Episode 1「眠っていた赤狐」Part2

ピッ
ソリッドが電話に出る。
「ソリッドさん、この前聞けなかった事なんですが。」
とネギ
「なんだ?一体。」とソリッド
「その『PEACH MOON』ってどんな組織なんですか?」
とネギがソリッドに質問をした。
「ああ、良くは分からないが、
メタルギアと関係しているのはたしかだ。」
とソリッドが質問に答えた。
「・・・そうですか。」とネギ
「聞きたい事はそれだけか?」とソリッド
「あ、いえ、その組織が動く日とか分かりませんか?」
とネギが再び質問をした。
「それなら昨日情報があった、今日の夜らしい。」
とソリッドが答えた。
「今日ですか?」とネギ
「ああ、本当かどうかは分からんがな。
とりあえず警戒だけはしといた方が良さそうだ。」
とソリッドがネギに警戒をするように言っておいた。
「分かりました。何時でも動ける
ようにしますね。ではまた。」
ネギはそう言うと電話を切った。

「ねぇ亜子、そろそろお風呂入らないかニャー?」
部屋でTVを見ている時に、
裕奈が亜子に突然そう言い出した。
「そやな、そろそろ入ろ。」
と亜子、二人は大浴場へと向かった。

ほぼ同時刻
「このか、そろそろお風呂入らない?」
TVを見ている時にアスナがこのかに
突然そう言い出した。
「そやな、そろそろ入ろ。」
とこのか
「ほら、ネギ、行くわよ。」
アスナはそう言うとネギの手を引っ張って
大浴場へと向かった、ネギはしばらく
抵抗をしていたが、あきらめてやめた。

同時刻
ここは学園の遥か上空
その遥か上空に大きな何かが飛んでいた。
それは輸送機のようだった。
輸送機はアブロ・ヨークと良く似ているが
アブロ・ヨークにしては大きすぎる。
よく見ると、その輸送機には
骸骨のエンブレムと共に『LEGION』と書いてあり。
同じような輸送機が4つほどあった。
その輸送機の内部にはパソコンのような物が
数台あり、そのパソコンをヘルメットと
マスクを付けた数人の人間がいじっていた。
ヘルメットにはマイクが付いていて。
前部には『LEGION』と書いてある。
どうやら兵士のようだった。
そこにはネカネも居た、数人の兵士の
後ろにある設置式の椅子に座っていた。
「麻帆良学園上部へ着きました。」
兵士の一人がネカネにそう言った。
「各機に指定されたポイントへ
行くように伝えておいた。」とネカネ
「わかりました、そう連絡しておきます。」
兵士はそう言うと耳に手を当てて
「各機、各機、麻帆良学園上部へ到着、
ただちに指定されたポイントへいそげ。
繰り返す、各機、各機、麻帆良学園上部へ
到着、ただちに指定されたポイントへいそげ。」
と言った。ネカネはその様子をただ見て。
「ネギ・・・。」そうつぶやいた。

「ん?何アルか?」
ここは大浴場へと続く廊下。
そこにはクーフェイ、
楓、龍宮が居いる。
大浴場へ向かう途中
クーフェイが突然窓を見て言った。
「どうしたでござるか?クーフェイ。」
楓がクーフェイにそう尋ねた。
「いやぁ、なんか大きい飛行機が飛んでるアルよ。」
クーフェイはそう言うと窓を指差す。
「ん?どれだ?」龍宮がクーフェイの
所まで来て、窓を見た。
「ほら、あそこアルよ。」とクーフェイ
「あれは・・・イギリスの輸送機アブロ・ヨークか?」
と龍宮が言った、その後「どうしてここに?」と付け足した。
「たしかにどうしてこんな所を飛んでいるでござるかねぇ。」
と楓が言う。
「偶然ここを飛んでいるようには見えないな・・・。」
と龍宮が言った、たしかにこんな日本の学園の
上空にイギリスの輸送機が飛んでいるはずがない。
「本当になんでアルかね。」トクーフェイ
「・・・嫌な予感がする。」龍宮がそうつぶやいた。
「あ、何してるの?」
上空のアブロ・ヨークに気付いていた
三人に話しかけたのはアスナだった。
よく見ると刹那も居る。
「ああ、アレを見てくれ。」
龍宮はそう言うと、窓の向こうの
アブロ・ヨークを指差した。
「ん?飛行機?」とアスナ
「イギリスの輸送機のようだ。」
と龍宮が言う。
「イギリスの・・・ですか?」
とネギがそのセリフに反応した。
「そういやネギ君はイギリス生まれやったな~。」
とこのかが少し笑いながら言った。
「どうしてイギリスの輸送機なんかがここに?」
と刹那が疑問の声を上げる。
「たぶん偶然ここを飛んでるのよ、それより
早く大浴場行きましょうよ。」とアスナ
「そやね、いこ。」とこのかも言う
とアスナ達は大浴場へ向かって歩いていった。
「・・・まぁ良い、行くか。」
と龍宮が言う。
「ん?アスナ達じゃん。」
と、大浴場へ向かおうとしていたアスナ達を後ろから
引き止めたのは裕奈だった、その後ろにはクラス全員居た。
「あ、ゆーな。」とアスナが返事をした。
「ところで見た?あのアブロ・ヨーク。」
と裕奈がアスナ達に聞く。
「ああ、それなら見たよ、何故かここを飛んでいた。」
と龍宮が変わりに裕奈の問いに答えた。
「そうなんだよ何故かここの上空を飛んでるんだよね~。」
と裕奈が言う、その声、表情からは喜びが感じられた。
「もうゆーなったらさっきからそればっか。」
とまき絵が言う。後ろのクラスの全員が笑った。
「ゆーなさん、こんな所で立ち話なんてしてたら
大浴場がしまっちゃいますわ、早く行きましょう。」
といいんちょが言う。そのいいんちょのセリフが
スイッチだったかのように、31人の生徒達は
全員で大浴場へ向かって歩き出した。
上空のアブロ・ヨークから白い何かが
落ちて来ているのに気付かずに。

「各機ポイントに付きました。」
ここは上空の一機の大型アブロ・ヨークの内部。
兵士がネカネにそう言うと、ネカネは立ち上がり。
「では、作戦通りスワローと兵士を投下しろと、
各機に伝えてください。私もここで降ります。」
と言うとネカネは椅子の横に置いてあった
パラシュートを背負い、P90を持った。
「お気を付けて。」とさっきの兵士が言う。
ネカネはその兵士に向かって一回うなずくと
椅子の後ろにあったドアを開けて奥へと消えていった。
ネカネがドアを開けると、そこには兵士がざっと
20人は居た。投下する兵士なのか、
全員パラシュートを装着している。
ネカネを見た兵士達は一斉にネカネに向かって敬礼をした。
「敬礼はいいわ、すぐ投下するわ、準備をしなさい。」
とネカネが言うと全員敬礼をやめた。
そして直ぐに投下口が開いた。下は麻帆良学園だ。
兵士達は一人づつ飛んで行った。そしてネカネだけに
なるとさっきまで兵士達が座っていた椅子が
上に上がっていく、椅子の後ろにあった壁が開いていくと。
そこにはREXそっくりなメタルギアがあった。
メタルギアにしては小さく。高さは1mと半分ぐらいで
幅は1mとちょっとぐらいだった。足にホイールが4つ付いてる。
「先に下りなさい、スワロー。」ネカネが命令を出した。
スワローと呼ばれたメタルギア達は次々と飛んでいく。
スワローが全部飛んだのを確認して、自分も飛んだ。

「あれは・・・アブロ・ヨーク?」
ここはソリッド達の部屋。
ソリッドが上空のアブロ・ヨークを見て言った。
「アブロ・ヨーク?たしかイギリスの
輸送機だよね?もしかして連中かな?」
とオタコンが言った時に、
アブロ・ヨークから何かが落ちてくるのが見えた。
「ん?あれは?」ソリッドはそう言うと
双眼鏡を取り出した。
見てみると、兵士のような人間達が
パラシュートで降下している。
そしてその人間達の上を見てみると。
「REX!?」
そこには同じようにパラシュート
で降下していたREXのようなメタルギアが
見えたソリッドはそう叫んだ。
「なんだって?」ソリッドの叫びに
オタコンが反応をする。
「ソリッド!早く彼女達の所へ!」
とオタコンが叫ぶ
「分かった!オタコン、
ハリーにも連絡して置いてくれ。」
ソリッドはそう言うとP90を持って
アスナとこのかの所へと向かった。
「・・・ん?そう言えば彼女達の居る
所ってたしか大浴場じゃ?いや、そんな事
気にしてる場合じゃないか。」ソリッド
が部屋から出た後オタコンがそうつぶやいた。

同時刻、ここは大浴場。
30種類もの風呂が設置されていて
豪華な不陰気をただよわせるこの場所に3-Aの生徒達が居た。
体を洗ったり風呂に浸かったりしている。
そんな光景を大浴場の外から見ている兵士達が居た。
「こちらαチーム、ターゲットを発見した。」
兵士達の一人が通信機に向かってそう言った。
彼らは大浴場の外にある木の上に居た。
10人居るが全員気配はまったく感じない。
「了解。作戦を実行せよ。」
通信機から声が聞こえて来た。
その声を聞くと、その兵士は通信機を仕舞い。
背中に背負っていたスプリングフィールドM14に持ち替えた。
中にはこの前のコルトM4を持っている兵士も居た。
この前の兵士だろうか。コルトを持っている男が顎で
大浴場を指す。隊長でもあるらしい。すると、
他の兵士達が小銃の銃口を大浴場の窓に向け、発砲した。
大浴場の窓が一斉に割れ、突然の銃声に驚いた
生徒達はパニックに陥った。生徒達が悲鳴を上げると
同時に割れた窓からグレネードが投げ込まれた。
数秒後、グレネードから煙が飛び出した。
その後も次々と同じグレネードが投げ込まれる。
大浴場はほんの数秒で煙に包まれた。
兵士達はそれを確認すると。
大浴場の割れた窓に飛び乗り。金具のような物を取り出す。
よく見るとワイヤーのような物が付いている。
その金具を壁に引っ掛けると割れた窓から大浴場に侵入した。
地面に足が付くとワイヤーから手を離し。煙に包まれている
3-A生徒の所へ向かう、特殊なゴーグルを装備しているのか。
煙の中に居る3-A生徒が見えるようだった。兵士達は
迷う事無くアスナ、このか、ハカセ、超に向かって
駆け出した。兵士達は目にも止まらぬ速さで
麻酔針を撃てるように改造したスプリングフィールドXDで
4人に麻酔針を撃ち込み、すばやく銃を仕舞い。
倒れそうになった4人を抱えこんだ。と、その時。
突然煙が晴れた。いや、煙が吹き飛んだと言った方が
いいかもしれない。兎に角煙が無くなり兵士達の
姿が丸見えになった。生徒達の真ん中に居た
ネギが兵士達を睨んで「僕の生徒を返してください!」
と叫んだ。「断る。」隊長の兵士がネギに返事を返す。
良く見ると龍宮、楓、刹那、クーフェイも兵士達を
睨んでいた。龍宮はデザートイーグルを構えている。
他の生徒達は何が起こったのかわからずに兵士達をただ
見ていた。「お嬢様!」兵士の一人に抱えられている
このかを見て刹那が叫んだ。それと同時に斬馬刀を抜く。
刹那が斬馬刀を抜く前に兵士の一人が刹那に
スプリングフィールドM14の銃口を向けた。が、
刹那はそんな事は気ぬせずに兵士達に突っ込む。
兵士は呆れた目をして銃を撃った。
弾は真っ直ぐ刹那に飛んで行ったが。
刹那は弾を全て弾いた。
銃を撃った兵士が驚いく。
刹那はこのかを抱えている兵士に真っ直ぐ向かった。
刹那が兵士に切りかかる。兵士は刹那の一撃を軽くかわし。
刹那に足を引っ掛けた。刹那は大胆に転んだ。
刹那は体勢を立て直したがその時には後頭部に小銃の銃口
を押し付けられていた。次にクーフェイが兵士達を
倒そうと兵士達に向かって行ったが。兵士の小銃の弾を
わき腹に食らい。こっちも大胆に転んだ後頭に小銃を
押し付けられた。楓は後ろから兵士の隊長を人質に
とろうとしたが軍事格闘技で投げられてしまった。
そして隊長の兵士がデザートイーグルを構えている
龍宮に向かって「どうした?それを撃つか?やめておけ。
拳銃じゃバトルライフルには適わない。」と言った。
龍宮が銃を降ろす。ネギは何とかしたかったが
撃たれて苦しんでいるクーフェイを見て恐くて
何も出来なかった。「ずらかるぞ。」と隊長の兵士が
言った時。発砲音と共に兵士が5人悲鳴を上げながら倒れた。
倒れたのは刹那、クーフェイ、楓に小銃の銃口を押し付けていた
兵士達だった、驚いた隊長の兵士が倒れた兵士の方を
向いたと同時に再び発砲音がし、4人を抱えていた兵士が
倒れこんだ。隊長の兵士が発砲音のした方を向くと
再び発砲音がし、隊長の兵士が持っていた突撃銃が
床に落ちた。生徒達は発砲音のする方を向くと。
そこには副担任のエドワード・ソリッドがP90を
構えていた。ソリッドはまだ少し弾が残っているP90の
マガジンを取り替える。よく見ると兵士達は目の辺り
から血を流していた。隊長の兵士は手から血が流れている。
「聞きたい事がある。」とソリッドが言った時。
大浴場の壁が爆発音と共に崩れた。
生徒達から再び悲鳴が上がる。そして崩れた壁から
スワローが入ってきた。足の4つのホイールを回転させて
走っている。「さっきのやつか!?」とソリッドが叫んだ。
スワローは背中の後部から出てきたロボットアームの付いた
触手のような物で龍宮が回収しようとしていたアスナ、このか、
ハカセ、超の四人を龍宮より早く回収し。隊長の兵士も回収した。
ソリッドはP90を撃ったがスワローの装甲には傷一つ付かなかった。
スワローは5人を回収するとすぐに入ってきた壁から
出て行った。「待て!」ソリッドがスワローを追う。
ネギも追おうとしたが自分が海パン一丁だと言う事に気が付き
着替えに行った。他の生徒達も着替えに向かった。
亜子と裕奈が撃たれたクーフェイを抱えて行った。

ここは図書館島の近く。そこには一機のスワローと一人の女性が居た。
「αチームがターゲットの捕獲に成功したようですネカネさん。」
突然スワローが喋った。その声は子供のようだった。
「そう、ここに連れて来るように言って。」
とネカネと呼ばれた女性が言った。手にはP90を持っており。左腰にはマガジンが3つついていた。
「分かりました。そう連絡しておきます。」
スワローがネカネにそう返事をした。そして仲間との連絡を始める。
「αチーム、予定通り図書館島へ向かえ。繰り返す。予定通り図書館島へ向かえ。」
スワローはそう言うとネカネに振り返り
「連絡しておきました。」
と言う。ネカネはP90を右腰に吊るとスワローにしゃがむように言って、スワローは言われたとおりにしゃがむ。
スワローがしゃがむとネカネはスワローの背中に座り込んだ。設置されている取っ手を握と
「αチームの所に向かって。」
といった。スワローは了解と言うと4つのホイールを回転させ走り出す。ネカネの金色の髪が激しく揺れた。

一方ソリッドがスワローを追おうとスワローの壊した壁から飛び出すとすぐ近くにバイクが止まった。
サイドカーが付いているタイプだ。
「乗って!スネーク!」
バイクの運転席から叫んだのはオタコンだった。ソリッドはスワローを追うためにいそいでバイクに乗った。
「オタコン、このバイクは?」
気になったソリッドがオタコンに聞いた。
「ああ、もしもの時のために用意しておいたんだ。さ、急ぐよスネーク。」
オタコンはそう言うとエンジンをかける。やかましいエンジン音が響きわる。
「僕も連れて行ってください!」
オタコンが走り出そうとした時、着替えを終えたネギがそう叫びながら走ってきた。手には杖を持っている。
「ネギ、君はここに残ってろ。危険だ。」
とソリッドが言う
「大丈夫です!危険な事ならなれてますから!僕も連れて行きます!」
ネギはあきらめずにソリッドに頼み込んだ。
「スネーク。僕は良いと思うよ。彼の魔術ならなのメタルギアを壊せるかもしれないしね。」
ネギの頼みを聞いていたオタコンがソリッドにそう説得した。
「・・・いいだろう乗れ。」
ソリッドはそう言ってオタコンの後ろの席を指さす。
が、ネギは乗らずに自分の持っていた杖にまたがった。
「流石だな。行くぞ!」
ソリッドがそう言うとオタコンはバイクを走らせた。ネギはその後に付いて行った。

「ちょっと!ネギ先生!私達もご一緒に・・・いっちゃった。」
誰よりも早く着替えを終えた刹那だったがネギの姿はもうなかった。
そしてネギの姿が見えなくなってから数秒たって他の生徒達がやってくる。
「何なの!?あのロボット!」
「アスナとこのかとハカセと超が連れて行かれちゃったよ!」
「クーフェイ撃たれちゃったし!」
「早く保健室に!いや、救急車!?」
と生徒達が再び騒ぎ出した。突然襲われクラスメイトをさらわれ撃たれたのだ、無理も無かった。
「刹那、ネギ先生の後を追うぞ。」
と龍宮が刹那に言った。

「でもどうやって?こんな人前で羽を出す訳にもいかない。」
と刹那が龍宮以外の誰にも聞こえないように言った。
「そこらへんの車を奪いたい所だが、道具が無いしな・・・。」
と龍宮がうなる。
「まさか・・・走れと?」
刹那が恐る恐る龍宮に聞いた。
「そうするしかないな、車を運転している奴が居たら奪おう。」
と言いながら龍宮がデザートイーグルを抜いた。
「・・・それしか無いな。」
と二人がそんな会話している時。ちょうど目の前に車が通り過ぎていった。真っ黒のスポー
ツカーで、乗っているのは20歳ほどの銀髪の男だった。
刹那は斬馬刀を抜いてスポーツカーに向かって駆け出し、車の前に飛び出した。
「うぉっ!?」
そう言いながら運転手がブレーキを踏み、止まる。
「良くやった刹那。」
そう言いながら龍宮はスポーツカーの窓を割り、デザートイーグルの銃口を運転手の頭に向けた。
「なっ何だ君達は!?」
運転手が叫ぶ。が龍宮はそんな事気にせずに「ドアを開けろ」と命令する。運転手はしぶしぶとドアを両方開けた。
「すみません、急いでいるので。」
そう言いながら刹那が助手席に座り込む。龍宮は砕けたガラスを足でスポーツカーから出し
てから入った。しかし銃口は運転手の頭に向けたままだった。
「私の言う通りに車を走らせろ、いいな?」
と龍宮が運転手に言った。
「ちょっと!何をやってるんですか二人とも!」
とあやかこといいんちょが大口径ハンドガンで見ず知らずの運転手を脅す二人に叫んだ。
「何って、乗せてってもらうだけだが?」
「それなら頼めば良いでしょう!その物騒な物を仕舞いなさい!そして私達も連れていきなさい!」
龍宮のセリフにキレたいいんちょが自分達も連れて行くように要求を出す。

「そうだよ!ウチらも連れてってや!」
「私達だって四人を助けに行きたいよ!」
「私達も一緒に行くです!」
「私達も連れて行ってください!」
と「私達も!」と生徒達が一斉に二人に頼み込んだ。クラスメイトを助けたいと言うのはみんな同じのようだ。
「・・・仕方が無い、乗れ。」
「これ俺の車なんだが・・・。」
一緒に来る事を許可した龍宮に運転手がすかさず突っ込みを入れた。

その頃、ネギ達はスワローを追っていた。スワロー達は時々撃って来るがそれをなんとかかわす。
「ちっ、やっかいだな。」
とソリッドが舌打ちをする。スワローの前に来たネギが呪文を唱え始めた。
「アモリスタ!」
と言う言葉と共にスワローの足元に無数の光の矢が降ってきた。スワロー達が急停止をする。
続けてネギは早口で呪文を唱え「アモリスタ!」と言いながらスワローの足に手かざすと、
今度は雷をまとった暴風が吹いた。暴風がスワローの足を破壊する。
スワロー達の上半身が地面に落ちてゴトッ!と言う音がした。
「ひどい・・・。」
とスワローが言うとソリッドがP90で4人を捕らえているワイヤーを撃ち切った。
「これで良しっと・・・。」
ソリッド達が一息付いた。と、近くから足音が聞こえてくる。
「!?」
3人は音を聞くを音の聞こえる所に目をやる。ソリッドは銃を構えた。3人の前に現れたの
は美しい金髪を持つ20歳ほどの女性だった。その姿を見たネギが目を見開いた。そして
「お・・・お姉ちゃん?」
と、それだけを言った。
「元気にしてた?ネギ。」
ネギの姉、ネカネはネギにそう言った。ネギは口をぱくぱく動かしたあと。
「どうして・・・ここに?」
ネギが言うとネカネは優しく微笑み
「あなたが心配だったのよネギ、ほら、来なさい。」
ネカネがそう言うとネギは少しづつネカネに近づいて行った、ソリッドは問題無いと思い銃を向けなかったが。
ネギが近くに来たときに、ネカネの袖からナイフが見えた。ネギがそれに気付かずにネカネの懐にまで来る。
ネカネがネギの見えない位置から袖のナイフを取り出した。それに気付いたソリッドが銃を向け引き金を引く。
弾は出なかった、ソリッドの表情が凍りつく、リロードは間に合わなかった。その時、ソリッドの後ろからズドン!
と言う大きな音がし、ネカネが手に持っていたナイフを弾き飛ばす。ソリッドが後ろを見るを、ぎゅうぎゅう詰めに
されたスポーツカーが見えた。
そのスポーツカーの右側の窓から真っ直ぐ腕が伸びていて、その手にはデザートイーグル
が握られていた。
「大丈夫か?ネギ先生!」
その腕の主の声が聞こえてきた。ネギはネカネの手から弾き飛ばされたナイフに気付くと、
バックステップをし、ネカネから距離を取った。
「お姉ちゃん!?」
ネギがそう言うと、スポーツカーのドアが開き、龍宮が出てきた、ネカネのナイフを弾き飛
ばしたデザートイーグルは手に持ったままだった。
龍宮が出てくると、他の生徒達のゾロゾロと出てくる。スペースが無かったのか、荷台から
出て来る者も居れば上にしがみ付いていた者も居た。
保健室に居るのか。クーフェイの姿は見当たらなかった。
「誰だ?名を名乗れ!」
スポーツカーの上から降りた刹那がネカネに向かって叫んだ。ネカネが舌打ちをする。
「刹那さん、あれは僕のお姉ちゃんです!」
ネカネの代わりにネギが刹那の質問に答えた、それを聞いた生徒達が驚いた顔をする。
「そうよ、ネギの姉のネカネよ。」
ネカネが名前を言った。その顔にはどこか余裕があった。
「なぜ先生の姉がここに居る!」
龍宮は銃を降ろさずに続けて質問をする。その質問にネカネは
「そこに寝ている神楽坂明日奈、近衛木乃香、超鈴音、葉加瀬 聡美を向かえに来たわ、それとネギも。」
と答えた。刹那が構える。
「お姉ちゃん!どういう事!?」
ネギがネカネに質問をした。
「今言った通りよ、ネギ、お姉ちゃんと一緒に行くわよ。」
ネカネがネギにそう言ってネギの手を握ろうと近寄る、が、ネカネの足元にP90の弾が着弾する。
見ればマガジンを変えたソリッドがP90の銃口をネカネを向けていた。
「動くな!」
ソリッドがネカネに叫ぶ。ネカネはそれ以上進まなかった。
「ねぇ、そこの4人とネギをこっちに寄越してくれないわよね?」
ネカネがソリッドと生徒達に聞いた。
「ある訳無いだろ!」
龍宮がその質問に答える。それを聞いたネカネは
「仕方が無いわね、それなら実力行使よ。」
ネカネが右腕を上げると、近くの建物の上からスワロー達が落ちてきた。スワロー達は着地すると生徒とソリッド達の右肩の銃機関砲の銃口を向ける。
生徒達の体がビクッ!と震える。龍宮と刹那と楓の頬から冷や汗が伝い落ちる。
「大丈夫、そこの4人とネギを大人しく渡してくれたら発砲はしないわ、どうする?」
ネカネが挑発的にそう言った。
「やめてお姉ちゃん!・・・どうしてこんな事を・・・ッ!」
ネギがネカネに言う、その顔は少し泣いていた。
「仕方が無いのよ、どうしても必要なの、私達がやろうとしている事には。」
「だからってこんな事・・・お姉ちゃん達がやろうとしている事って何なの!?」
ネギが大声でネカネに質問をした。ネカネは
「世界を変える事よ・・・。」
そう答えると生徒達の方に向き直り
「さぁ!そこの4人を渡すの?渡さないの?」
ネカネが再び質問をした。するとまき絵が
「絶対に渡さない!だって友達だもん!」
と叫び始めた、それが合図だったかのように次々と
「そうだ!絶対に渡すもんか!」
「そうだそうだ!ネギ君も4人も絶対に渡さない!」
と生徒達が叫ぶ、それを聞いたネカネが残念そうな顔を作り
「そう・・・残念ね、じゃあ死になさい。」
ネカネが手を上げるとスワロー達が構える。生徒達の体が震えた。
「撃ちなさい!」
「マギステル!」
ネカネが叫ぶと同時に呪文を唱えたネギが雷の暴風でスワロー達を一掃させる。魔術の存在
を知らない生徒達は一瞬何が起きたのか理解できなかった。
「一般人の前で魔術を使うだなんて・・・そんなに大事?」
ネカネがネギに聞いた、ネギはネカネを睨んでいた。
「お姉ちゃん、こんな事をしてまで・・・何を・・・。」
ネギが涙を流しながら言う、かなりあきらかに動揺している。
「あなたは怒ってるでしょうね、ごめんなさい、でも、命令だから。」
ネカネがそう言ってやさしく微笑む。ネギはまだ泣いていた。
「お姉ちゃん、僕の生徒は渡さない!!!」
ネギがそう叫んだとき、上空からヘリの音が聞こえて来た。
そこに居た全員が上空を見上げる。
「・・・来たわね。」
ネカネがそうつぶやいた、全員の見上げる空にはCH-47チヌークがあった。
「遅いわよ、ボス。」
ネカネが上空のチヌークに叫んだ。すると、チヌークのドアが開き、そこから紅い髪の男が顔を出した。
「言うほど遅かねぇだろ!あとボスって言い方やめてくれねぇか?」
「なっ・・・。」
紅い髪の男を見たネギが絶句した、他生徒達も絶句する。スポーツカーの持ち主が車から降りた。
「俺の事は・・・。」
「分かったわよ・・・ナギ、これからそう呼ぶわ。」
「それ何度目だ?」
ナギ、チヌークに乗っていたのはネギの父親のナギだった。
「父さん!?」
ネギがナギに向かって叫んだ。ナギがネギの方に振り向く。
「ネギか、久しぶりだな。」
ナギが気軽にネギにそう言った。そして続けて
「悪いがそこに寝てる4人と一緒に来てもらおうか。」
と言った。ネギはまさかと言った顔で
「もしかして・・・父さんも組織の一人なの?」
ネギが恐る恐る聞いた、答えはすぐに返ってきた。
「ん?そうだ、だがただの一人じゃねぇ、その組織、『LEGION』の最高司令官だ。」
「『LEGION』だと!?」
『LEGION』と言う言葉を聞いて驚くソリッドの横で。答えを聞いたネギは「そんな・・・」と言いながら膝を地面に付いた。
それを見ていた生徒の独りの夕映が前に出て
「どうしてこんな事をするんですか!ネギ先生のお父さんなのでしょ!?」
とナギに叫んだ。ナギは夕映を見て
「どうして?俺達のやる事に必要だからだよ。『ちょっと借りて行きます』なんて言って『ハイどうぞ』って言う訳無いだろ?じゃあこうするしか無いじゃねぇかよ。」
と答えた。それを聞いた他の生徒達も動き出す。
「そんな!だからってこんな事・・・クーフェイ撃たれたんだよ!?」
「そうだよ!クーフェイ銃で足を撃たれたんだよ!?」
「こんなロボットや兵隊さん達を使ってまでアスナ達が欲しいの!?」
「ああ、そうだ。」
生徒達の問いに、当たり前のようにナギは答える。そして続けて
「足を撃たれたと言っていたが、足のどこだ?」
と聞いた。
「足首の所や!血が出て・・・うっ。」
ナギの問いの亜子が答える。思い出したのかすこし足がグラついた。
「足首なら多分大丈夫だろ。太い血管も通ってないしな。」
ナギは大した事では無いかのように平然とそう言った。
「っ・・・なんですか!その言い方は!」
ナギの態度に怒ったのどかが叫んだ。しかしナギはそんな事知った事かと言った感じでヘリの
中を見て顎でネギ達を指した。すると、ヘリから3人の男達が飛び出して来た。
一人は高幡に似たメガネを掛けた男、二人目は長髪の美青年、三人目は巨大な剣を背負った男だった。
「なっ・・・」
その三人を見た刹那、のどか、ハルナ、夕映が絶句した、そこに居たのは京都で見た写真にナギと一緒に写っていた三人だった。

「悪いが、力尽くでも貰うぜ、ちなみにエヴァンジェリンや高幡なら来ねぇぜ、スワロー達の足止めさせてっからな。」
ナギはそう言った後に続けて
「やれ!」
と叫んだ、ナギのパートナーの三人とネカネがネギ達に向かって走り出した、ネギが反応する。
ブンッ!
大剣を持った男が生徒達に剣を振り落とす。ネギが横から雷の暴風を大剣を持った男に放った。だが長髪の美青年がそれを魔術で弾く。
「くそ!」
刹那が斬馬刀を引き抜き大剣を持った男に切りかかった、が、刹那の斬撃は大剣を持った男に簡単に受けられた。
「何!?」
刹那が驚きの声を上げた、その時、大剣を持った男が喋った。
「その程度か?そんな事では俺は殺せないぞ?」
「私の刀は人を殺すための物じゃない!!」
刹那はそう叫ぶと斬馬刀を大剣から離し、下から振り上げた、が、これも呆気なく受けられた。一方長髪の美青年はスネークと対立していた。
「なんなんだ!?こいつ!」
ソリッドは長髪の美青年が自分に向かって走ってきた時に撃ったが弾はまるで上から叩いたかのよ
うに地面に落ちた。その後黒い球体がソリッドを襲う、ソリッドはその球体を必死で避けていた。
「貴方、ここの学園の人間じゃないですね?」
「そうだが、それがどうした!」
長髪の美青年の問いにソリッドがそう叫ぶ。その一方メガネを掛けた男はネカネと共に4人に向かって走る、が、思わぬ邪魔が入った。
「やめろ!何物なんだお前ら!」
スポーツカーの持ち主が木の棒を持って二人の前に立ちはだかったのだ。その男は少し長髪で銀色の髪を持っていた。ソリッドのその男の声に反応して振り向く、そして
「雷電!?」
そう叫んだ、そこに立っていたのはソリッドと共にビックシェルで戦った男、雷電だった。

「スネーク!前!」
突然オタコンが叫んだ、ソリッドが前を向くと黒い球体が迫って来ていた。
「ちっ!」
ソリッドがギリギリで避ける。
「あなたは麻帆良学園に雇われたのですか?それでも自分から?どちらにしてもこちらの情報が漏れている事はたしかだ・・・。」
長髪の美青年がそうつぶやく、たしかに、ここは魔法学校少しあやしい奴がうろついてるぐら
いで傭兵を雇うはずも無い。そう考えるのが普通だった。
「その情報、どっから聞いた?」
長髪の美青年がソリッドに聞いた。
「そんな事を言うはずが無いだろ!」
ソリッドがそう叫ぶ、長髪の美青年は「そうか・・・。」とつぶやいた後ソリッドに向けて黒い球体を放った。
「雷電、どうして君がここに?」
オタコンが雷電に向かってそう叫ぶ。
「来月生まれる子供の通う学校を探していたんだ!」
雷電はそう叫んで答えた。
「・・・気が早いんだね、雷電。」
「そうか?」
二人はこの殺伐としている所でそんな会話を交わした。
「そんな会話をしている場合じゃ無いわよ。」
ネカネはそう言いながらスカートの裏に隠していたP90を取り出し、銃口を雷電へと向ける。
「なっ!」
相手が銃を隠し持っている事に気付かなかった雷電が声を上げる、木の棒では対応できるはずも無い。
と、その時、上からネカネとメガネをかけた男の目の前に魔力の塊のような物が降ってきた、煙が舞い上がる。
「!?」

ネカネとメガネの男が防御の体制を取る、煙から男の影が見えた、次第に煙が薄くなりその影が誰なのかが分かってきた
「・・・ひさしぶりだな、高畑。」
煙の中に居たのは高畑だった、メガネの男が高畑に声をかける。
「お久しぶりですね、ガトウさん。」
高畑がメガネの男をそう呼んだ、ガトウと呼ばれた男がメガネを指で少し上げて
「思ったより早く来たな。少しは成長したようだ。」
ガトウが高畑にそう言う、ネカネはガトウに
「何のんきに会話してるの!早く終わらせるわよ!」
そう叫ぶ、すると、高畑はニヤリを笑い
「悪いけどそうはさせない。」
と言う。「何を!」と言いながら高畑に銃を向けた。すると、ネカネとガトウに向かって氷の矢
が飛んできた。
ネカネとガトウはそれを避ける、ネカネが氷の矢が飛んできた方向に銃を向けた。
「何事かと思って来て見れば、随分と懐かしい奴らが来ているじゃないか。」
金色の髪なびかせながら舞い降りたのはエヴァだった、手にはスワローの装備だったと思われる
重機関銃の一部を持っていた。
「おう、久しぶりだな、エヴァ。」
ナギが緊張感の無い声でエヴァにそう声をかけた。エヴァは声の聞こえた方を見て驚いた。
「ナッ、ナギ!なんでお前がここに居るんだ!!」
エヴァがナギに向かってそう質問をした、さっきは目に入らなかったらしい。
「そこに眠ってる4人をもらいに来た。」
ナギがニヤリと笑いながらそう答える。エヴァは眉をピクッと動かして
「・・・その小娘4人を連れて帰ってどうするつもりだ?」
と聞いた、ナギはさっきエヴァに声をかけた時とは裏腹に、憎しみに満ちた顔をして
「・・・世界を変えるのさ、奴らを殺してな。」
と、そう答えた、エヴァはナギを睨んで
「奴らとはなんだ?」
と聞いた、ナギはさっきよりも憎しみに満ちた顔でこう答えた。
「愛国者だ。」

「愛国者だって!?」
ナギの答えを聞いてソリッドとオタコンがそう叫んだ。生徒達は何がなんだか分からないようで。
ただ4人の近くに立っていた、その時、4人が目を覚ました。アスナとこのかはナギを見て
「ネギのお父さん!?」
「ネギ君のお父さん!?」
と叫ぶ、ナギは二人に気付き
「おっ、起きたか、久しぶりだなアスナ。」
ナギはアスナに向かってそう言った、このかには言わない。
「二人とも!あの人はあんた達を誘拐しようとした奴だよ!」
二人の前に飛び出した裕奈が二人に向かってそう叫ぶ、二人は「え?」と言ってナギを見た。
「・・・ん?なんだ、お前も居たのかよ、『REDFOX』。」
ナギは裕奈に気付き、裕奈をそう呼んだ。
「『REDFOX』・・・?」
裕奈は訳がわからずそうつぶやいた。それを見たナギは驚いた顔をして
「なんだ、覚えてねぇのかよ?ひでぇなぁ、あそこまでやったってのに。」
と言った、裕奈は何がなんだか分からず目を細める。
「違う!彼女は『REDFOX』じゃない!」
ソリッドがナギに向かってそう叫んだ。
「あ?何言ってんだ、どう見ても奴じゃねぇか・・・まぁ良い。」
ナギはそう言って指をパチンッ鳴らした。すると建物の上、建物と建物の間から。大浴場に来
たのと同じ格好をした兵士達があらわれた。全員で10人ぐらいだろうか。
そして兵士達が裕奈に銃を構える。
「お前が忘れても俺は覚えている、お前は危険だからな、『REDFOX』?」
ナギがニヤリと笑いそう言った。そしてネカネが
「どうするのかしら?銃どころかナイフも無い状態で兵士達が倒せるかしら?自慢のCQCも役に立たないわよ。」
と言う。
「何よ!『REDFOX』って!意味が分からない!」
そう叫んだ、ナギが目を丸くしてソリッドを見た。

「・・・なるほど、たしかに『REDFOX』じゃあねぇな。」
そう言うとナギは手を上げた。兵士達の指に力が入る。
「裕奈!」
ソリッドはそう叫びながら裕奈にM9を投げた。裕奈は声に反応し振り向く、そして銃を掴んだ。ふと、ネカネの言葉が蘇る。
『自慢のCQCも役に立たないわよ。』
そして、夢で聞いた声が聞こえてきた。
『裕奈、CQCの基本を思い出すんだ。』
裕奈は銃を掴むと同時に兵士の胸を撃った。麻酔針が兵士の胸に突き刺さり、兵士は倒れこんだ。兵士が撃とうとしたが裕奈はすでに兵士の一人に接近していた。
裕奈は兵士の胸倉を掴み投げた、兵士が気絶する、そして兵士を抱き上げ盾にし、銃のスライドを口に引く。
兵士達は銃口を裕奈に向けた。裕奈は一人撃ってすぐにスライドを引く、そして盾にしていて兵士を他の兵士に向けて突き飛ばした。
盾にしていた兵士は構えていた兵士に覆いかぶさり倒れた所に麻酔針手首に食らった。
他の兵士が撃ったが裕奈はそれをかわしながら接近する、スライドを素早く引き、撃った、兵
士が一人倒れる。そして一人の兵士を捕まえると捕まえた兵士ごと銃口を他の兵士に向ける。
そして捕まえた兵士の手に自分の手を被せ引き金を引く、銃口から弾丸は発射され、残りの4人の兵士を殺した。
全員死んだ事を確認すると裕奈は捕まえた兵士を投げた。
投げられた兵士は地面に激突すると共に気を失う。生徒達はそれをポカーンとした顔で見つめていた。

「ハァ・・・ハァ・・・あれ?」
裕奈は兵士を投げたしばらくすると、自分のした事に驚いた。麻酔銃一丁で10人も居た兵士を片付けてしまったのだから。
「え?あれ?え?」
「ちっ、思い出したか。」
動揺を隠し切れない裕奈を見てナギがそうつぶやく。しかしナギはニヤリとぶつやき
「だがもう遅い。」
と言う、その時、ノミに羽が生えた虫がネギ達の前現れた。それも一匹ではない。
50・・・100・・・いや、それ以上だろうか、その虫達がネギ達の視界を阻むように飛んでくる。
「なんだ!?この虫は?」
ソリッドがそう叫ぶ。
「分からない、見た事無いよこんな虫。」
オタコンがそう言う、しかしネギは虫に苦戦しながら
「これは・・・妖精!?」
と叫んだ、「妖精!?」とソリッド達と生徒達が叫ぶ。
その時、どこからかギュイーンと言う機械音がした、ネギは音のした方を見ると、スワローが触手で4人を捕らえ、ヘリに向ってホイールを回転させて走っていた。
「ネギ!」「ネギ君!」
とアスナとこのかが叫ぶ。ネギはスワローを止めようとしたがスワローに追いつかないのは知れた事であった。
魔法を撃つとしても妖精が視界を阻んでいる中で撃ったら4人に当たるかもしれない。その迷いがネギを止めた。
スワローはヘリに近づくと高くジャンプをし、4人をヘリの開いているドアから叩き込んだ。
「いたっ!」
4人がそう叫ぶ、それを見たナギはスワローに
「もっと丁寧に扱え!」
と叫んだ、スワローは「ごめんなさーい。」と返事をする。
「しまった!」
ネギがそう叫んだ刹那、ネギの後ろからさっきの機械音が聞こえた。ネギが振り向くとそこにはスワローが妖精達の隙間から見えた、誰も乗せていないようだった。
「マギステル!」
ネギがそう叫ぶと同時に右手をスワローに突き出す、突き出した右手から電気をまとった暴風がスワローを襲った。
「ギヤッ。」
スワローはそう悲鳴を上げながらバラバラになった。
「ちっ!」
と叫ぶ、そしてネギを指指して何か言おうとしたが遠くから何か音が聞こえてきた。

それは何故こんな所にあるのかは分からないが戦闘機だった。ミサイルなどの武装をしている。
さらに使い魔達が現れた、ワイバーンも居る。
「ちっ、学園長のジジイか、いいぜ、全部潰してやる!」
ナギがそう叫ぶ、が。
「ダメよナギ!戦力が違いすぎる!負けるだけよ!」
とネカネがナギを説得する。ナギは仕方ないと言った感じで仲間全員に
「撤退だ!この4人を連れて脱出する!」
と叫んだ。すると3人の男とネカネはヘリへ向かって飛んだ。
「「「待て!」」」
エヴァとソリッドと雷電が叫ぶが遅かった。
「さらばだ!」
ナギはそう叫ぶとヘリのドアを閉めた。それと同時にヘリが上昇していった。
「待って!父さん!」
ネギはそう叫びながら杖に乗ってヘリへと向かった、が、ヘリのプロペラが出す風にせいでうまく前へ進めない。
「くっ・・・父・・・さん・・・。」
プロペラの出す風によってネギがバランスを崩す、それと同時にネギは地面に向かって吹き飛ばされた。
「うわぁ!!」
「ネギ!」
ソリッドは落下するネギに向かって駆け出し、ネギを受け止めた。ヘリは上昇しながらどこかへと飛んで行ってしまった。
「父さん・・・。」
ネギはそれを見ているしかなかった。ヘリが去った後、戦闘機がネギ達の頭上を横切った。

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最終更新:2007年06月14日 19:00
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