ARMHEAD "MUSCLE CHRONICLE"
SIDE:VIJAYA PROLOGUE 24
--80XX.XX.XX--
山が燃えていた。
大規模な山火事に混じり金属色の溶岩めいた物体が流れ、大地に対し木の根のように炎が模様を描いていた。
広がる災害の中心には、九つの頭にそれぞれ一から九つまでの眼球を持つおぞましき化け物が蠢いていた。
衰退へ向かう人類も、隆盛しつつあるアームヘッドも等しく被害を被っていた。
そんな中、人間とファントムが混成する討伐チームが果敢にも立ち向かっていた。
それはプロトデルミスの鎧と剣を装備する人間の戦士や伝説の動物・馬と騎士を合わせたようなアームヘッドなど様々だ。
しかし無差別に破壊を続ける怪物、グリディヒュドラにとっては何が来ようと関係無かった。
一面の炎の中を進む馬型下半身機体とそれにまたがる戦士などの集団!その背負う旗には馬ドラゴンの紋章が描かれている。
「何という化け物だ……やはり伝説の龍の剣が無ければ」
『怖気づいたか?我々は探索チームが合流するまでの間生き延びるのが任務だ。そう難しくもあるまい?』
アームヘッド騎馬隊の方向をグリディヒュドラの不気味な首が見下ろした。
そして銀色の炎のような物体を噴射する!それは高温の液体金属であり触れる物を片っ端から炎上させる!
逃げ惑う騎士団を襲うのは九つの首の内三本位だ。残りは焼き払った森や敵の残骸を貪り食っている。
騎馬の一組が銀溶岩に飲まれた。三つ目の邪蛇が嫌らしく笑みを浮かべ、更に火を吹く。
『「これ以上はやらせん!」』
牛めいた武装のコンビが首に迫る!だが真横に五つ目、背後から九つ目の首!
頭突きと咬撃が交差して一人と一機を分断する!
「ミノ太郎!」
銜え上げられた愛機に叫ぶも、本人の頭上にも三つ目の蛇が迫る!
『上だ!ギュードス逃げろ!』
その時、グリディヒュドラの胴体部で爆発!攻撃が中断される!
そして天に現るは六本足の紅い龍!
全身の鰭や爪は翠玉めいて透き通り鋭く光る。金色の角を生やす頭部が、黄緑色の輝きを吐く!
『何だ彼奴は!?』
すると到着する聖剣探索チーム!
『俺達は海底洞窟の奥に伝説の龍の剣が刺さっていると思っていた…だが違った。龍は生きておりその身を狩って剣を創り出す必要があった』
『でもどうやっても勝てないので試しに「すごい強いやつと戦えるよ」と誘ったらついて来た』
カッパ装備のカッパ騎士アームヘッドが言った。
ヴィジャヤドラゴンがテトラブレスでグリディヒュドラを焼く!
邪蛇の三首が伸び巨龍の足に巻きつく!地に引きずり落とす!
ヒュドラが追撃噛みつき!ヴィジャヤの翠の爪がバチバチと光りその牙を弾き返す!
テトラネイルが蛇が抉る!吐きつけられる銀溶岩が龍を燃やす!獣同士の衝突に騎馬隊は物陰に退避した。
「あの龍、勝てるのか?」
『さあな、だが俺たちが束になってかかっていくよりは可能性がある』
蛇の牙と龍の爪!競り合って二首と両腕の取っ組み合いになる!
『ガオオオオオ』
ヴィジャヤドラゴンが真ん中の首に噛み付く!そのまま一気に粒子を流し込むテトラバイト!
『ネキキイイイイ』
グリディヒュドラも首に噛みつき高熱鉄流発射!口から溢れ出る溶鉄がボタボタと垂れ地が燃える!
金属が冷え固まると入れ歯めいて首に留まり続け、常時噛みつきダメージを生む物体と化す!
口を離したヒュドラは尚も銀の炎を浴びせつつ、別の首でヴィジャヤの各部に噛みつき鉄入れ歯を食い込ませんとする!
ヴィジャヤドラゴンは筋肉を膨張させ反発!牙が抜けると両手の爪が発振しブレード状に!グリディヒュドラの顔面を裂く!
邪蛇は首の四本を脚のようにして高速後退!残りの首で溶鉄をぶち撒ける!
巨龍の背びれや翼に粒子の輝き!口からテトラブレスを放射し銀炎を迎え撃つ!
二種のエネルギーが衝突し眩い爆発!
(続く)
ARMHEAD "MUSCLE CHRONICLE"
SIDE:VIJAYA PROLOGUE 25
二種のエネルギーが衝突し眩い爆発!
爆煙を突破するヴィジャヤが翼を刃とし接近!ヒュドラの四つ目の首が大口を開け丸呑みを待つ!
だがその顎が翼を噛んだ時、止めきれず真っ二つに掻っ捌かれる!邪蛇の頭一つ退治!
斬られた傷口に異変!沸騰した金属が血のように噴き出し歪な蛇を生成!
ヴィジャヤドラゴンの尻尾を捕らえ引きずり落とす!
グリディヒュドラの全ての首が一斉に上向く!そして鉄流を消防車めいて放物線状に噴射!ヴィジャヤに集中させ鉄塊で固める!
『グオアアアア』
巨龍の動きを封じた邪蛇ははみ出した脚に噛みつき喰い始める!
『彼奴でも駄目なのか?最早……』
「いや、これは寧ろ好機!あの蛇は龍だけで手一杯、であれば、我々こそが龍の勝利の剣!」
テング装備のテング騎士が言う。
そして騎士団がグリディヒュドラの手薄の胴体に向け特攻!
各々の武器を一斉に突き立てる!首の一本が怒り狂い騎馬たちを薙ぎ払う!
「うおーッ!!」
ドドルスポイ騎士が剣を蛇の目玉に突き刺す!二つ目の首は根元からも集中攻撃され巨木めいて斬り倒される!
ヒュドラの意識がヴィジャヤから離れた時、山のように積もっていた金属塊が揺れ、龍の翼が突き出す!
飛翔するヴィジャヤドラゴン!長大化した爪で五つ目の首を切断!
『キイエエエエエ!!』
怒り狂うグリディヒュドラの傷跡から湯水の如く溶鉄が溢れ出し周囲を飲む。騎士たちは咄嗟に離れるも一部は飲み込まれた。
ヴィジャヤが拳を握る!八つ目の蛇を叩きのめす!
三つ目が鉄流噴射し龍の目を潰す!苦しむ姿を嘲笑っていたが、喉元に噛みつかれ引っこ抜かれる!
残りの首は既に倒された首すらも喰らい再生させようとしている!このままでは埒が明かないどころか、敵対者はひたすら消耗し最後には邪蛇だけが残るのだ。
「あの溶鉄も食った物に基づいてるなら…おい!奴の周りの残骸を退けるぞ!」
騎士たちがゴミ拾いする間も怪獣大決戦は続いていた。
銀炎を吐きつつも別の首は燃料を探す!遂に見つからなくなった為、ヴィジャヤドラゴンの翼を噛み千切ろうとする!龍は羽根を引っ張り蛇の首を張り詰めさせると、尻尾に粒子剣を生成!振り回し六つ目の蛇を切断!
だがヒュドラも傷口から同様に剣を生やす!ヴィジャヤの掌を貫いて地に縫い付ける!
邪蛇の連続噛み千切り攻撃!筋肉をこそげ取られる龍だが被食者ではない!刺さった脚を引き裂かれながらも脱出!七つ目の頭部を鷲掴みにしトマトめいて握潰!
遂に首が二本になったグリディヒュドラだが異変!一つ目の首が根元から肥大化している。そして九つ目の首は鉄流噴射で巨体を宙に浮かせた!
見上げるヴィジャヤドラゴンは撃墜すべくテトラブレスを充填!蛇の頭は更に巨大化!
そしてヒュドラはフクロウナギめいた異常な大口を展開!ヴィジャヤを頭から丸呑みに!
「なんじゃあらああああ」
騎士たちが恐れ慄き散り散りに退散!
全身を波打たせ脈打たせながら龍を体部に流し込む邪蛇。
完全に姿が消え静まり返ったその時、上空の暗雲に光!稲妻が蛇に落ち金色の槍が出現する!
ヒュドラの背を突き破る爪がそれを掴む!怒る邪蛇の体が更に破られヴィジャヤドラゴンの首も突き出てくる!
二本の蛇と金色の槍と龍の首がそれぞれ絡み合い激突!!
『な、なんじゃらァ〜〜!?』
得体の知れぬ地獄絵図に騎士たちが引いている中死闘は続いた。
一つ目の蛇が龍の喉元を噛み締め、槍が九つ目の顎から頭へ貫通する。
鉄流が巻きつくように流れヴィジャヤドラゴンの首を確実に締めていく。その眼が光を失う。
槍が手放され、グリディヒュドラは勝利を確認し邪笑を浮かべる。
だがその笑んだ口から刃が飛び出る!ヴィジャヤの尾が体内を通って貫いたのだ。
体部から顎にかけてアジの開きのように捌かれたヒュドラの首がバナナの皮のように力なく倒れていく。
そして全身が溶鉄と混じりながら崩れ、周囲を焼きながら溶け広がっていった。
「勝ったのか……?」
カッパ騎士が銀溶岩の中心に立つヴィジャヤドラゴンを見上げた。
『……我らの勝利だ!』
天狗ヘッドが言った矢先、彼らの背後が爆発!目の前の龍が撃ったテトラブレスだ。
「『ええええええ!?」』
逃走する騎士団を無視し暴れ始めるヴィジャヤドラゴン!
その日、結局一つの国家が消滅した。
(続く)
ARMHEAD "MUSCLE CHRONICLE"
SIDE:VIJAYA PROLOGUE 26
--99XX.XX.XX--
惑星の極地、氷の大地と終わりなき吹雪だけが存在する銀世界。
青白い空間に、また別空間が覗ける得体の知れない穴が出現した。
吹雪が謎ポータルに吹き込むと何らかの流れに押され消えて行った。
まもなく虚空の穴からは三体のアームヘッドが出現する。
「この時代で合っているか?」「恐らくそうでゴワッス」
「しかしなんでこんな寒いところにいるかね???」
歩み出す三機はやがて吹雪の中に聳える氷山に直面した。彼らはそこで歩みを止める。
「反応はこれだ」「氷漬けにでもなってんのか???」
だが、そうでは無かった。
巨大な氷山は地を揺るがしながら動き、彼らを見下ろした。
『グググググ』
超巨大アームヘッドは轟音のような声を発し数百年ぶりに口を開いたようだった。
「……我々はタイムスリップ教団である。私はタイムスリップレバニラ、そっちの相撲がフジヤマであとモツニ」
「それはさておき、バーベキューの誘いを断ったお前にもう一度チャンスを与えに来た。我らと共に来るのだ」
タイムスリップレバニラがアームヘッドサイズのメモを読みながら言った。
『……ベルべキュー…!』
超巨人が一睨みするとタイムスリップモツニが爆発!
「ヒッ…」
「…バーベキューを倒したことだけはあるな。デカいからと言って調子に乗るなよ?こっちにもデカブツは居る!」
「ゴワッス!!」タイムスリップフジヤマの機体、ファット卯月改が突進!
バイク形態の加速と筋肉と脂肪を蓄えた大質量ボディの相乗!その破壊エネルギーは並ではない!
だが巨大な手はそれを片手で受け止め、フジヤマは地平線の彼方へと投げ飛ばされた。
「なっ……そ、そうこなくてはなァ!」
レバニラの古代大気戦士めいた機体、レーバ・ニーラが両腕を広げ回転!マッスルコプターを派生させ竜巻を生む最高サイクロン!速度と規模を増し迫る!
しかし超巨人が文字通りそれを足蹴にするとタイムスリップレバニラは無回転で吹き飛び消えた。
『……起こしておいて、この程度……』
マキシマム・ヴィジャヤは再度眠りにつき挑戦者を待とうとした。
彼らも6000年くらい前だったら強敵だったかも知れない。
しかし、強くなり過ぎてしまった今では対等な相手と遭遇する事もない。
時折、ベルべキューの言うとおりタイムスリップする事も考えた。しかし、腹の底ではあの創造主に納得していないのだ。
やがて彼の前に再度影が現れた。
黒いアームヘッドが一機。小脇には先程のフジヤマが抱えられている。
遥か彼方に消えた筈……
「も、申し訳ございませんでゴワッス…教祖自らお出でになるなど…」
「もうよい。彼の動きを観られただけで充分だ。任務完了だ」
教祖と呼ばれた機体はフジヤマを異空間の穴に放り込んだ。
「先程は我が信徒達が失礼した。彼らは少々鍛錬に不真面目でね…」
「少しお灸を据えようと思ったのだ。つまり、君はもう教団員として既に一仕事終えた事になるな」
『……クギィ』
宗教特有の巻き込み言動にヴィジャヤは歯軋りした。
「私はタイムスリップサダヒコ。当然私も頭目として君を一員に迎えるべく来たのだが、今までとは勝手が違う。彼らはその…」
「…脳筋すぎた。いきなりついて来いと言われても、君がそれに従う理由など無い。なので今日はビジネスの話に来た」
『……』
ヴィジャヤは記憶の奥底からヴィジャネスオンデマンドを掘り起こしたが、再度埋めた。
「ビジネスといっても簡単な事だ。つまりは君に欲しいものを与えるということだ」
「君は昔バーベキューに同族を作り直して欲しいと言ったな。だがもう、今は違うのだろう?求めるものは何だね?」
『……』
「ふっそうか、虫けら風情が如何にして叶えられるか、といった具合か?だがレバニラの言葉を借りると君は…”大きすぎ”る。試しに打ってきてみたまえ」
(続く)
ARMHEAD "MUSCLE CHRONICLE"
SIDE:VIJAYA PROLOGUE 27 (FINAL)
「試しに打ってきてみたまえ」
サダヒコの促すままに、ヴィジャヤは彼の機体の半分以上はある巨大な拳を振り上げ、容赦ないハンマーパンチを繰り出す!
黒いアームヘッド・アダマンティンがその一撃をガード姿勢で受けると足元が破砕し、そのまま氷の大地をXXkmに渡って削り滑って行った。
「……なるほど」
ほんの僅かに視認できる赤い残像を纏いながら瞬時に戻ってくるサダヒコ!どうやらワープの類ではない、光速で移動したのだ。
「君の拳には悲哀と寂寥、そして戦いに纏わる欲求不満が籠もっている。それを塗りつぶすだけの怒りと強さへの渇望を取り戻したいと思っている」
「君は当初プログラムに従いひたすら強さを求めるだけで良かった。それが仲間を喪い創造主に裏切られ、彼の思惑やプログラムの通りに鍛え続けることに迷いが生じた。故に最初に戻りたがっている!世界にはまだ見ぬ強敵が溢れ、己の限界に強い興味を惹かれていたあの頃に」
たった一撃のパンチでこれ程の思考を読み取る!相当の手練だ…ヴィジャヤは枯れていた興味を思い出しつつあった。
「ヴィジャヤよ…強者を求むるならばこの俺を恨むがよい。この俺に怒るがよい。…ベルべキューは当初知的で善良な人間だった。君たちの身を案じていたよ」
「だが俺が誘ったことを切欠に彼は変わってしまった。麺神に心酔し自我を殆ど失った。俺がその元凶だ」
『奴の事など…どうでもいい…!』
ヴィジャヤは輝きを増すアダマンティン胸部の宝玉を見据えた。
「ほう、ワイズコア…天然物は珍しいか?君の頭にもあるがまだ途上だな」
『それを寄越せ』
本心というより戦う理由付けに過ぎなかった。
「望みを叶えよう……来るがいい!!」
マキシマム・ヴィジャヤが錘と化した拳を振り下ろす!アダマンティンは防がない!正面から拳で応える!衝突のインパクト!震える氷床!
『ガアアア!!』その腕を更に押し込みながら放たれるテトラ・ウェーブ!
連続して脈打つように流し込まれる!大気を揺るがし周囲に氷の破片を輝かせ続く攻撃だが、アダマンティンに通じず!強力な覚醒壁に弾かれ表面をビリビリと通り過ぎる!
通常のアームヘッドならば最初のパンチ、強力な機体でも連続テトラ波を防ぎきれず自壊するのが当然だ。だがそれを凌ぐ彼奴は……
それでもバリアの減衰はある筈!ヴィジャヤはもう片方の腕でテトラバスターを充填……突如弾かれ中断!
アダマンティンが飛び道具を撃った様子はない。敵の援護射撃もだ。
違和感を感じる中サダヒコも反撃に連続拳打を繰り出す!ヴィジャヤの巨大な拳も匹敵する速度で応酬する!だが違和感!
打撃を全て相殺している筈が頭部や腹部も殴られている!ヴィジャヤは僅か、薄赤い残光を見た気がするが正体を探る隙なし!やがて手にも痛み!拳同士の相殺が一撃目、その後の手を追撃する為の見えない二撃目が存在!ヴィジャヤの巨大足が地面を蹴飛ばす!一気に後退しながら連発テトラバスター!
それらもアダマンティンに届く前に赤い拳が撃墜!サダヒコが腕を止めても撃墜!
『フン、姑息な技を…』
「タイムスリップ拳を学ぶまたとないチャンスだぞ、ちゃんと受け取れ」
『そんなもので俺が倒せるかアアアア!!!』
ヴィジャヤの咆哮と共に攻性バリアが拡大!テトラフィールドを成す!
周囲に仕掛けられた膨大なタイムスリップ拳撃が沸騰した泡めいて定期的に弾ける!
「その拳の重さでは光速は出せん。だから、大きすぎるのだ」
『そんなものは要らん!!』
マキシマムヴィジャヤが両腕を掲げる!瞬く間に空を覆うほどの超巨大テトラスフィアを発生!
「大きすぎるのだ」
アダマンティンは両の拳に調和エネルギーを溜め、パンチ動作と共に赤外線レーザーめいた一筋の光を放つ。ヴィジャヤの踏む氷の大地が綺麗に足の形状をかたどるように蒸滅し、落とし穴めいて股まで一気に嵌まり込んだ。スフィアは上に分断され、アダマンティンは超巨人の頭の高度まで瞬時に飛ぶ!
『ウオオオオオ!!』
ヴィジャヤはスフィアの残粒子を両腕に吸い寄せる!輝きは渦巻いて五倍サイズの光る拳と化す!
ジャイアントダブルテトラスマッシャーが空中のアダマンティンを両側から圧し潰す!
サダヒコは…機体の肘も膝も折り畳み限界まで縮こませる!
黒い弾丸は前転しながら圧迫する巨大拳の間を進む!レールガンめいた加速!
超高速回転アダマンティンがプレスから弾き出る!一気に全身開放!異常な身のひねり!そして!
「アダマスの鎌」
恐るべきチョップ斬撃が抜かれる!
ヴィジャヤは首刈りを防ぐべく頭突き脳天ガード!
斬り裂かれることは免れたが、衝撃を吸収出来ず、氷に脚を突っ込んだままXXXkmに渡って削り滑って破壊し、大陸を分断した。
味わったことの無い衝撃にグロッキー状態となるヴィジャヤの前に、サダヒコが光速移動してくる。
「これで己がまだ最強ではない事が解ったか?これはビジネス。君が満足するまで勧誘は続けよう。ではさらばだ」
ポータルを開くサダヒコの背を、霞んだ視界で睨み上げるヴィジャヤ。
その後頭部では思惑通りメキメキと音を立て賢者の石の結晶体が成長していた。
『サダ……ヒコ……!』
やがてその姿が消えると、ヴィジャヤ周辺の氷が砕け、その巨体は極寒の海へと沈んでいった……。
ٷٷٷٷٷٷٷٷ
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◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
--XXXXX.XX.XX--
そして恒久の時は流れ―――。
古の魔神は再び地上に昇り来る!!
”MUSCLE CHRONICLE”
SIDE:VIJAYA PROLOGUE 〈終〉
SIDE:VIJAYA2 NEXTAGE に続く…
最終更新:2019年06月30日 10:55