ウボンゴ
(原題:Ubongo)
発売年 |
2005年 |
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プレイ人数 |
2~4人 |
プレイ時間 |
20~30分 |
対象年齢 |
8歳以上 |
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デザイナー |
レヒトマン グルゼゴルツ |
備考 |
for Family |
ゲーム概要
プレイヤーには「マス目の空いたボード」と、12種類の「テトリスブロックのようなピース」が配られる。
ゲームの大枠としては、与えられた制限時間内に所定のピースを使ってマス目を埋める、右脳型パズルゲームである。
(「ウボンゴ」とは、スワヒリ語で「脳」を意味するという。)
ただし、実際に得点を稼ぐには、パズルを解いた人が権利を得て参加する「宝石の奪い合い」を制さなければならない。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- ゲームボードには6種類のシンボルと、シンボルごとにピースの組み合わせが描かれている。どのシンボルに対応するピースを使用するかは、専用の6面体サイコロを使ってランダムに決める。
- ゲームボードは両面仕様。片面でピース3個用、もう片面で4個用に対応している。当然、ピース数が多いほど難易度が高い。
- プレイヤーに配布されるものの他にもメインボードが1枚あり、ボードには6本のレーンと、端にプレイヤーコマを置く領域が描かれている。
各レーン上には12の穴が開いていて、穴1つにつき1個の宝石(6色×10個)が入れられる。
- 45秒計の砂時計が付属。
プレイ上のポイント
- 砂時計をひっくり返す事で全プレイヤーが一斉にパズル開始。サイコロで定められた組み合わせでゲームボードのマス目を埋める。
マス目を埋めたところ。「手」のシンボルに対応した青・緑・橙のピースを使用。
- パズルが完成したら「
ウボンゴ!
」と叫ぶべし。叫んだ人は、メインボード上から宝石を2個獲得する。
- 宝石の獲得ルールは以下の通り。
- 自分のプレイヤーコマが置かれているレーン上から、コマに近い方の2個を獲得する。
- ウボンゴ宣言の早かった人は、プレイヤーコマを動かしてレーンを選択する権利も同時に得られる(早い人ほど多く動ける)。一番遅かった人は、宝石は得ても良いが移動はできない。
- 制限時間は、
「パズルに挑戦してから宝石を得る」ところまで全て込みで45秒
である。石を取る前に時間が切れた場合は、パズルの成否を問わず報酬なし。
終了条件・得点計算
- ゲームボードは36枚あり、1プレイで9ラウンドのゲームを行う。
- 最終的に各プレイヤーが獲得した宝石のうち、同じ色で最大数を獲得した宝石の個数が、そのプレイヤーの得点となる。
ゲームの流れ
- メインボードに宝石を並べ、各プレイヤーのコマを置く
- ゲームボードを1枚裏面にして自分の前に置く
- サイコロを振ってシンボルを決め、砂時計を動かしたらゲームボードを表に返してパズル開始
- パズルが完成したプレイヤーは宝石を獲得
- 2に戻る
パズルを解いて、石を取って。
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲームデザイン
- シンプルイズベスト。ルールが単純かつ直感的であり、大人でも子供でも楽しめる。またインストが楽で、思いついた時にすぐ広げてすぐ遊べる。更に、どんな人と遊んでも得点的には接戦になる(1色コンプリートなどおよそ無理、奇跡的に独占した想定でも最大10点で、6点前後も取れれば御の字)という緩めのバランスもハードルが低い。
こうした取り回しの良さは、アナログゲーム布教活動の初期プランにもってこい。
- ゲーム性
- 他人と競争させるルールや時間制限の存在によって生じる、強いプレッシャー。これは一人でじっくり遊ぶパズルゲームとは大きく異なる、本作ならではの醍醐味と言える。
ただしそれだけに、頭にパターンを叩き込んでしまわないよう、連続プレイは避けるが吉。他人と競うゲームであると同時に、己との戦いでもある……という作品本来の魅力が薄らいでしまう。
- テーマ
- 『テトリス』同様に抽象的なゲームに与えられたアフリカ調デザインの雰囲気は、一種独特。ゲーム内容と密接な関係があるわけではないし好みによる差ももちろんあるけれども、アナログゲーム全体の中で一風変わった存在感がある。デジタルゲームを含めても珍しいかもしれない。
欠点
- ずっしり厚みのあるゲームボードが36枚も入ったコンポーネントのせいか、少々お値段が張る。安易にペラい紙にされても困るのだが、気楽に試せる価格設定ではない。
- プレイヤーコマの色合いが微妙。表面が少しくすんだ素材の黒・青・白・ベージュという配色で、リアルタイムでわちゃわちゃやるゲームなのに視認性はイマイチ。
ついでに、宝石の黄と茶も見分けがつきにくい。
お勧めタイプ
あまり人を選ばない万人向けゲームで、パッケージの表示通り「子供のいる家族」でもOK。リアルタイム性があり難易度やラウンド数を調整しやすいゲームなので、4人までではあるがパーティーゲーム的な運用にも適している。とにかく元気良く叫ぼう。
単にボードにピースをはめ込むだけでも楽しいのだが、何ぶん決して安くはないゲーム。前述したような「ボードゲーム布教活動」など、大人数での稼動を多く期待できる環境だと元を取りやすいだろう。
【お勧め度:★★★★★★★★☆-】
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関連商品
高難度化・低難度化・人数拡充などの拡張版、ブロックの3D化・カードゲーム化などのアレンジ版といった関連商品が数多く発売されている。
FAQ
- Q:どちらが先に「ウボンゴ!」したか混乱しました。ジャッジはどうしましょう。
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A:
このゲームの宝石バトルは、本来白黒のハッキリとした右脳パズル勝負をファジーにぼかすものです。あまり厳密だの正確だのにはこだわらないのが良いのではないでしょうか。変にこじれて石を取れなかった人は、当然アウトです。進んで後手に回るのも手でしょう。
- Q:宝石バトル、いらなくね?
-
A:
しばしばそういう声の聞こえる本作ではありますが、右脳系パズルは、強い人は本当に極端に強いものです。そんな人も交えてみんなで遊ぶルールとしてはアリ、くらいに解釈してはいかがでしょう。
むしろ、ルールがいらんと言われてしまうほどにパズル自体が楽しいという完成度の高さに恐れ入ります。
最終更新:2013年01月25日 11:08