これまでのあらすじ
かつての敵、レーリレイとの再会。
そして彼を追う謎の機体、パラデウス。
レイル・レーラビは、自らを作り出した《ファクトリー》の手がかりを得る為、アルカと共にパラデウスに挑む事を決意するのだった...。
第08話「二人の為のアームヘッド」
二人を繋ぐレゾナンスギアの同調率メーターが振り切れる!
「...アルカ!」「レーラビくん!」
周囲のプロトデルミスが分解・圧縮され、一体の巨人...アームヘッド《クアドアル》が顕現する!
相対する二体の巨人....地上から見上げるクアドアルと、上空から見下ろすパラデウス。
『へえ、あれがクアドアルかあ...ファクトリーの情報通りだね』
『二人で一人のアームヘッド、でも所詮は他人だね』
『...レーラビくん、行こう!』
『おうぜ..."セイル・ライラビット"!』
クアドアルの"加速"を司る調和能力!
地を蹴り、廃ビルを蹴り、空気を蹴り...光速一歩手前の速度で接敵する!
パラデウスは全身に配置された粒子砲を斉射し迎撃...だがすべて回避!
『止まって見えるぜ!』
クアドアルの右手ブレード!それを白い可動式装甲で攻撃を受けて逸らす!
『...防がれた?でも!』
クアドアルの追撃!バランスを崩す前に身体を捻り、回し蹴りを放つ!
『やあーっ!』
パラデウスの白い装甲が欠ける!レーラビの調和能力とアルカの反応速度の為せる技だ!
『...よし、僕たちの調和能力で!』
右手ブレードを相手に向け、構える!
『おうぜ!機体だけ破壊してやるぜ!』
二人は心の中で調和の名前を唱える!
かつての戦い、メッサー社との決戦で使われた調和能力!
...パラデウスの白い可動式装甲が塵芥と化し、アームホーンはアームコアに退行し地面に落下した。
『今の、"普通のアームヘッド"なら...危なかったね』
が、機体そのものは自壊せず健在。
『そんな、僕たちの能力が...』
『そう、パラデウスは"普通のアームヘッド"じゃ無いんだよね』
パラデウスの身体から魔法陣のような光!更に機体が僅かに変異する!
『...君たちのとは違ってね』
魔法陣から白と黒の2丁拳銃を取り出す!
二丁拳銃での連続攻撃!放たれたエネルギー弾が、装甲を、基礎フレームを焼き尽くし破壊していく!
『うああああっ!』『ぐ....!』
クアドアルを...二人を激痛が襲う!
『...見つけた、君達の弱点、生身の身体』
クアドアルの胴部装甲が破壊され、コクピットが剥き出しになる!
「あ....」
パラデウスの緑に光るカメラアイが、アルカの青い瞳を見つめる。
『アルカ!狙いは君だぜ!早く脱出を...』『消えちゃえ』
白と黒の銃..."認識可能な消失点"の能力が発現した。
『...アルカ?何処に行ったぜ?』
パイロットを失ったアームヘッドは、ぽっかりと穴が空いた自らの胴体を覗き込んだ。
『...ぜ?』
...アルカが、消えた。
白い可動式装甲を纏ったマルチネック式の『半』アームヘッド。《ファクトリー》によって製造された人造英雄抹殺機構兵器。
最終更新:2017年03月08日 02:09