これまでのあらすじ
レーリレイの加勢により、何とかバルバルを倒したレーラビ。
だがもう一人の尖兵ゼロノヤマは圧倒的な戦闘力と単独での調和を兼ね備えており、一筋縄ではいかない…
「だったら僕に考えがあります…レーリレイさん…少し時間、いいですか?」


アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第30話「呪詛の根源へ⑤」


…状況を理解できないゼロノヤマは首を傾げ、様子を伺っていた。
「意味がわからないようだが…これがお前を倒す為の最適解なのだ」
…その視線の先には、アルカを肩車するレーリレイの姿!怪奇!!
「…レーリレイさん、いつでも行けます」「応!」


先手を取る事を優先したゼロノヤマが予備動作無しで突進を敢行する!!
「迎撃!」
対するレーリレイは最低限の動作で左腕の銃を構え迎撃!明らかに反応速度が向上している!!
「ゴボボ…!」


古代のミコの血を引くアルカはアームコアとの親和性が高く、機体に搭乗するだけで反応速度を向上させる…
その特性を、"肩車"でファントム同士の戦闘に応用しているのだ!
「フフ…これぞ究極のレーリレイタンク…」
「…次は調和が来ますよ」「あっ、はい」


2度目の被弾でダメージを受け、機動力が低下したゼロノヤマは近接攻撃を止め、調和能力を用いた射撃戦へとシフトする!
「シュウウーッ…」
ガスマスク力士の周囲で大気中の水分が結晶化し、氷の刃物が無数に生成され始める…


「…コオオーッ!!」
そして、一斉に襲い掛かる氷の刃物!
「うおおおお!」
アルカに操縦されるレーリレイは未改造の右手で拳銃を取り出し、一発づつそれを撃ち落としてゆく!
「あのビーム、まだ使えないんですか!?」「冷却中だ!少し待て!!」


「ぜやーっ!!」
そこへ意識を取り戻したレーラビが乱入!調和に集中していたゼロノヤマに飛び蹴りを直撃させ、首を一回転させる!!
「レーラビくん!」
「遅れてすまないぜ、迂闊だったのぜ…」


「おい!あいつ、まだ動けるようだが!」「なっぜっ!」
首が逆向きになったガスマスク力士は操り人形のように立ち上がり、ノイズ混じりの音声を発する!
『……か…聞こえますか…』
その声はゼロノヤマ本来の野太い声ではない…少女?の声!


『…私はレギュレーター04、ルラ・リリ・レギレイ…』
レギュレーター…かつてのレギと同じく、尖兵を操る権限を持つ者!
『…貴方がた初期ナンバーの尖兵はこれまで、救済活動に従事する事なく、重大な反逆行為を繰り返してきました…』


「救済…?あの虐殺のどこが救済なのだぜ!」
『私達の目的は人類及びヘブンの延命…残念ですがクローン・ファントムの生命は救済対象に含まれていません…』
レギュレーター04は慈愛に満ちた声で、冷酷に告げる。


『そして、私達ファクトリーは貴方がた反逆者をこれ以上見過ごす事はできません…』
「レーラビくん!何か来る…!」
通路の先から、巨大な"何か"の足音!
『行きなさい、"パラボロス"…彼等反逆者をファクトリーへ導くのです』


「な…何が来るのぜ…?」
レーラビが周囲を警戒する…が、ガスマスク力士、紫色の男以外の敵の姿は確認できない…
「レーリレイさん!後ろ!!」
アルカが何かに気付く!だが間に合わない!
「なにっ…うわあああーっ!」


空気が一気に吸い込まれる音と共に、レーリレイ…そして近くにいたゼロノヤマとバルバルが一瞬で"消失した"!
「レ…レーリレイ!…何だぜこいつは…!?」


…次回、第31話「呪詛の根源へ⑥」へ続く。



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最終更新:2018年01月16日 22:55