で、何の用だ。俺を始末するつもりか?」
「そんな事はせん。それよりもだ我々に協力しないか?」
「協力?」
「そうだ、会長には話を通してある。我々に協力して成功すれば今までの事は不問にしてくれるそうだ」
「ふっ、くだらん。俺の目的はレオを始めとするウルトラ戦士抹殺にしか興味はない」
「しかし、そうなると次から次へと刺客が送られて来て、ウルトラ戦士を倒すどころではなくなるぞ。それに我々に協力するのはお前にとって損にはならんはずだ」

「一応、話は聞いてやる。俺に何をさせようと言うんだ?」
「ここの電力室を破壊してくれ。それだけでマリア3号の建造は大幅に遅れる」
「それだけか?」
「後もう一つある。先ほどの仮面ライダーの話をみて基地の連中が活気を取り戻したのが気になるので、もう一つ手をうった。直に山中湖でサタンローズが誕生する」
「ほぅ、あの宇宙植物を仕込んであったのか」
「マリア3号破壊のために50手用意してある。これもその一つでしかない。
でだ、建造スケジュールが遅れているところで電力室が破壊されれては、サタンローズが生まれれても、ここの部隊だす余裕はない。
薩摩…いやセブンは必ずレオ達ウルトラ戦士をつれて出撃する。そこでウルトラ戦士達を始末してくれ。
どうだ、これならお前の目的も達成できるだろ」
「よかろう。協力してやる」
「それと、必要ならこれを使え」
そう言うと、武上は持って来た怪獣カプセルから3つを取り出した。
「では、借りるぞ」
マグマ星人はカプセルを受け取ると姿を消した。


山中湖
「グガァァーー」
「ギェーーー」
波一つない湖畔に咆哮と共に湖底からブラックギラス、レッドギラスのギラス兄弟が出現した。
そして、二匹は肩を抱き合うとギラススピンを開始した。
そのギラススピンの高速回転により山中湖の水は空へと舞い上がり、湖の水は一瞬でなくなってしまった。
「グガァァ」
そして、地面を掘りギラス兄弟は地底へと姿を消し、入れ代わるように巨大な植物が姿を現した。この植物こそが、メフィラスが仕込んだ一手、サタンローズであった。


山中湖でのサタンローズの出現はTAC基地にも伝わっていた。
「隊長!山中湖の水がひれ上がったと同時に巨大な植物が現れました!」「何!」
モニターにサタンローズが映ると竜隊長をはじめとする隊員達が驚きの声をあげた。
「そんな、いきなり湖の水がひれ上がるなんて!南無阿弥陀仏…」
「今野、黙って見ていろ!」
その映像を見た今野隊員が念仏を唱え馴染めるが、山中隊員に怒鳴られる。
「あれはサタンローズ!」「サタンローズ!?」
吉村隊員がモニターを見ると一目でサタンローズだと見抜いた。それを見たフブキ隊員が聞く。
「あの植物は地熱をエネルギー源としています」
吉村隊員が丁寧に説明を始める。
「よし、ゲン、勝人、カイ、行くぞ!」
「はい!」「了解!」「OK!」
薩摩隊長はゲン達に指示すると、ウルトラ戦士達は作戦室を出た。

山中湖跡からTAC基地へと少しづつ進んでいくサタンローズ。
TAC基地から迎撃ミサイルが次々と発射されるも結局は奴に餌を与えるだけ。ミサイルのエネルギーを吸収しながらTAC基地へ進んでいく。
その時、空から4つの赤い光が降りたち、光は4人のウルトラ戦士となった!
「エイヤー!」「イヤァッ!」
真っ先にレオをゼアスがサタンローズに向かうが、二人は触手で縛られ、動きを封じられてしまう。
「デュワァ!」「ダァァァ!」
二人を縛る触手をセブンのアイスラッガーとパワードのパワードスラッシュが切り裂いた。
レオとゼアスは何とか取り解くが、サタンローズは地熱を利用して切られた触手を元通りに再生した。
それを見たレオとゼアスはそれぞれの光線を放つがサタンローズに吸収されてしまう。
サタンローズはそのエネルギーを無数の溶岩弾に変え、4人を攻撃する。 4人のウルトラ戦士には防ぐのがやっとであった。

所変わって電力室の前、ぐったりと倒れる二人の警備兵の目の前にマグマ星人が立っていた。
「マグマ星人、ウルトラ戦士が現れたぞ」
「ああ、今から電力室を破壊する」
メフィラス星人から連絡が入るとマグマは電力室のドアを開ける。
「これで終わりだ!」
マグマは胸のエンブレムを投げると、電力室から大爆発が起こった。彼の胸のエンブレムは強力な爆弾であった!
「最後の仕上げに取り掛かるか…」
と、マグマは電力室を後にした。

電力室が破壊された事により作戦室が真っ暗になり、非常電源に切り替わる。
「な、何が起こったんだ!」
竜隊長がオペレーターに何があったのかを聞く。
「電気供給が全て止まってしまいました!」
オペレーターが竜隊長に切羽詰った表情で叫ぶ。
「どうやらサタンローズ出現の隙を付いて誰かが入ってきたのか!」
「おそらくはマグマ星人ですね」
ムラマツキャップが深刻な顔で言うと、吉村隊員がマグマ星人の名前を出す。
「馬鹿な、マグマ星人はレオ達を狙っているはずじゃ…」
武村隊員が驚く。
「くっ、山中と今野、アラシ隊員とフブキ隊員は電力室に向かってくれ!」
「了解!」
竜隊長が指示すると、山中隊員達一同は電力室へと向かって行った。


溶岩弾が収まり、爆炎の中から再びサタンローズが姿を現した。
三人がサタンローズに光線を放とうとするがセブンに止められる。セブンは光線を放つことはエネルギーを与える事に気づいたからだ。
それを一同に話すセブン、一同が頷くと再びサタンローズの方を向いた。
「エイヤー!」
サタンローズがレオに溶岩弾を向けるが、レオマントを振り回して防ぐ。
「ダァァァ!」
その横からパワードがサタンローズにウルトラ水流を放つ。サタンローズはウルトラ水流に破裂し、粉々になった!

「サタンローズを倒したか、これからが本番だ!」
TAC基地の方から戦いを見ていたマグマ星人が三つのカプセルをセブン達に向け、投げつけた。
ウルトラ戦士の目の前に山中湖を蒸発させた張本人のギラス兄弟とエレキングが現れた!


山中達を待っていたのはマグマ星人によって爆破され変わり果てた電力室であった。
「くっ、滅茶苦茶にされているな」
アラシ隊員が電力室を見て驚く。他の隊員達も同じであった。
「…まさか!?」
「フブキ隊員?何かあるのですか!?」
フブキ隊員が何かに気づいたようで、今野隊員が彼に聞く。
「山中隊員、奴らはマリヤ3号の建造を遅らせるために電力室を襲ったのは無いでしょうか?」
「って事はサタンローズは電力室を襲った奴らは!?」
フブキ隊員の説明に山中隊員がハッと気づく。
「もしかするとサタンローズを送り込んだのはマグマ星人を送り込んだ奴だと思われます!」
フブキ隊員がサタンローズに関して言うと、一同が驚く。
「それじゃぁ俺達は奴らにはめられたって事かよ!」
アラシ隊員が怒りで声を上げる。
最早一同にはどうする事も出来なかった。


「イヤァッ!」
ゼアスはレオの静止を振り切ってギラス兄弟に向かっていくが、二匹は怪獣とは思えないほど素早くゼアスの左右に立った。
そして二匹で抱き合うようにゼアスを掴み必殺のギラススピンをかます。
「デュワァ!」「ダァァァ!」
セブンとパワードが二匹に向かっていくがエレキングの光線に阻まれる。

一方のレオの目の前に巨大化したマグマ星人が現れた。
「マグマ星人、あの怪獣を仕掛けたのは貴様か!?」
「その通りだ、だが貴様を倒すのはこの俺だ…」
マグマ星人はレオのカラータイマーに右手のサーベルを向けた。


「で、状況はどうなっている?」
「はっ、なんとか全壊は免れましたが、復旧には少なくても40時間以上は…」
その頃、竜隊長は電力室が破壊された事を武上参謀に報告していた。
「少なくとも40時間か…」
「すみません、我々が至らなかったばかりに…」
「謝罪は後だ。それより、一分でも早く電力室を復旧させるんだ。非常電源の電力だけではゴラス3号の建造はもとより基地の機能も維持できない。
今、敵に攻撃されたらひとたまりもない。急いでくれいいな」
そう、電力室が破壊されたTAC基地は、非常電源の電力により必要最低限機能しか維持できなくなっており、マリア3号の建造が中断したのはおろか、基地防衛さえおぼつかなくなっていたのであった。
「はい。それはそうと、人員の補給はどうなっているのでしょうか?」
「それがだな、例のルチ将軍のゴタゴタでTAC本部との連絡がとれないでいる。地球防衛軍も極東支部は、ナックル星人の襲来後の復旧に人員をとられて、こちらに回す余裕はないそうだ」
竜の問いに右田参謀が答えた。
「とにかく、私も各方面に人員の補給を要請している。君たちもできる限りの事をしておいてくれ」
「分りました」
礼をすると、竜隊長は参謀室を後にした。

「順調だな。これで地球がゴラスに飲み込まれるのは確実だ」
「復旧してもミサイル建造スケジュールはかなり厳しくなるからな。だが、油断は禁物、ゴラスが破壊不可能地点に入るまでは安心できぬ…まぁ、手はいくらでもあるがな フフフ」
そういうと、武上ことメトロン星人Jrは不適な笑みを浮かべた。


「さあ、ここで終わりにさせてもらうぞ…ムッ?」
マグマ星人がサーベルでレオを斬りつけようとした時、空から雪の様な光が降ってきた。
「こ…この光は!?」
レオがその光を浴びるとレオの体が赤く光りだした。
「何があったんだ!」 「OH!」 「力がみなぎっていく!」
他の三人も光を浴び、体が輝きだした。
「何が起こったのかは分からんが今度こそ息の根を止めてやる!」
「エイヤー!」
マグマ星人が再びサーベルを振るうが、レオは猛スピードでマグマ星人の腹にパンチを喰らわせた。
「ぐっ、奴にそれ程の力があったのか!?」
吹き飛ばされたマグマ星人はレオを向きながら立ち上がった。

「まさか…エース!」
セブンは008でのエースの復活を感じ取った。そう、その光は宝忍ジャンヌによってスターピースの光が起こした奇跡であった。

「グガァァー」 「ギェー」
ギラス兄弟が再びゼアスを捉えようとするが、ゼアスは空高くジャンプしてそれをかわした。
「イヤァッ!」
ギラススピンが止まると共にゼアスはブラックギラスに向け、必殺のウルトラかかと落としを決め、ブラックギラスの首をはねる。
「ダァァァ!」
その真横からパワードがメガスペシウム光線をレッドギラス放ち、レッドギラスがそのまま爆破する。
「ギシャァァァァ!」
エレキングがセブンに光線を放つがセブンはウルトラVバリヤーで光線を防いだ。
「デュワァ!」
セブンはワイドショットをエレキングに放ち、エレキングはそのまま爆発四散した。

「マグマ星人、行くぞ!」
「ウルトラマンレオ、なんとしてでも貴様を倒す!」
レオとマグマ星人は互いの方に駆け寄るが、レオが一気に大空へジャンプする。
「エイヤー!」
レオは掛け声と共にレオキックをマグマ星人にそのまま決める。レオは着地して、そのままポーズを決める。
「や、やはり俺はレオに勝てないのか…」
そのままマグマ星人は倒れた。
「マグマ星人…」
レオはマグマ星人の名前を呟いた。


TAC基地の作戦室ではマグマ星人を倒した薩摩隊長達と電力室の調査をした山中隊員達が戻っていた。
「よ、四十時間もかかるのですか!?」
それを聞いた勝人が驚いた。
「我々が来た時には時既に遅くもう電力室も手遅れでした…。」
「山中、もういい、今は何とかして犯人を見つけ出さないといけない」
山中隊員が竜隊長に頭を下げるが、竜隊長は犯人を探す事を促す。
「武上参謀と右田参謀が人員を廻してくれると言う、それまで待つしかない」
竜隊長が一同に向け話す。

ゴラスはMYDOがキングジョーIIを犠牲にして10分の1程までにしたものも、破壊不可能地点に到達するのも後20時間であった。
このままゴラスを破壊する事が出来るのだろうか?


東京近郊にある大利根航空に立花ナオキと鏡京太郎はいた。
京太郎「村上隊長たちは長野に向かうそうだ」
ナオキ「あれだけ基地が破壊されたら当然だよな」
グランドキングの襲撃によって基地が壊滅したために小野寺参謀の指示でPATは長野に移動することになったのだ。
ナオキ「ジャイアントはタイに戻って行ってしまって俺たちは東京に残されちまった」
京太郎「そう言うなナオキ。いま関東一帯の防衛軍の人員が不足しているんだ仕方がない」
ナオキ「まあジャンガーZも加わったから問題はないな」
京太郎「だがこの役目は重要だ。油断は禁物だ」
いつになく真剣な表情で京太郎は言った。

その時二人の近くの鏡に謎の男が写し出された。
「京太郎。聞こえるか京太郎…」
驚いて二人は鏡をのぞきこんだ。その男の顔を見た京太郎は驚いた。
京太郎「とっ父さん!?」
そうその男こそ初代ミラーマンで鏡京太郎の父親その人であった。
「京太郎そしてナオキ君聞いてくれ。いま二次元世界が重大な危機に陥っている」
ナオキ「なんですか。その危機とは!」
「いま二次元世界は、インベーダーとグロース星人の連合軍によって攻撃されているんだ」
京太郎「なんだったて!まさか奴ら大いなる意思の力で蘇ったのか!」
「その可能性が高い。いま我々はエメラルド星人と協力して立ち向かっているが
苦戦している。なので二人の協力が必要になったのだ」
ナオキ「エメラルド星人も一緒なのか…」
「そうだ。二人はTACと呼ばれる組織と会ってほしい。そうすれば三次元と二次元の世界を同時に救うことができる近道だ。二人とも頼んだぞ!」
京太郎「父さん!!」
そう言うと京太郎の父は鏡から姿を消した。

ナオキ「グロース星人め。まさか蘇っていたのか!」
ナオキは怒りに満ちた声で言った。ナオキが怒るのも無理はない。
かつて彼の兄である信也はグロース星人に殺されたのだ。
京太郎「ナオキ落ち着くんだ。それよりもなぜ父さんはTACに会えと言ったのかを考えよう。きっと何か意味があるはずだ」
ナオキ「TAC…確かTACは異次元人ヤプールと超獣を相手に戦った組織だ」
京太郎「ヤプールか。二次元の世界でも奴らの名は有名だった」
ナオキ「待てよ。確か村上隊長から聞いた話だとTACはヤプールとの決戦の時に異次元に転送する装置を開発したって噂を聞いたぞ」
京太郎「そうかわかったぞ!父さんの言いたかったことが!父さんはナオキ。君が二次元世界に行くためにその装置のことを伝えたかったんだ」
ナオキ「なるほどそういうことだったのか。じゃあすぐにでもTAC極東支部に向かおう!事態は一刻の猶予も許されない状況だからな。
とりあえずジャンガーZに乗ってくれ!社長がジャンセスナをまた勝手に使ったら首だ!言っていたからな」
京太郎「ああすぐに行こう。確かTAC極東支部はここからだと3時間で着く。」
二人は急いでジャンガーZに乗ってTAC基地に向かった。


その頃二次元世界のとある場所で会議が行なわれていた。
会議をしているインベーダーとグロース星人総司令官のデモンゴーネである。
インベーダー「どうですか。デモンゴーネ閣下進行状況は?」
デモンゴーネ「エメラルド星人が加勢しているのでしぶとく抵抗しているが力負けするのは時間の問題だと思われている」
インベーダー「まあこの二次元世界さえ占領するば三次元世界のあらゆる場所から侵略が可能となりますからね」
デモンゴーネ「くっくっく…見ているがいい。立花ナオキ!すぐに二次元世界を占領して貴様を我々のこの手で地獄に引きずりこんでくれるわ!」
いま二次元世界に最大の危機が訪れた…。


「くぅ…これじゃあバダム本部との連絡が取れなくなったじゃないか…」
緯度0ではカイザーブルドントが超時空ネットワークの完全停止の報を聞き、あせった表情になっていた。
「ねぇ、ブルピー、そしたらバルカンベースの攻撃はどうするの?」
マルチーワに翌日のバルカンベース襲撃の事を聞かされる。
「予定通りやるさ…それよりヒーロー達よりも酷い邪魔者がいてな…」
「邪魔者?」
ブルドントにはとある邪魔者がいるようだ。
「あの地球に落ちようとするゴラスって隕石だよ。あんなが地球に落ちたら侵略どころじゃないよ」
「じゃあならばゴラスが落ちる前に地球を脱出すればどうだ?他にも色々な星があるんだぜ」
イナズマギンガーがブルドントに聞く。
「いいかい、ゴラスを落とそうとしている奴らには僕達に恨みがある奴もいる。だからその前にそういう奴らを始末する為だよ」
「そうなのね」
ブルドントの説明に一同は納得をする。
「よし、ジャンボー艦隊をゴラスに差し向ける。我々はその間に明日のバルカンベース襲撃の準備をするぞ!」
ブルドントは一同にゴラス迎撃とバルカンベース襲撃を告げた。


一方のTAC基地ではマリヤ3号が使用不可になった事により険悪な空気が流れていた。
「ナンマイダナンマイダ…」
「今野、だから念仏は止めろ!」
今野隊員が念仏を唱えるが、山中隊員に止められてしまう。
「竜隊長、我々Mydoに行かせてください」
「薩摩隊長…」
薩摩隊長がゴラス迎撃を申し出る。
「勿論、ゲンとカイにも同行してもらおう」
「隊長、どうしてですか!?」「Why?」
「ゴラスを破壊するには我々ウルトラ戦士の力を使わなければならない」
薩摩隊長は二人に説明をする。
「薩摩隊長、それならスカイシャークの修理が終わったらまたゴラスの迎撃に向かってもらいますがよろしいですか?」
「ええ、何とかしてゴラスの落下を阻止します」
竜隊長は正式にゴラス迎撃を承認した。


スカイシャークは順調な航行でゴラスへと向かっていた。
「隊長、ゴラスまで後、1万メートルまで近づきました」
「よし、監視を怠るなよ」
薩摩隊長は星見隊員の報告を聞いていた。
「隊長、一体、俺達の力が必要というのはどういう事でしょうか?」
「ゲン、お前なら分かるだろう。地球は我々ウルトラ戦士にとって第二の故郷だ。命がけで守らなければならない」
「隊長…」
ゲンは薩摩隊長の言葉に動揺を隠せなかった。それは他の隊員達も一緒であった。
「隊長、ゴラスを前面に数十機もの巨大ロボットの反応が!」
「何!」
星見隊員の声と共に、スカイシャークのモニターに映されたのは無数の巨大ロボットであった。
「隊長、僕達が行きます!」
「行くな!」
勝人が外へ出ようとするが薩摩隊長に止められる。
「隊長…どうしてですか?」
「お前達は今は変身するな。ゴラスを破壊する時に変身しろ」
薩摩隊長は厳しい表情で一同に告げる。


一方のウオノメ・マナコの本部では会長のベンゼン星人と副会長の暴走皇帝エグゾスがゴラスでの戦いを見ていた。
「副会長、流石だな」
「ああ、今回はノリシロン秋の特別増刊号をこの戦いのために30部は発行した。これで邪魔者も消えるだろう」
その巨大ロボ、ノリシロン秋の特別増刊号はエグゾスにによって作られた悪の巨大ロボだ。
「フアハッハッハ!これで地球も終わりだろう!」
ベンゼン星人は大きく高笑いした。


「隊長…また反応が!」
「くっ、ここで万事休すか…」
スカイシャークのレーダーが別の反応を捉えた。薩摩隊長は愕然とする。

しかし、ノリシロンに対し砲撃が行われ、次々とノリシロンが破壊されていく。その方向から数十機の万能戦艦ジャンボーがゴラスに近づいてきた。
「あれは…戦艦」
「OH,NO!」
勝人とカイがモニターに映ったジャンボーを見て驚いた。
「敵である確率は…80%!?」
数隊員がノートパソコンで解析を始めた。
それでもジャンボーはスカイシャークを狙わず、ノリシロンを攻撃し続ける。
「隊長、あの戦艦から通信が入っています」
「よし、モニターに映せ」
スカイシャークにジャンボーの一隻から通信が入る。
「そこの戦艦、我々はマシン帝国のバラノイアの艦隊だ!」
モニターにバーロ兵の姿が映る。
「バラノイア!じゃあ我々の敵なのか!?」
「確かにそうだが今は違う。ゴラスを破壊する為にここへ来たから我々を信用して欲しい」
薩摩隊長の問いに対し、バーロ兵が答えた。
「それなら今は君達といがみ合っている必要では無い。正義は一つだけでは無いからな」
「ありがとう。共にゴラスを破壊しよう」
薩摩隊長はウルトラ警備隊やMACでの経験で様々な宇宙を善悪を見てきた。彼に取っての最適な意見を述べていた。
そして、ウルトラ戦士とバラノイアが地球の危機に対し、共闘する事になった。

「よし、一気にゼットン砲でロボット達を攻撃するぞ!」
「了解!」
薩摩隊長の指示でスカイシャークからゼットン砲がノリシロン達に向け放たれた。
「よし、我々もあのロボット達を攻撃だ!」
ジャンボーを指揮する艦長が一同に砲撃の指示を出した。スカイシャークとジャンボーの一斉攻撃によりノリシロン達はその爆炎の中へと消えて行った。

「やったぞ!」「おおっ!」
ノリシロン達の殲滅を確認すると、スカイシャーク及びジャンボーで歓声があがった。
「よし、次は我々の番だ!」
薩摩隊長がキャプテンシートから立ち上がりウルトラアイを取り出した。
「覚悟…」
勝人が決意を決める。
「OK…」「隊長、皆の思いは一緒です」
その決意はゲンとカイも同じであった。
「行くぞ…でゅわ!」
4人はそれぞれのウルトラ戦士に変身し、ゴラスへと向かって行った。


一方のウオノメ・マナコ本星でもノリシロン達が殲滅した事で驚きを隠せなかった。
「副会長、ノリシロンはそれ程の物でしたか…」
「何をいうのだ、ここは余が出るしか無い」
「ほう、副会長直々に出るのですか」
「ふっふっふ…この暴走皇帝エグゾスに逆らった事を後悔させてやるぞ…」
エグゾスはテレポートで部屋を出た。

「ふふふ…暴走皇帝エグゾスの力を見せてもらおうか…」
ベンゼン星人は再びモニターに目を向けた。

スカイシャークからセブン達4人のウルトラ戦士がゴラスへと向かって行った。
「いいか、ゴラスに近づけるだけ近づいて我々のエネルギーをぶつける」
セブンは一同に自らの提案した作戦を一同に話す。
「隊長…俺達の命をかけて第二の故郷、地球を守りぬきますから」
「レオ…」
レオがセブンにその自らの決意を話す。

「どうやら貴様達がゴラスを破壊しようとするのだな…。」
一同の前に黒い巨大な影が現れた。
「あ、あの巨人は一体!?」「SIT!?」
ゼアスとパワードはその巨人を見て動揺を隠せなかった。
「余はエグゾス・スーパーストロング。ゴラスを破壊させん!」
「エグゾス…あの宇宙ハイウェイを作ろうとしていたあの暴走皇帝か!」
セブンはエグゾスの名を聞いて驚いた。
「そうだ、今の余は宇宙各地の邪悪パワーを取り入れているので貴様らウルトラ戦士なぞ敵では無い」
エグゾスはその冷たい瞳をセブン達に向けた。

「散れ、ムシケラ!!」
「うわぁぁぁーーーー」
「グワァァァーーーーー」
そう言い、手から放った衝撃波でエグゾスは一瞬で、ウルトラ戦士達を吹き飛ばした。
「なんて強さだ」
「パワーが違い過ぎる」
その圧倒的な力の差に愕然とするゼアスとパワード。
「ウルトラ戦士達がエグゾスに勝つ確率…0.001%」
「そんな…」
「数、ふざけた事言ってンじゃねぇ!!」
数隊員がパソコンではじき出した勝率にスカイシャーク内は重い空気に包まれた。


「ここで始末してやる…うっ!」
エグゾスはセブンとレオに衝撃波を向けようとするが、赤い玉がエグゾスにぶつかり衝撃波を阻止された。
「あれは!?」
レオが赤い玉を見てその正体に気づく。
「兄さん!」「アストラ!」
赤い玉はレオの弟、アストラであった。
「おのれ、一人増えたごときで…」
「エグゾス、何としてでもゴラスを止めてこの宇宙の平和を守る!」
セブンはエグゾスに見栄を切った。
「そんな丸腰で勝てると思っているのか!」
エグゾスは三人に対し再び衝撃波を放った。

「そんな…ウルトラ戦士が…」
星見隊員が苦戦するウルトラ戦士達を見て絶句する。
「勝てる…確率は…」
「そんな事言っている場合じゃないだろ!」
数隊員が解析しようとして武村隊員に怒鳴られる。

その時、スカイシャークのブリッジが当たり一面、光に包まれた。
「これってスターピース…」
光が収まると星見隊員の手のひらにスターピースが乗っていた。
「スターピースって夢野博士が探していた物か」
数隊員がスターピースを見て驚く。
アメリカ、ダイブハンガー、メルカ、空中都市008に続く五つ目のスターピースであった。
(これに願いを言うん…)
スターピースから謎の声が聞こえてきた。
「願いって…じゃあ私達にゴラスを止める力を!」
星見隊員はスターピースに向かい叫ぶと、再びブリッジが光始めた。

「こ、この力は…」
セブンが光の力を感じる。
「ううう…余の力が、邪悪パワーが吸い取られている」
光の力はエグゾスの邪悪パワーを吸い取って行った。

「一気にトドメを刺そう!」
「うん、兄さん!」「OK!」
レオがトドメを刺す事を促すと一同はそれに頷いた。
「ダァァァァ!」
「エイヤァァァ!」
「トァァァァァ!」
「ジャアッ!」
「イヤァッ!」
ウルトラ戦士は同時にそれぞれの必殺光線を同時にエグゾスに放った。

「倒したのか?」
ゼアスが様子を見ると、その爆炎からボロボロになったエグゾスが姿を現した。
「グワァァァ…だが、余の邪悪パワーをゴラスに…」
エグゾスは自らの邪悪パワーをゴラスに送り、消えて行った。
「SIT!」
「奴め、邪悪パワーをゴラスに集めたのか!」
セブンがエグゾスの最後のあがきを見て驚く。ゴラスはエグゾスの邪悪パワーで黒いオーラを帯びた。

「よし、シールド解除。攻撃準備に入れ」
エグゾスが破れ去った事を見たジャンボー艦長は全艦隊にゴラス破壊を命じた。
だか、その時、オペレーターが叫んだ。
「艦長、大変です。ゴラスの質量が増大しています!!」
「何だと?」
その報告に艦長は驚きを隠せなかった。
「50…100…150…このままではゴラス破壊は不可能です!」
そうゴラスはエグゾスの邪悪パワーである黒いオーラを帯び急速に増大していたのであった。

セブン「まずい、このまではゴラスの引力に引きずり御まれる。みんな距離をとるんだ」
パワード「1万も離れているのに、なんてことだ」
ゼアス「隊長、これでは、ウルトラパワーを使ってもゴラスを破壊することはできません」
レオ「何を言う、やつてみなければわからんだろ」
セブン「いや、ゼウスの言うとおりだ。今、ウルトラパワーを使ってもゴラスを破壊どころか質量を減らす事さえ出来ない。止む終えんが一度スカイシャークに戻るぞ」
そう言うと、セブン達はスカイシャークに撤退した。

スカイシャークのブリッジでもエグゾスの邪悪パワーでゴラスが巨大化した事に驚きを隠せなかった。
「もうマリヤ3号でも間に合わないと言うのに。」
「くっ、このまま策が無いのか…」
ブリッジにいたMYDOの隊員たちにも動揺は隠せず、正に絶望に包まれていた。

「いや、まだ光はある」
「隊長!」
ブリッジにエグゾスを倒した薩摩隊長たちが戻ってきた。
「光って、まさか…」
星見隊員が自分がずっと握っていたスターピースを見る。
「スターピース、何故こんな所に?」「SIT? 」
ゲンとカイがスターピースを見て驚く。
「…お願い、ゴラスを止めるだけの力をちょうだい!」
星見隊員がスターピースに向かって叫ぶと再び光始めた。
「ぜ、ゼットン砲に凄いエネルギーが!?」
数隊員が艦内状況を見るとゼットン砲にエネルギーが集まっているのを見た。
「これはゼットン砲のエネルギーじゃない!って事は光の力!」
勝人がゼットン砲を見てそれがスターピースの光の力だと言う事に気づく。
それに気づいたノアがスカイシャークの方に頷く。
「よし、この艦にある光の力をゴラスにぶつけるんだ!」
薩摩隊長は一同にゼットン砲の発射を指示した。

「スターゼットン砲、発射します!」
「スターゼットン砲?なんだそりゃ?」
星見隊員の言葉に武村隊員が少し戸惑った。

「デヤァァァァ!」
スカイシャークの主砲からスターピースの光ともいえるスターゼットン砲が放たれた。
「こ、この光は…」
ジャンボー艦内のバーロ兵達がゴラスに向けられた二つの光を見てなんとも言え無い表情になっていた。
スターゼットン砲とライトニングノアがゴラスに命中するとゴラスは暖かい光に包まれ、その光の中へと消えて行った。

「これで終わりか…」
薩摩隊長が光の中へ消えるゴラスを見て安堵の表情になる。
「隊長、バラノイアの艦隊も地球に戻ります」
「ああ、我々もTAC基地へ戻ろう」
ジャンボーが次々と緯度0へ戻っていく中、スカイシャークはTAC基地へと戻って行った。


「馬鹿な…ゴラスが破壊されるだなんて…」
本星でゴラス消滅を見ていたベンゼン星人はショックの余りワイングラスを落としてしまう。
「ウオノメ・マナコの会長を見つけたぞ!」
「何、スペシャルポリスか!?」
その時ベンゼンの部屋にスペシャルポリスの特別指定凶悪犯罪対策捜査官、通称「特キョウ」が入ってきた。
「ウオノメ・マナコ会長、ベンゼン星人!ゴラスを地球の地球落下未遂でジャッジメント!」
「おのれ…」
「デリート許可!」
特キョウの捜査官、ギョク・ロウの読み上げと共に宇宙最高裁判所のジャッジが下され、ベンゼン星人は本星共々御用となった。

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最終更新:2013年03月14日 02:38
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