電力会社(新版)
(原題:Funkenschlag、英題:POWER GRID)
発売年 |
2004年 |
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プレイ人数 |
2~6人 |
プレイ時間 |
120分 |
対象年齢 |
12歳以上 |
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デザイナー |
フリーゼ, フリードマン |
ゲーム概要
発電所を買い、電力網をつなぎ、資源を確保して、電力会社を運営しましょう。
地域に電力を供給すると、通電範囲に応じた収入があります。
資源は有限です。需要が高まると値段が高騰し、最悪一時的な枯渇もありうるのでご注意を。風力などのエコ発電も時には有効です。
最も電力供給量の多い電力会社の勝利。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- 横長のメインボードはリバーシブル仕様。1つの円が10/15/20の3マスに分割された「都市」と、数字が振られている各都市を繋ぐ「電力網」とで構成されたマップが、2つ用意されている。
その他のスペースの意味は以下の通り。- 各プレイヤーの手番順表示
- 各プレイヤーの都市接続表
- 資源置き場
- 発電所カードは50種。それぞれ、1回の発電で必要とする資源(何も書いてないものはコストなし)と発電量が書いてある。
資源は「石炭・石油・ゴミ・プルトニウム」の4種。- 数字は、その発電所の最低価格。
- この中に、ゲーム最終盤の開始を告げる「第3ステージカード」が1枚含まれている。
- これ以外には、お金(単位:エレクトロ)や各種コマ、手元サマリ(発電量と収入の対応表)などがある。
セットアップ
- プレイする面を上にしてメインボードを広げ、使用するエリアを決める
- 互いに隣接するエリアを、既定数(2~3人プレイで「3」、4人プレイで「4」、5-6人プレイで「5」)だけ任意で選ぶ。
使用しないエリアには電力網を敷けない。
- 各プレイヤーは色を決めて都市コマ全部と手元サマリ、50金を受け取る
- 自分の色の都市コマを1個、メインボード右上の都市接続表の「1のマス」の左側に置く
- 適当に各プレイヤーの手番順を決め、メインボード左上の手番順表示の対応するマスに自分の色の都市コマを1個置く
- 資源置場に資源コマを置く
- 石炭24個(1~8のマスに3個ずつ)、石油18個(3~8のマスに3個ずつ)、燃えるゴミ6個(7~8のマスに3個ずつ)、ウラン2個(14と16のマスに1個ずつ)
- 発電所カードの山を作る
- 03~10の発電所を抜き出し、番号の低い順で「左上→右上→左下→右下」となるよう、メインボードの横に4枚ずつ2列で並べる
- 更に第3ステージカードと13の発電所の2枚を抜き出し、残りの発電所カードを全てシャッフルして山札を作る
- 13の発電所を山札の一番上に伏せて置き、また山札の底に表向きにした第3ステージカードを入れる
- 残った資源コマやお金は盤の外で待機
プレイ上のポイント
- ゲームの流れは以下の通り。ターン開始時の処理が多少複雑なので、抜けのないように。詳細は後述する。
- 1. プレイ順決定フェイズ:資源の補給・競売物件(発電所)の更新・手番順の最適化
- 2. オークションフェイズ:発電所の買い付け
- 3. 資源購入フェイズ:資源の買い付け
- 4. 建設フェイズ:発電網敷設
- 5. 収入フェイズ:電力供給~収入
- [1]
- 発電所カードの補充は山札の上から順に行う。
発電所は割り振られた数字の低い順に並べられ、その内の上段(下位4枚)のみが売り対象となる。下段(上位4枚)の物件は、見えるだけでまだ購入できない。
- 資源回復量は、ゲームの進行具合に応じて変動する。
- 手番順は、都市コマの数の多い順。先のターンで順番が変わった場合は、ボード上の表示を最適化する。
タイの場合は、所有している発電所の数字が最も大きいプレイヤーの手番が上位になる。
- [2]
- 手番プレイヤーから順に、任意の発電所1つに値を付けてオークションにかけるか、パスを選択する。
- オークションは時計回りで入札順が回る。カードの数字を最低価格に、より高値を付けるか降りるかを選択、最高値を付けた人が購入する。
- 減った分の発電所カードは山札から補充し、書かれた数字の低い順に並べ替える(市場には常に8枚の発電所が並ぶ)。
- 発電所の購入は1ターンに1枚まで。オークションの手番が回ってきても、既に購入していた人の番は飛ばす。
発電所を買えなかった人は、一巡した後にまた順番が回ってくる。最後に残った人は、余り物を掴まされる代わりに最安値で購入可能。
- [3]
- 資源の買い付けは、
手番プレイヤーの逆順
。お金の許す限り、いくらでも買って良い。
- 買った資源は、発電所カードの上で貯蔵する。
発電コスト2回分
まで貯蔵可能。
- [4]
- 手番プレイヤーから順に、メインボードの都市にコマを置き、発電網を広げていく。
既に自分の色のコマがある都市から線を辿り、新しくコマを置く都市を決めて、必要なお金を支払う。
- 敷設に必要なコストは、「都市に書かれた数字+既存コマと結ぶライン上の数字」分のお金。
- その都市に最初に発電網コマを置く人は10金、二番手は15金、三番手は20金かかる。ラインの数字は変動なし。
- [5]
- メインボード上の発電網コマの数を最大値に、任意の数だけ電力供給(稼動させる自分の発電所を選択し、必要なコストを支払う)を行う。
- 別に、発電網の全てに律儀に電力供給する義務はない。
- 「コマを置き、発電可能であり、資源が足りている」という条件を満たしたら、その数に応じた収入が発生。詳細はサマリカード参照。
- 過剰に発電した分は無意味。
- その他のポイント
- プレイヤーの内誰かが一定の都市コマを配置したらステージ2、第3ステージカードが開示されたらステージ3に移行し、資源回復量の変動を始めに多少のルール変動が起こる。
終了条件・得点計算
- 発電網の数が17を超えたら、ゲーム終了トリガーがひかれる。そのターンの発電網敷設まで行い、ゲーム終了。(ここ曖昧)
- 最後の電力供給を行う。ここで最も電力供給量の多かった電力会社の勝利。
しつこいようだが、「コマを置き、発電可能であり、資源が足りている」事が要件。
ゲームの流れ
- セットアップ
- 各プレイヤーの発電網初期配置
- 競り物件陳列
- ターン開始処理
- 資源の補給
- 競売物件の更新
- 手番順の最適化
- 発電所のオークション(手番順)
- 資源の買い付け(手番逆順)
- 発電網敷設(手番順)
- 電力供給~収入
- ターン終了、2へ戻る
何はなくとも発電所。次に資源を準備し、発電網に応じて電力供給、そうして得た収入で次のターンをまかなう。
資源の買い付けでは手番が逆順になる点に注意。発電所の競りで浪費すると痛い目を見る。
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲーム性
- 拡大再生産にいろいろ盛ったヘビーゲーム。
第二勝利条件である「お金」は端数に至るまで終始シビアであり、競りやネットワーク構築競争(早いほど安く敷ける)要素の重要性は高い。 また、最終局面での電力供給量で決めるという変わった勝利条件がなかなかのクセモノで、終了タイミングの計り間違えは致命傷にもなりえる。
- プレイ難度
- よって、難しい部類に入る。
カードやコマの動き・競りといった個々の要素は特に複雑でもないのだが、扱うお金の高が大きく、ボードに描かれた数字に端数が多いため、計算が面倒。トップ同士が残金で勝敗を分ける事もままあるゲームでは、やはりそこそこ険しい壁である。
- バランス
- 多人数になればなるほど、ロコツに資源が足りなくなるらしい。
電気の通わなくなる地域には申し訳無いが、冷血に収支のソロバンを弾いて電力供給する事になるだろう。少人数戦ではいまいち輝かなかったエコ発電所も、資源いらずの強みを発揮しだす。
欠点
- プレイ難度の高さ。
競売のディスプレイ、昇順になったり逆順になったりする手番順、端数まで細かい2桁の計算、等々……遊んで見れば適切なバランス調整と分かるが、直感的とは言えないし時間もかかる。
お勧めタイプ
縄張りを広げる、有限の資源を奪い合う、需要に応えてお金を貰う。競争要素たっぷりの拡大再生産ものが好物というゲーマーは多いので、多少プレイが面倒なくらいで本作の魅力はさほど曇らないだろう。
強いて言うなら、本作を一緒に遊べるヘビーゲーム大歓迎の友人を多く持つ人にお勧め。資源が不足気味になるよう整えられたゲームバランスの醍醐味をどっぷり味わえるかと思う。「幅広くお勧め」とはやはり言いがたいけれど、プレイする価値は高い作品。
【お勧め度:★★★★★★★☆--】
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その他
- 既存のプレイアルゴリズムを数種類ランダムで組み合わせてNPCを作り、ゲームに参加させる拡張が出ている。
最終更新:2013年09月11日 23:08