これまでのあらすじ
新光皇歴2038年、「人間を襲う謎の敵性生命体」が都市部に出現。任務で迎撃に向かったレイル・レーラビはそれの撃退の為、調和「セイル・ライラビット」を発動し失踪する。
新光皇歴2039年、一人取り残されたアルカ・クライアは……


ストーリー:リターン・デイズ外伝
エピソードゼロ「ロスト・ラビット⑩」


旧メッサー社跡地に、一機のアームヘッド…ツヴァイヘンダーツヴァイが降下する。
「名もなきトーア…ミコが来たぞ」
その言葉に反応し、瓦礫の山が崩れ…そこから"何か"が這い出てくる!


「…ツヴァイヘンダー」
そう、それはかつてデベロッパーによって製造された機体"ツヴァイヘンダー"…
一度破壊されたにも関わらず肉体の自己修復は続いており、既に起動可能な状態まで再生していたのだ。


対峙する白と黒のツヴァイ…共鳴しあった機体が同時に調和能力を発動!
「レーラビくん…今、そっちに行くから」
大地が凍り付き、吹雪が吹き荒れ、周囲が一瞬で凍土と化す!

…後にこの場所は、"局地的寒冷地帯"と呼ばれる事となる。


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…速さの向こう側、時と時の間に発生したバイパスの内部。
敵性生命体はクアドアルと共に、チューブ状の広大な空間を漂流していた。
「…コレクター!約束通り全てを話してもらうぜ」
レーラビは邪魔な触手を引き抜き、ドラウプニルから黒ローブの男を救出する。


『ぐはあ…わ、私は一体……』
引き出された反動でコレクターの素顔が明らかになる…彼は、レイル・レーラビと全く同じ姿をしていた。
「お前…シリーズRRRRの生き残りだったのぜ」


『そうだ…私は貴様と同じセクター1111の脱走者。…ネクロヘブンを発見できなければ、何もできず処分されていた筈の存在』
「ならば何故、アームヘッドを滅ぼそうとしたのだぜ」
『それはこちらの台詞だ…この先に起こる事、貴様も知っている筈だろう』


「ぜう…それは…」
破損したドラウプニルのモニターに、炎の剣…"レーヴァテイン"を持った無数のアームヘッド群が映り込む。
『無秩序にアームヘッドが進化した未来…強くなり過ぎたアームヘッドが齎す、最終反乱を超える本当の最終戦争…"大破壊"。』


『私はドラウプニルの力でその未来を変えようと戦った。だが駄目だった』
無数の剣が振り下ろされ、大地が焼き尽くされた。
複数の腕を持った赤黒い悪魔が乱舞し、多くの命が奪われた。
筋肉の化け物が暴力を振るい、時間が破壊された。


『…何故、何故貴様は、人類だけでなくアームヘッドも守ろうとするのだ』
「俺は…どちらの味方になったつもりもないぜ」
その言葉を聞いたコレクターは、暫くの沈黙の後…一つのデータチップをレーラビに手渡す。
『…センベツだ。その中にはネクロヘブンの座標データが入っている』


『全てが終わった後、彼の地へ向かえ…』
その言葉を最後に、コレクターはタイムスリップ空間のチリと化し…ドラウプニルも"何処か"へと流されていった。
「コレクター…」


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…時間座標再計測開始……NextAge. |


ふと気が付くと、時は流れ世界は崩壊し…レーラビは何も無い荒野に立っていた。
「…また、一人に戻ってしまったぜ」
夕暮れを見て立ち尽くしていると…何かを受信したレゾナンスギアのランプが点滅を始める。


液晶を見て、レーラビはその意味を理解し…
「…待っていてくれたのぜ」
ただ一人、歩き始めたのだった。


エピソードゼロ「ロスト・ラビット」終わり。
…リターン・デイズ 第01話「雪原のレイル・レーラビ」に続く。



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最終更新:2018年09月16日 01:13