おかしな遺言
(原題:Letzte Wille, Der)
発売年 |
2011年 |
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プレイ人数 |
2~5人 |
プレイ時間 |
45~75分 |
対象年齢 |
13歳以上 |
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デザイナー |
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備考 |
完全日本語版発売 |
ゲーム概要
大金持ちの叔父は、要約するとこんな感じの遺言を残して死にました。
「与えた金を誰よりも早く使いきれ。一位の者に残りの遺産をくれてやる」
継承者候補となったプレイヤーは、豪遊に次ぐ豪遊で散財の限りを尽くします。
不動産投資もできますが、所詮は耐久消耗財。より一層のお金を使うチャンスと見る事もできるでしょう。
所定の金額を使いきり資産もゼロ、その時点で最も負債額の多いプレイヤーの勝利です。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- メインボードは大別すると2つのエリアがあり、そのラウンドの行動計画を選択するスペースと、従者アクションを行うスペースがある。
- サブボードは個々のプレイヤーが住む屋敷を表し、不動産を建てたり人物を囲ったりする。スペースの拡張可。
- カードは「不動産」「人物」「贅沢」「使用人」の4種類。上手く使えば散財ペースを上げる事ができる。
- 5種類目として、背中の絵柄が特別な「特殊カード」があり、使用人以外の3種がランダムに出現。レベルは3段階あり、ラウンドが進むにつれて効果も強力になる。
- これ以外には、お金タイル、相場タイル、必要に応じてカードに乗せる不動産コマ・使用人コマ等々がある。
セットアップ
- メインボードを組み立てる
- 各プレイヤーはコンポーネント一式を受け取る
- 5種類のカードをシャッフルし、それぞれの山を作る
- 特殊カードのみ、背中のアイコン数別にシャッフルし、1→2→3の順になるよう山を積むこと
- 従者アクションの「相場」スペースに4種のタイルをランダム配置
- ラウンド開始処理として、カード置場の指示に従いカードを表向きに補充する
- スタートプレイヤーは、スタートプレイヤーコマを受け取る
- 目標額タイルからランダムに1枚引き、各プレイヤーが額面通りの初期資産を受け取ってゲーム開始
プレイ上のポイント
- ラウンド開始時に、まず行動計画を行う。
- 選択肢に表示されているのは、「数字(ドローできるカードの枚数)」「帽子(従者アクションの回数)」「数字+A(アクション数)」。
- スタートプレイヤーの逆順(ここあやふや)で、マスの中から好きな組み合わせの行動計画を選択し、円柱コマを置く。
- 確定したら、不動産・人物・贅沢・使用人の中から数字の分だけ組み合わせてカードを引き、プレイヤーボード左のアクション表示スペースに円盤を置いて目印にする。
- 行動計画の決定後は従者アクションを行う。
行動計画の内、左側にあるコマのプレイヤーから順に帽子コマを置いてアクションを選択する。手番が一周したら、2回選べる人のみ二週目を行う。- アクションは大きく分けて「カードを引く」「相場をいじる」「屋敷の拡張」「舞踏会(即-2金)」。
- 相場をいじるアクションを選択した人は、場に見えている4枚のタイルを全て、好きに入れ替えて良い。
- 帽子を置くスペースの数だけしか、そのアクションは選択できない。
- 従者アクションが全て終了したらサブボードに焦点を移し、スタートプレイヤーから順にメインアクションを行う。r行動計画で示された分だけアクションを実行可能。主に以下のような事を行う。
- 不動産カード・人物カードの配置及び使用
- 配置は、自分のボードに空きが有る場合のみ実行可能。置いておくだけで何らかの浪費をもたらす存在である。
- 不動産は、メンテナンスを行う事で定期的に散財できる。メンテしないとターンごとに価値の下がっていく物件もあり、これも浪費のポイント。
- 人物の効果は、カードによって様々。他のカードに対し、左上のアイコンを参照して浪費量を上げるものもある。上手く組み合わせてシナジーさせるとお得、いや無駄遣い。
- 使用したカードは、ボードの線に従って少し下げておくとわかりやすい。
- 不動産の売却
- 物件は4種に色分けされていて、対応した相場によって所定の金額から+3金~-3金に価値が変動する。
高く買って安く売る
のも財テクの一つ。
- 不動産はそれ自体が資産価値を持っているため、所有したままだと破産できない。
- 売却は1アクション消費する。
- 贅沢カードの使用
- メインアクション中はいつでも単体で使用可能。即時でお金を消費したり、アクション数を増やしたりできる。
- カード効果には、特定の使用人カードを併用する事で効果量を上げられるものが多い。犬・馬・コック・愛人と種類があるので、引き運が悪い場合は従者アクションでワイルドカードを持って来るといいだろう。
- ラウンドが終了したら、以下の手順を踏んだ後に次のラウンドへ。
- コマの回収
- カード類のクリンナップ
- メインボード上のカードを全て流した後にボードの指示に従って補充し、使用されたワイルドカードも戻す。
- 使用した人物カード、メンテナンスした不動産の位置を元に戻す。
- 不動産価値の減少
- 時間経過で劣化する不動産は、価値を1段階下げる。メンテナンスをした場合、既に最低額の場合は減少しない。
- 手札は2枚になるまで減らす
終了条件・得点計算
- 7ラウンド満了でゲーム終了。また、不動産を持たずに手持ちの金を使い切り資産がマイナスになったプレイヤーが出た場合も、そのラウンドをプレイした時点で終了する。
資産の最も低い人が勝利。
ゲームの流れ
- セットアップ
- ラウンド開始
- 行動計画
- 従者アクション
- メインアクション
- ラウンド終了
- 7ラウンド未満では、終了処理をして2へ戻る
- 7ラウンド終了、または破産者出現でゲーム終了
ラウンドの最初に「カード・第一アクション・第二アクション」の数を決める。
そして、メインボード上の第一アクション(従者)で準備を整え、サブボード上の第二アクション(メイン)でお金を使う感じ。
コメント
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プレイ感と感想について |
- テーマ
- お金を使いまくって破産したら勝利という、普通とは逆の個性あるテーマ性が本作最大の特徴。
ネットでのレビューでもよく取り上げられ、評価されている部分である。それはそうなんだけど……
- ゲーム性
- 中々お金が減らないんだこれが。
最初の行動計画はどれを選んでも悩ましいし、アクション数やリソース類の消費量に対する費用のレートはキッチリ管理・調整されている。バカ丸出しでぶわーっと散財、みたいなゲーム展開ではない。 実は勝利条件のプラスとマイナスの価値観が逆転しているだけで、実質的には資産を構築していくタイプの普通の経営ゲーとあまり変わらない気もする。
- バランス
- ゲームバランスを大きく揺るがす強力なコンボやパワーカード、言い換えれば「ロマン」の類は無い。ぶわーっと散財したかった身としては残念な点。
それでいて、4系統のカード、4色の不動産、4種の使用人……と、扱うものの種類は豊富なので、シナジーを組もうと考えると結構引き運の影響が大きい。意外にチマチマしたバランスのゲームと思われる。
欠点
- ラウンド終了処理が面倒。
- メインボードの最適化、サブボードの最適化、手札上限……あちこち減らして増やしてといじるためか、面倒くささと煩雑さは否めず。
- ゲームを遊ぶに必要十分なコンポーネントは一通り整っているのだが、テーマのバカさ加減に照らしてみると「遊びが足りない」という印象。飯を食う、足に金をかける、旅行する、といった贅沢カードの絵柄や人物カードのキャラクターが、系統ごとに全部一緒というのはいただけない。せっかく不動産コマは固有の形状なのに、使用人コマは円盤で済まされているのも寂しい。
お勧めタイプ
テーマの着眼点はユニーク。調整は丁寧だが平坦。要素の複雑さに対しランダム性大。さほどユーモアに溢れた作りではないが、初期資金は潤沢なのでゲームへの導入はしやすい。そんな感じ。
思うに、「無難にまとまっている」という表現にどういう印象を受けるか次第ではないかと考える。少なくとも、欠点だらけのクソゲーではない。
個人的には「笑いを取りに来ていないバカゲー」「パンチの弱い地味ゲー」という中途半端さを感じるため、お勧め度の伸びはイマイチ。
【お勧め度:★★★★☆☆----】
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その他
- 二人用バリアント
- 行動計画フェイズにて、「灰色の円盤をそれぞれが任意の場所に置く」手順が増える。円盤の置かれた場所は、プレイヤーは選択できない。
- スタートプレイヤーがまずツブし、それを受けて相手がツブし、それから後手側が選択し、最後にスタートプレイヤーが選択する。いつも同じマスばかり選ばれる事態は回避できるが、スタピー不利という不思議バランスに。
最終更新:2014年04月04日 01:17