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アルチュリアの市場
(原題:Der Markt von Alturien)
発売年 |
2010年 |
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プレイ人数 |
2~6人 |
プレイ時間 |
60分 |
対象年齢 |
10歳以上 |
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デザイナー |
W.Kramer |
備考 |
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ゲーム概要
あなたは商人です。「アルチュリアの市場」に自分の店を出し、お客さんを店に招いて御代を頂戴しようとしています。
客足の多い立地を確保し、またその辺一帯の区画を牛耳るリーダーともなれば、売上アップ間違いなし。
買い物客の雑踏に紛れて不穏な輩も跋扈しているようですが、上手くお金を稼いであなたの店の威信を見せつけてください。
- 『シティ/City』(1988年)というゲームのリメイク版。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- マス目で区切られたすごろく状のマップを使用。縦7マス・横9マスの外周の内側には、縦方向に1本、横方向に2本の道が伸びている。
マス目には白と黒(濃いグレー。4隅の4マスと三叉分岐点のマス)の2種類があり、後者の区画は地価が高い。
- 各プレイヤーには、1色12個の店舗コマが配られる。このコマは積み重ねられる。
- お客さんコマとして、金の「公爵」×1・銀の「伯爵」×2・銅の「男爵」×3があり、もう1つ特殊コマとして、黒い「サギ師」がいる。
- この他は、6色あるエリアのカラーグループ別のマーケットリーダーカード6枚、番兵カード1枚、威信カード、お金等々。
プレイ上のポイント
- お客さんコマと店舗の初期配置を行なう。
- まず、各プレイヤーが順に1つずつ、計4店舗を任意の区画に立てる。内1つは黒の区画に立てて良いが、最低3つは白の区画に立てる。
- 次に、お客さんコマ6個を金→銀→銅の順で、同様に1つずつ配置する。必ず白い区画に配置し、進行方向も決定すること。
- 初期資金は6金。
ぱっと見ではわかりにくいが、コマの向きで進行方向が決まる
- プレイヤーの手番の流れは以下の通り。
- 1. サイコロを振ってお客さんコマを1つ動かす
- 「サイコロの出目」と「コマの向き」に従ってコマを動かす。「1/3」の目は、1~3から目を選べる。1マスに止まれるコマは1つのみ。
分岐点では、好きな方向へ進めて良い。分岐点ぴったりで止まった場合、サイコロを振ったプレイヤーはその後の
進行方向を確定させる
こと。
- 2. 収入
- 動かしたお客さんコマが店舗のある区画に止まった場合、
その店舗の持ち主に収入が発生
。
その後、手番プレイヤーの店舗が立っている黒の区画にお客さんコマが止まっていた場合、
それら全てに対しても収入が発生
する。
- 3. 投資
- 手元のお金を使い、店舗操作(新規出店・増資・移転)、または威信カード購入を1回行なっても良い。
- このゲームの市場区画は、カラーグループが分かれている。その色に2店舗以上出店している最多店舗所有者はマーケットリーダーカードを受け取り、収入にボーナスが加算される。
- 他のプレイヤーが店舗数(増資分はノーカン)を上回ったら、リーダーはそのプレイヤーに移る。
- 投資にかかるコストは以下の通り。増資の際は、既存の店舗コマに追加のコマを重ねる。
投資内容 |
白 |
黒 |
出店 |
3金 |
5金 |
増資 |
2金 |
3金 |
既存の店舗を移動※ |
2金 |
威信カード購入 |
12金 |
※店舗の移動は、移動元と移動先の区画の色が同じでなければならない。
- 収入計算は以下の通り。
- 基礎点として、金3・銀2・銅1。
- 計算式は【基礎点×増資レベル】。プレイヤーが収入の発生源のリーダーだった場合は、+2金。
- サギ師コマと番兵について。
- 誰かが威信または現金で10金分以上の資産を獲得すると、盤中央の指定位置にサギ師コマが登場。その時点で最も資産の低いプレイヤーが進行方向を定め、以降はサイコロの出目に応じてプレイヤーが動かせるコマの1つとしてゲームに参加する。
- 店舗の区画にサギ師が止まった場合、お客さんコマと同様のルールで、「-2」を基礎点とする損害が発生する。被害額は、
サギ師コマを動かしたプレイヤーに渡す
。とんだ雇われスパイである。
黒の区画の効果で生じた被害の分は、銀行に戻す。
- サギ被害が発生した場合、被害者は番兵カードを受け取る。これを持っていると、サギ被害を受けない。
このカードは、他の場所でサギ被害が新たに発生すると、同様に持ち主が移っていく。
ただし、参加者の中で最も資産の多いプレイヤーは番兵カードを受け取れず、最も総資産の少ないプレイヤーに移る。
- サギ師コマを動かした場合、あと1回だけサイコロを振ってコマを動かしても良い。サギ師を2回動かし、総資産一位のプレイヤーに同一ターンで2回のサギ被害を食らわせる事もできる。
- サギ師被害で現金がマイナスになった場合は、被害店舗または手元の威信を売り払う。店舗を売る場合は、増資分も全て一気に処分する。売却金額は、元の資産価値-1金。
- 資産がマイナスになっても、店舗数だけは最低数「4」が堅持される。それ以上のマイナスを被った場合は、支払いが免除される。
拡張ルール
- 同梱の拡張ルールについて。
- 投資先に12枚の拡張投資カードが追加。これらを所有していた場合も資産として計上され、また現金マイナス時の売却が可能(売却金額は、購入時の価値と同等)となる。
投資内容 |
金額 |
効果 |
船 |
7金 |
収入計算時、金銀銅の顧客の価値を1上昇※ |
オフィス |
7金 |
収入計算時、店舗レベルを1上昇※ |
ワゴン |
5金 |
通常ダイスを振った後、任意で拡張ダイスを振って出目を加えても良い |
スタッフ |
5金 |
通常ダイスと拡張ダイスを両方振り、好きな目を選択できる |
※これらの効果は、サギ師被害には影響なし
終了条件・得点計算
- いずれかのプレイヤーが威信カードを規定枚数(2~4人プレイでは4枚、5~6人プレイでは2枚)集めたら終了トリガーが引かれ、その後全員1手番ずつ行なう。
威信カードの枚数が最も多いプレイヤー、次いでお金の多いプレイヤーの勝利。
ゲームの流れ
- 初期配置
- 各プレイヤーの手番
- サイコロを振る
- 収入計算
- 投資
- ゲーム終了条件を満たすまで2を繰り返す
- 誰かが10金相当の資産を築いた時点で詐欺師登場
サイコロと土地転がしの繰り返し。
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲーム性
- 資産運用型すごろくで、『モノポリー』あたりと少しルールが近い。プレイヤー自身ではなく客の方を動かすという違いはあるものの、サギ師コマによってプレイヤー間での収支が発生する。
ただし、投資行動は1手番に1回で、『モノポリー』ほどに大胆かつ攻撃的な動きはない。結構ざっくばらんとしたプレイ感をしている。
- サギ師
- 1位を追い落とす手段として、多人数プレイでは猛威を振るう。らしい。急所へ置くには結局運がいる。
少人数では番兵の守備範囲が相対的に広くなるため、あまり活発には働かない様子。
- プレイ難度
- 「10歳以上対象」は恐らく言い過ぎで、元のゲームの「8歳以上対象」据え置きで十分と思われるくらいには簡単。資産運用のコツはさておき、基本的にはサイコロを振ってコマを動かすゲームと思えばOKだろう。
欠点
- 2人では、ほぼ遊べない。
サギ師・番兵ルールが効果的に機能せず、収入のバランスもおかしくなり、サイコロ運を除いたゲーム要素の大半が瓦解する。 拡張ルールを導入すると幾らかマシになるようだが、ルールが複雑になってお手軽さに影響が及ぶ分は良し悪し。
- 相手の足を引っ張れるタイプのゲームなので、中盤から追い込みにかけての展開がグダりやすい「中弛み」の問題がついて回る。
- 質素な紙幣デザイン。やる気が一切感じられず、箱絵の賑わいとは到底吊り合わない。
お勧めタイプ
お金稼ぎが目的のすごろくゲームの中では、ルールと手番処理が覚えやすく、とても遊びやすい。しかし、(プレイ時間を基準に)中量級の同系作品と比較した場合、単純に「やれる事が少ない」と受け取る事もできてしまう。元が古いゲームなこともあってか、このあたりが弱点。
プレイ人数を増やすと客の流れが澱みにくくなり、サイコロのもたらす揺らぎによって場が程よく回り出すという。その人数集めこそが日本ではやや難しいわけだが、プレイ感の軽さと、何より「適正人数多め、簡単、6人まで遊べる」という案外弾数の少ない特徴をどれだけ活かせるかが決め手になるだろうか。
【お勧め度(仮):★★★★★☆----】
※他人数プレイの経験が必要
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FAQ
- Q:これクソゲー?
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A:
クソゲーではないと思います。ただし、素の2人プレイはバランスがガタ崩れする上に決着も地味で、所要時間に見合わぬ運ゲーの部類に甘んじてしまうようです。
人数を増やして場の密度を濃くすれば、盤面の流動性が格段に上がるでしょう。今でこそ他の優良タイトルに遅れをとってしまいがちですが、大人数で遊べる簡易版資産運用ゲームと見れば、そう悪い事ばかりではありません。
- Q:番兵には、資産トップである私の店をこそ守ってほしいのですが。
-
A:
誰からの依頼でも忠実に動くサギ師と、弱者を立派に守るが金持ちだけ見逃す番兵。有力な資産家も、結果的に落ちぶれて多数派になると今度はしっかりと守ってくれます。となると、番兵組合とサギ師はグルの可能性が高いと言えます。
取った金を全て雇い主に流すサギ師が一体どこから利益を得ているのか、その不可解な動向の謎に対する回答にもなるでしょう。
- Q:サイコロで「どのコマも動かせない目」が出てしまいました。
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A:
お客さんコマが全て「隣同士のマスで向かい合う形」などは、一応あり得ますね。こうしたやむを得ない場合に限り、コマを一切動かさずに次のプレイヤーへ手番を移します。
上客を他店舗に回すかサギ師を自分の店舗に誘致する以外手が無いなど不本意なシーンもあり得ますが、移動可能であるなら手番のパスは原則認められないので、そこはルールに従ってください。
最終更新:2013年02月19日 13:13