『空条承太郎
ネギ・スプリングフィールドに会う!』 その③
『ガチャン』
ドアノブが半回転し、軋みながら扉が開く。
いつものドタバタギャグに水をさした音の正体はこの男……いや、少年…『ネギ・スプリングフィールド』のものだった。
「はあ、はあ……す、すみません師匠……遅れました」
あれから必死にに走って来たのであろう。髪は乱れ、額には汗。ワイシャツは汗で背中に張り付いている。
彼が息を吸う度に大きく体が上下している。別にやましいことがあってハアハアしているわけではない。断じて無い。
「『遅れました』?………アホかーーーッ」
エヴァンジェリンの右ストレートがネギの左頬に炸裂!
まともに殴れば少なくとも腕の骨ぐらいは…………いや、10歳の少年ぐらいは白目を剥かせる破壊力はあるはず…
いや、ある。実際に「ぺぷぅ」と言う摩訶不思議な声を立てて一瞬向こうの世界へと旅立っていた。
「そんなことわかっておるわ!
わけを言え!わけを!」
「え、えっと……師匠の知り合いの人にここまでの道を尋ねられました」
「私の知り合い?……誰だ?何と名乗っていた?格好は?見た目の年齢は?」
「えーっと、名前は――――」
ネギはあの時あった男の事を思い返す…
格好はスーツに奇妙な帽子、身長190以上。年齢は……20代から30代。名前は――
「うん?」
「…聞き忘れました」
「アホかーーッ」
…本日ニ回目のストレートパンチ。今度はネギの右頬に左のストレートである。
またネギは白目を剥く。(白目を剥くのはマンガの演出だという声は聞こえません。聞きません。)
「名前も聞かないで知り合いだということがわかるかーーッ
それに何で知り合いだと思ったんだ!はけ!」
エヴァンジェリンはネギね襟首を掴んで前後に激しく振るう。この攻撃……使う相手を間違えなければ効果はばつぐんだ。
ゆさゆさと頭を振るわれたネギはたどたどしくともその理由を言うが……理由はとてもエヴァンジェリンを納得させるようなものではなかった。
「『なんとなく』……だと?」
言わずもがなで本日三回目のストレートを浴びる。あたりまえだ。
「それで……『ここ』は教えたのか?……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「はい! そのh『アホかーーッ!!』 ぷひゃぁ」
「貴様 そのことが…何を意味するのかわかっているのか? え?」
「あううぅぅぅ」
「答えんか!」
答えないとドンドン踏むのが強くなるわよぉ~~と、倒れたネギを上から踏み付けている。
そんな尋問のようすを端に見ながら明日菜達は『その男』のことについていろいろと話あっていた。
『どんな顔か』あるいは『どんな格好』、または『何が目的か』……そして、『前の男のように「悪魔」でないのか』……
結局、ネギに訊かねばわからぬようなのでエヴァンジェリンの尋問が終わるのを待つ事にした。
最終更新:2006年09月15日 02:05