キャット&チョコレート/ビジネス編
(英題:Cat & Chocolate/Business is Business)
発売年 |
2012年 |
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プレイ人数 |
3~6人 |
プレイ時間 |
20分 |
対象年齢 |
8歳以上 |
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デザイナー |
秋口ぎぐる(グループSNE)/川上亮 |
備考 |
同人ゲーム(後に一般発売) |
ゲーム概要
あなたは突然、大変な危機に見舞われます。
あなたの手には常に3枚の切り札があるので、言葉巧みに使いこなしてアクシデントを切り抜けてください。
そこかしこに危険の潜む世の中ですが、要領さえ良ければなんとかなるものです。
- ここでは、『キャット&チョコレート』のバリエーションの1つ「ビジネス編」を基に記述する。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- プレイヤーを2つの派閥に分ける「派閥カード」がある。
- 各プレイヤーは互いに派閥メンバーを知らない状態でプレイし、終了時点で公開して得点計算を行うという仕組み。
- この他は「イベントカード」32枚と「アイテムカード」40枚、ゲーム終了のお知らせ「エンドカード」1枚のみ。
- イベントカードは、背側は1~3の数字、表側は「上司のヅラがずれている。」等のアクシデントが書かれている。
セットアップ
- イベントカードをシャッフルし、真ん中ほどにエンドカードを差し込んで山を作る。
- 2種類の派閥カード(同数か、副社長派を+1枚)をプレイ人数分用意し、各プレイヤーに裏面のまま配る。
- 各プレイヤーにアイテムカードを3枚ずつ配る。
プレイ上のポイント
- 手番が回ってきたら、山札トップのイベントカードを1枚めくる。
そこに書かれたアクシデントを読み上げ、その時トップに置いてあるカードが示す数字分のアイテムカードを出して、アクシデントを回避するべく
「何をどのように使うか」を言葉巧みに説明
すべし。- アイテムカードを使うといっても、カードに示されているのは名前だけで、効果などは何も書かれていない。
プレイヤーはこれをどのように解釈・説明しても構わない。
- 解説中に手番プレイヤーが言葉につまった際は「3・2・1」のカウントダウンが始まり、タイムアウトしたらチャレンジ失敗、らしい。
- シンキングタイムについては、ルール上の規定なし。
- 手番プレイヤーの申し開きフェイズが終了したら、他の参加プレイヤーは腕を前に突き出し、3・2・1で一斉に、その回避手段に対して成功or失敗を親指サイン(指を立てて「Good!」か、指を下向きにして「Boo!」)で評価する。
半数以上の支持を得たら、手番プレイヤーはイベントカードを得点として獲得する。
- 消費したカードは3枚になるまで補充する。
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イベント・アイテム一例 |
- アイテム
- 「契約書」「プロジェクター」などのビジネスアイテムから、「仏像」「名古屋コーチン」といった用途不明のアイテムもある。
- 本シリーズを象徴する「猫」と「チョコレート」もしっかり収録。
- イベント
- 「リストラを宣告された。だが会社に残りたい。」は、「会社に残りたい」意志まで汲んだ上でのお題。
- 「浮気相手が妊娠した。」社会人はこのへんも上手いことクリアするものらしい。
- 「ペットがなつかない。」もはや何がビジネスなのかさっぱりわからないアクシデントもある。手札がプロジェクターでも何とかしないといけない。
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プレイ模様一例 |
- 3人プレイ。開かれたイベントは「酔って上司に暴言を吐いた。翌日が気まずい。」。
手元には「ネクタイ」「猫」「ゴルフクラブ」、アイテム数指定は3。どうしろというのか。- 「翌日は
ゴルフ
接待の日、
猫
をかぶって上司をおだてる。その次の日は父の日。上司は子供から
ネクタイ
をプレゼントされる。二日経過して嫌な事は忘れた」
- →「Boo!(“翌日”が気まずかった事に変わりはない。)」「Boo!(ネクタイが偶然過ぎる。)」
「Good!(休日を二日挟んだならまあOKだろう)」 2対1で否決。
- 開かれたイベントは「プレゼンの最中におなかが痛くなった。」。
手元には「チョコレート」「制服」「留学生」、アイテム数指定は2。絶体絶命である。- 「実は、研修中の社内
留学生
相手にリハーサルを行っていた。彼に自社の
制服
を着せてバトンタッチし時間稼ぎ」
- 「プレゼン内容は新作
チョコレート
のCM。かわいい
制服
を着た女学生の映像がウケて速攻終了」
- 「
留学
中の北○鮮人がプレゼン相手。
チョコパイ
を配って休憩時間を取ったら納得してもらえた」
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終了条件・得点計算
- エンドカードが出たらその時点でゲーム終了。
派閥カードを開示し、各プレイヤーの獲得カード枚数=得点を派閥ごとに計上して勝利側を決める。
ゲームの流れ
- セットアップ
- イベントカードをシャッフルして伏せ、山を作る
- 各プレイヤーにアイテムカードを3枚ずつ配る
- 手番プレイヤーはイベントカードを1枚めくり、手札からアイテムを使って対処する
- 他の参加者がそれを評価する
- 半数以上の支持意見を得たらカードを獲得
- 消費したカードを補充し、手番を次のプレイヤーに移して2へ戻る
2の要素が突出していて、そこだけ抜き出して遊んでも普通に面白い。
これに、他者による評価ルールを加え、多人数戦用に細部の体裁を整えた。そんな感じ。
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲーム性
- 理不尽なイベント内容に対して有効な切り札があるかどうかは完全に運。基本的に崖っぷち+意味不明な手札という状況を発想力でフォローするゲームである。
派閥分けによる勝ち負けの概念は「遊び」的にはわりとどうでもいい。奇数人で遊ぶと明らかに不公平だし。
- バランス
- めちゃくちゃ。そのめちゃくちゃさ加減がゲームの肝なのだから。
しかし自由度は無限大に高く、結果的にそこそこ丁度いい水準に保たれてしまう。本来「ゲームバランス」という尺度で語る事自体がおかしいのだろう。 それはそうとして、派生作品である本作「ビジネス編」の対象年齢「8歳以上」という設定が妥当なのかは、いささか疑問の残るところである。
- コンポーネント
- イラストの絵柄はバタ臭風日本絵。多少の好き嫌いはあっても、フランクな雰囲気はゲーム内容とよく合っていると思う。
何より構成がとてもシンプルで、ルール説明簡単、遊びやすさ良好。
欠点
- 連戦・ヘビーローテーションには向かない。プレイヤーがネタ切れを起こさないぎりぎりのバランスを見極めて稼動させること。
- 基本的におしゃべりゲーなので、気心の知れた仲のメンツかどうかが面白さを極端に左右する。
- ルールの少なさ。長所と表裏一体でもあるが、成否判定も含めて完全に参加者任せである事は、上述の欠点を加速させる。
不慣れ・不得手な人はそれを覆しにくいゲームだろう。
- アイテムカード数指定ルールが時として窮屈。
指定外の数を使った会心の言い訳を思いついても、それは披露できない。
【お勧め度:★★★★★☆☆☆--】
入手を検討する際は、一緒にこのゲームを遊ぶのは誰かが最も重要。年齢が離れていると有利不利が大きすぎるし、ゲーム性からしてハンデもつけにくい。また、必死こいてひねり出した苦肉の言い訳が滑った時の事を考えると、初対面同士でこのゲームをプレイする精神的ハードルは決して低くない。
「優れたシステム」ではなく「優れたアイデア」の光る、間違いなく面白いんだけど思うところは色々出てくる……そんなタイプである。
懸念事項が特に無い場合は、お手軽かつ優秀なアナログゲーム兼コミュニケーションツールと言える。とっさの機転を要求してくるゲームなので脳トレにも良し。
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FAQ
- Q:手番プレイヤーの思考時間はどのくらいとったら良いでしょうか?
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A:
規定されているのは「説明中に言葉に詰まったら3秒経過で失格」だけ。開始前の時間設定は特に無いので、適当に決めてください。
1ゲームの総プレイ時間が20分ほどと設定されているところを見ると、1分くらいではないでしょうか。
- Q:ゴルフクラブや錠剤が危険なアイテムにしか見えなくなりました。
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A:
プレイヤーの自由です。本作自体の直接的なブラック表現は対象年齢相当にマイルドなので、特に問題はありません。
最終更新:2013年06月28日 12:54