月岡靖憲(つきおかやすのり)とは、角田美代子の弟。普通「凶悪殺人犯の家族」は家族が犯した罪のせいで迫害される」というのがステレオタイプであろう。しかし、この月岡は角田同様極悪人である。
概要
美代子には腹違いの兄と昭和28年8月に生まれた5歳年下の弟がいた。兄は優しいが住む世界が違う人間だった一方、弟は美代子と同じ性質の人間だった。
小学生の時は小刀を持って登校し、巨体で「キレたら何するかわからん」と恐れられたワルだった。柔道が強く、スポーツ推薦で東京の高校に行ったが活躍できず中退したという。
美代子の父は日雇いの手配師、母は遊廓を兼ねた小料理屋を経営していた。「月岡」姓は父方の姓であるが、やはり韓国慶尚北道慶州市に「月城」という新羅時代の王宮となる王城がある。
美代子と泰憲はネグレクト状態だったが母方の伯父がチンピラヤクザであり、母方の祖母宅にはヤクザが出入りしていたため、そういった荒くれ者に囲まれて成長した。
父が日雇い労働者を住み込みさせ、脅し給料を献上されるとか、母と祖母が娼婦たちにヤクザを使って恐怖で恫喝しながら稼ぎを巻き上げていたのをみてそれを学習したのかもしれない。
少なくとも角田兄弟にとって収入を得るとは、他人の働いた金を恫喝して巻き上げることだった。
月岡靖憲の悪事
- 泰憲は弁護士に依頼した知人の債権処理に不手際があったと因縁をつけた。弁護士が和解金を支払うと、それをネタにさらに脅して414回に渡り恐喝した。
- 弁護士に殴る蹴るの暴行、深夜に山奥や河原に連れていき脅す
- 自宅に脅しの電話やファックスを送りつける。
自宅周辺にビラを撒く。
- 恫喝してズボンを脱がせ、恥ずかしい写真を撮影して脅迫した。
- 弁護士が自殺を仄めかすと「死んでも嫁はんや子供に全部いくからな」
- 弁護士は泰憲に支払う金がつき、顧客の金に手をつけて逮捕されたことにより、泰憲も逮捕された。
余罪
もう一人の被害者の女性Bさんは、大阪市内のスナックで働いていた。月岡はBさんを食事に誘った。そこでBさんが借金返済のためにスナックで働いていることを聞き出した月岡は、Bさんの債務処理を富田弁護士に受任させ、恩を売った月岡はBさんを脅し情婦にして、Bさんに複数の銀行や消費者金融でカードを作らせ、お金を搾取した。
他人を脅迫して金を巻き上げる。最終的にはターゲットが犯罪を犯してしまうほど追い詰めた。
また、月岡は推定家賃が30万円の3階建ての豪邸に暮らし、ドイツの高級車・ベンツを乗り回していたそうだが、この三階建ての自宅も、元議員から脅し取ったものだという。
2008年当時の兵庫県宝塚市の阪上善秀市長が県議時代の1989年ごろ、月岡側から、県内の私立高校の裏口入学の依頼を持ちかけられ、100万円を受け取っていた。阪上市長は読売新聞の取材に対し、「100万円は受け取ったが、口利きはしておらず、その後全額返した」と説明している。阪上市長によると、月岡容疑者が経営する塾に通っていた受験生の親が事務所を訪ね、「100万円で何とかできませんか」と私立高校への裏口入学を依頼された。阪上市長はいったん受け取ったが、後で現金を返したという。ところが後日、月岡容疑者が現れ、「一瞬でも金を預かったのだから、領収書を書け」と要求。阪上市長は拒絶したという。
グリコ森永事件との関わり
この靖憲が、未だに真相が闇に包まれる事件の容疑者として警察にマークされていた。京阪神が舞台となった、連続企業恐喝事件「グリコ・森永事件」です。
月岡は一匹狼的なところがあり、犯行も単独犯であることが多いなどを考えれば、子供に電話で現金受け渡し場所を話させるなど、共犯者がいるであろうこの事件の主犯だったとは考えにくいという意見もあるが、犯人に誘拐された、当時の江崎グリコ社長・江崎勝久さんの自宅があったのが西宮で、当時、靖憲も同市内に住んでいた。
同事件では、西宮市内にあったファミリーマート甲子園口店の商品棚に、青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)が入れられたドロップの缶が犯人によって置かれたが、その際に店内に設置された防犯カメラに犯人の男が写っている。
当時の捜査に加わった兵庫県警の関係者によると、靖憲がビデオに写っていたいわゆる“キツネ目の男”の顔つきに近かったことと、ビデオに写る男と肩のラインがそっくりだったため、捜査関係者もにわかに色めき立ち、署に呼んで事情を訊いたという。
関連項目
最終更新:2024年12月18日 22:37