ゴア(Goa)

(簡易版)

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ゴア

(原題:Hazienda)
発売年 2004年 imageプラグインエラー : 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。
プレイ人数 2~4人
プレイ時間 90分
対象年齢 12歳以上
デザイナー ドーン, リューディガー

ゲーム概要

レベルアップ式経営もの。プラントや特殊能力のタイルを競り、お金やリソースを払ってプレイヤーの基礎経営能力をレベルアップさせ、拡大再生産していく。
舞台は、16世紀から20世紀半ばまでポルトガル領インドの一部(植民地)だった、インド西海岸のゴア州。大航海時代のポルトガル商人となったプレイヤーは、限りある支配地を競りで勝ち取っていく。


ルール(概略)

コンポーネントの特徴
  • メインボードの大半はタイル置場。ここにプラントタイルや能力タイルが並ぶ。
    • タイルは、前半戦用のAと後半戦用のBの2種類がある。
  • 扱うリソースとして、お金・5種類の香辛料・船・宣教師があり、更に特殊効果を持つ「羅針盤カード」がある。。
  • サブのボードとして、プレイヤーの能力を表す「開発ボード」と、獲得したタイルを配置する「倉庫ボード」を、各人が持つ。

プレイ上のポイント
  • ラウンドは、競りフェイズとアクションフェイズからなる。
  • 競りフェイズの流れは以下の通り。
    • 1. 5×5に並べられたタイルに対し、スタートプレイヤー(以下SP)がまず外周で上陸位置を決めてSPタイルを置く。
    • 2. 次のプレイヤーは、その位置から縦横斜めに隣接した好きなマスに「1」の数字マーカーを配置。その次のプレイヤーは、今配置された数字マーカーの次の数字を使い、前のマーカーに隣接したタイルに順次配置していく。以下全員分実行し、SPが最後の数字マーカーを置く。
    • 3. 数字の古い順に競りを実行。数字マーカーを置いたプレイヤーがそのタイルの競りではオーナーとなり、次手番プレイヤーから順に値を付けていく。
      • オーナーが買った場合は、代金を銀行へ支払う。他のプレイヤーが買った場合は、 代金をオーナーへ支払う
  • 攻略のポイントは、序盤ラウンドの内に競りフェイズで プラントを確保する事 。早い段階から必要になってくる大切な施設である。
  • アクションフェイズの流れは以下の通り。
    • アクションフェイズは3回巡ってくる。SPから順に1アクションずつ実行。
    • 選択肢は6種類。開発ボードに示された5種類のアクションから1つを選択するか、各能力の内どれか1つをレベルアップさせる。
    • 追加アクションカードを持っているプレイヤーは、最後に4回目のアクションを行い、ラウンド終了。
    • 一応順番通りに行うので他人の動向を気にしても良いが、ぶっちゃけ他人と直接からむ事はほとんどないソロプレイのフェイズ。

  • お金以外の要素について。
      • 開発レベルをアップさせる際に使う。これを獲得するアクションのレベルも船カードを使って上げる訳で、当然足りなくなりやすい。
    • 香辛料
      • 色々な使い道があるが、とりあえず開発レベルアップの際に船カードと一緒に要求される。常に足りない。
    • 宣教師
      • 「植民地タイル」という、勝利点兼プラント代わりのようなタイルを獲得する際に役立つ。
        植民地獲得チャレンジは失敗すると1アクション損をするので、たくさんいるに越した事はない。
    • 羅針盤カード
      • リソースや勝利点獲得に貢献する、お得な特殊効果を持つカード。
        是非とも欲しいが、入手できるアクションのレベルアップに手を回す暇があるかどうか。
    • 追加アクションカード
      • 色々な入手ルールがある。例えば、SPはいつもこれを1枚貰える。実はかなり重要なアイテムであり、SPタイル(SP権)も競りの対象となっている。

  • プラント
    • 再三「大事」と繰り返されるプラントは、香辛料を手に入れるところ。プラントを獲得した状態で対応したアクションを実行すれば、プラントの空きスペースに香辛料が実る。
      香辛料獲得アクションは プラントを持っている事が大前提 であり、アクション単体では意味を成さない。

  • 前半4ラウンドでタイルが総入れ替えされ、後半戦4ラウンドを消化してゲーム終了。

終了条件・得点計算
  • ゲーム終了時点で、以下の要素を集計する。
    • 開発ボードの各能力レベル(最大10点×5種)
    • 倉庫ボードの植民地タイル数*1(最大10点)
    • その他のボーナス点

ゲームの流れ
  1. セットアップ
  2. ラウンド開始
    1. 競りフェイズ
    2. アクションフェイズ
    3. 追加アクションをして次のラウンドへ
  3. 4ラウンド経過で前半戦終了、タイルを入れ替えて後半戦開始
  4. 後半戦4ラウンド満了でゲーム終了
場に並んだタイルを競りで買い付け、リソースを動かして経営を進め、レベルアップ。これを繰り返すゲーム。
「競り」「レベルアップ」あたりがキーワードになるか。

コメント

+ プレイ感と感想について
ゲーム性
レベルアップシステムにより経営力に明確な差がつく事、それはプラントを買うところから始まる事、そのプラントの買い付けにはプレイヤー間でのお金のやり取りが発生しうる事……という事で、色々な経営要素が競りに集約される形できれいにまとまっている。
「一転突破型」のプレイングで勝つ事は難しいバランスであり、最後まで競りに気を抜けない。
充実した経営要素も目立つが、かなり純度の高い値付けゲー。
プレイ難度
レベルアップに使用する大量のリソースを獲得するべく、ゲームのポイントは競りに大方集中する。お金・相場観がシビアという意味での難しさはあるかもしれない。
それ以外は、全体的に「中量級以上の経営もの」によくあるタイプ。コマやカードの動かし方に特別複雑な点はない。
コンポーネント
羅針盤カードが色々な効果を持ちすぎているのか、記載情報がごちゃついていて把握し辛いし、アイコンデザインも直感的でない。
それ以外は概ね問題なし。それ以上でも以下でもない感じ。

欠点

  • ゲーム自体にボリュームがある反面、テーマ性やコンポーネントにはあまり華がなく、ストイックすぎるきらいはある。
  • とっつきがいいとは言えない。重めの競りゲーなので当然ではあるが。
  • 前述した通り、羅針盤カードの効果が分かり辛い。カードの特殊効果も強力なものがあり、元々長時間プレイなのにインストで更に時間がかかる。

お勧めタイプ

レベルアップによる経営力強化がかなり顕著なので、ここに楽しみを見出せる人には強くお勧めできるゲーム。勝つのは容易でなくとも、プレイ自体はそう難しくないのもありがたい。
しかし見た目の印象が地味なので初見へのアピール力には欠け、入口は結構狭い。まず自分で感触を確かめ「面白い」と確信してから、ストイックなゲームもOKという人を選んで遊ぶとよろしいかと。
【お勧め度:★★★★★★☆☆☆-】

その他

  • 本作のように「コマを置きながら隣接しているマスからマスへと移動」していく方式は、デザイナーの名前をとって「ドーン歩き」と呼ばれている。

最終更新:2015年09月16日 09:34

*1 「植民地タイル獲得」というアクションがあり、チャレンジに成功するとタイルがもらえる。