ヘクターとアキレス(Hector and Achilles)

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ヘクターとアキレス

(原題:Hector and Achilles)
発売年 2003年 imageプラグインエラー : 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。
プレイ人数 2人
プレイ時間 30分
対象年齢
デザイナー L.Colovini
M.Maggi
F.Nepitello

ゲーム概要

ギリシャ神話のトロイア戦争における、トロイ軍とアケイア軍の戦いをモチーフとした2人対戦カードゲームです。
兵士カードのデッキで砦と本陣を作ります。そして戦いでは兵士と英雄が力を合わせ、各軍5枚ずつのカードが互いにぶつかり合います。
戦闘ごとに敗北した軍の兵士カードは減り、最終的に敵本陣を完全破壊したプレイヤーの勝利。

ルール(概略)

コンポーネントの特徴
  • プレイヤーボードにはデッキを置く場所が描かれている。
    プレイヤーから見て奥側の横一列は「砦(1)」「砦(2)」「砦(3)」、手前側は「本陣(4)」。カッコ内の数字については追々解説する。
  • 各プレイヤーが戦闘で使用するカードは、「兵士カード」48枚と「英雄カード」6枚の2種類。
    • 兵士カードはそれぞれ1~4の戦力値が割り振られ、4つに色分けされている。
    • 英雄カードも同様に、3~6の戦力値と4色の内いずれか1色を持つ。
  • 運命タイルは、兵士カードの背景色と同じ各色が、四角形の四辺に1色ずつ割り当てられている。
  • この他、少し特殊な効果をもたらす「神のご加護」「屈辱」を示す各マーカーがある。

セットアップ
  1. デッキを作る
    1. 兵士カードをシャッフルして4つのデッキを作り、自分のプレイヤーボードの所定位置4箇所に無作為で置く
    2. 英雄カードをシャッフルし、別のデッキとして自分のプレイヤーボードの手前右手側に置く
  2. 神のご加護マーカーを3個受け取る
  3. 運命タイルを適当に混ぜて山を作る
  4. 屈辱マーカーは盤の外で待機
  5. 適当にスタートプレイヤーを決める

プレイ上のポイント
  • とにもかくにも、最初は本陣への突破口を作るべく、横一線に並んだ砦を崩していかなければならない。
  • スタートプレイヤーは攻撃側、対戦相手は防御側となる。
    • 1. 使用デッキの決定
      • 攻撃側プレイヤーが、いずれかの砦の山(砦にカードが無い場合は本陣)からカードを1枚めくって先兵として場に出す。
        ここで現れた兵士の能力値(1~4)を参照し、各プレイヤーは数字に対応するデッキ*1を使用。それぞれ、デッキからカードを4枚と英雄カードを1枚引く。
    • 2. 運命タイル設置
      • 攻撃側プレイヤーは運命タイルをめくり、場の中央に 向きを設定 して置く。
    • 3. 追加アクション(詳細は後述)
      • 手番は防御側プレイヤーから開始する。
    • 4. カードをプレイ
      • 防御側プレイヤーが、手札から1枚出す。この時、場に出た兵士カードの数字の総和が相手を上回ったプレイヤーは、運命タイルを好きな向きに設定して良い。
        以降、攻撃→防御と繰り返し、その都度運命タイルを設定し直ていく。
    • 5. 戦闘
      • 最終的に4枚のカードが場に出る(攻撃側は1枚余る)。自軍の基礎戦闘力は、 自分の方を指している運命タイルの色 と同じ背景色の兵士カードの数字を足したもの。
        英雄カードをプレイした場合は、その英雄と同じ色の兵士も加算する。
    • 6. 戦闘後処理(詳細は後述)
  • 勝敗が決定。勝ったプレイヤーが次の攻撃側を担当し、これを繰り返す。
  • 戦闘後処理
    • 勝利したプレイヤーは、プレイしたカードと手札をそれぞれのデッキに戻す。
    • 敗北したプレイヤーは、プレイしたカードを全て捨てる(ゲームから除外)。
      • 退却した場合は、屈辱マーカーを1個受け取る。そして使用した英雄カードを捨てる。
        その後、プレイしたカードと手札から、手持ちの屈辱マーカーの数だけ兵士カードを選んで捨て、残りを元のデッキに戻す(「手札-屈辱マーカー数」の差分の兵士のみ生き残れる)。
    • 引き分けの場合は、両プレイヤーともプレイしたカードと手札をそれぞれのデッキに戻す。
    • 使用した恩恵マーカーは、いずれの場合でも捨てられる。

  • 追加アクション
    • 手札を1枚捨て、デッキから1枚引く。デッキが空の場合は本陣から引く。
    • 英雄カードを伏せて英雄カードデッキの一番下に戻し、その山の上から1枚引く。
    • 手札の英雄カードを、場に配置された兵士カードの上にプレイする。戦力は上書きされる。
    • (英雄カードが場に出ている場合のみ)場に出た兵士カードの上に神の恩恵マーカーを置く。この場合、その兵士カードの戦力+1。
    • 退却。手番3回までは、場に出したカード類を全て廃棄し、屈辱マーカーを1個受け取る事で、それ以上の勝負を放棄できる。
      その戦闘は相手プレイヤーの勝利として扱われる。

  • その他のポイント
    • 戦闘に敗北して捨て札となる兵士と英雄は、代わりに恩恵マーカーを捨てても良い。
    • 枚数が4以下になったデッキは、本陣デッキと混ぜる。

終了条件・得点計算
  • 戦闘を繰り返し、以下の条件を達成したプレイヤーは勝利する。
    • 相手の前衛3デッキを全滅させる。
    • 相手の本陣を全滅させる。
    • 相手の本陣からカードを引く戦闘で、4枚引ききれない状態にする。

ゲームの流れ
  1. 先攻プレイヤー決定
  2. 戦闘
    1. 戦闘でカードを減らしたデッキは本陣と統合され、空いたスペースから本陣へ攻撃の手が届くようになる
    2. 2を繰り返す。本陣を全滅させたプレイヤーの勝利

まず戦闘。勝負がつく。マーカーが動くか兵士カードが減るかして展開が進む。陣営が瓦解するまで以下繰り返し。
カードの動きに軽い変化はついているが、基本は戦闘、戦闘、また戦闘である。

コメント

+ プレイ感と感想について
ゲーム性
考える点は、「戦闘の勝利」と「デッキの質的向上」の2つ。戦闘は英雄カードを使ったトリックがポイントであり、また敗北しても、被害を受けるのが弱いカードであれば以降の戦闘を御しやすくなる。
運命タイルは防御側の方が比較的コントロールしやすく(攻撃側には先兵がいて、1枚目のカードを選べないため)、勝ち方にも負け方にもコツがあるタイプのゲーム。
ただし、優勢な方が砦を1つ壊されそこからの集中砲火でいきなり敗北してしまう事は十分ありうる。詰めの部分は結構ファジー。
プレイ難度
デッキ選びやカード回しなど、個々の動きを把握するのには多少慣れがいるが、一回戦闘をこなせば慣れるレベル。恐らく簡単な方。
テーマ・コンポーネント
トロイア戦闘という題材とゲーム内容は、概ね合っている。兵士カードのデザインも、センスが良いまでではないものの、取り立てて問題はない。
ただし英雄カード、てめーはダメだ。設定上の名前も能力も異なる英雄がみな同じ絵柄の使いまわし。悲しい。

欠点

  • 繰り返しになるが、カードイラストに魅力がない。
    兵士カードの方も、ダメでこそないが良いとも言えない。

お勧めタイプ

複数回の戦闘をこなすスタイルのカードバトルゲーム。英雄カードを使ったコンバットトリックが勝負のポイントとなる一方、有利なターンと不利なターンが交互にくるバランスで最終的な決着もテキトーにぼかされている分、一方的な試合模様にならず双方が安定して楽しめる。
そこそこのプレイ時間、そこそこの面白さ、そこそこのリプレイ性。多くの要素がそこそこ止まりとはいえ、その安定感は立派に個性と言える。かもしれない。

【お勧め度:★★★★★★----】


最終更新:2013年06月28日 13:12

*1 砦は左から1~3、本陣が4