キングダムビルダー
(原題:KINGDOM BUILDER ~BAU DEIN KÖNIGREICH~、英題:Kingdom Builder)
発売年 |
2011年 |
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プレイ人数 |
2~4人 |
プレイ時間 |
45分 |
対象年齢 |
8歳以上 |
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デザイナー |
ヴァッカリーノ, ドナルド |
ゲーム概要
プレイヤーは自らの王国を築くべく、マップの空き地に自分の入植地を作っていきます。
「素晴らしい国の条件」の評価軸は3つ。上手くクリアして得点を稼ぎ、最も優れた国を統べる王を目指します。
国の拡張事業は「カードを1枚ツモってその地形に入植地を作る」という行き当たりばったりのトンデモプロジェクトですが、そこを何とかするのが王の仕事なのです。
- ドイツの選考委員会認定のボードゲーム賞「ドイツ年間ゲーム大賞」2012年1位受賞。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- メインマップとなる区画ボードが8枚。プレイ人数に応じた枚数を並べる。
未使用分の内1枚は、裏返して得点ボードとして使う。- ボード上には、1枚あたり100のヘックスで区切られたマップが描かれている。
地形は、入植地を建設できる5種+城+特定地域(8種)+海+山岳の、計9種類。
- 特定地域の効果を表すサマリカード(組んだボードに噛み合う形をしている)が用意されている。
- 基本地形を表す「地形カード」は、5種×5枚の計25枚。入植地コマは、プレイヤー1人あたり40個使用。
- 得点計算のルールを示す「王国の建設者カード」が10枚。ゲームではこの内3枚をランダムで使用する。
セットアップ
- 各プレイヤーは色を1色選ぶ。得点マーカーを得点ボード0点の位置に、入植地コマ40個を手元に置く
- 最年長プレイヤーにスタートプレイヤーマーカーを渡す
- メインボードを組む
- 区画ボードをランダムに4枚選出し、マスの絵柄を同じ向きに揃えて四角く組み合わせる
- 登場した特定地域マスに、対応するタイルを2枚乗せる
- 地形カードをシャッフルし、裏面にして山を作る
- 王国の建設者カードをランダムで3枚選出し、表向きに公開する
- 対応するサマリカードをボードに組み込む
プレイ上のポイント
- プレイヤーの手番でやる事は、「カードを1枚引き、その絵柄の地形に入植地コマを置く」。これだけ。
ただし、置き方にはいくつかルールがある。- ボード上に自分の色の入植地コマがある場合、可能な限りそのコマに
隣接するように
置かなければならない。
指定の地形が自分のコマと隣接していない場合のみ、分断された形で置いても良い。
- 入植地コマは3個置く。隣接している地形があれば有無を言わさずそこに、置ききってしまったら別の場所の同地形に、最低3個は必ず置く。
- 入植地コマが特定地域マスに隣接した場合は、そこに置かれているタイルを受け取る。
- 「特定地域タイル」の効果はサマリ参照。入植地コマを追加で置いたり移動させたり、といった特殊効果を持つ。
- 自分の手番になった時、入植地コマを置く前か置いた後に、タイル1枚につき1回効果を発揮できる(入手した次のターンから)。複数持っていたら、使える限り使って良い。
- タイルがなくなってしまったマスに隣接しても何も貰えない。早い者勝ち。
- 基本地形5種以外の地形について。
- 山岳地は対応する地形カードがなく、コマの配置不可。
- 海も地形カードは無いが、特定地域タイルの効果でコマを配置する事ができる。
- 橋の架かっている川は、「橋マスの両端が隣接している扱い」になる。
終了条件・得点計算
- 最初に入植地コマを使い切るプレイヤーが出たら、全員の手番回数が等しくなるよう一巡させてゲーム終了。
- 得点を規定するルールは、ゲーム開始前に3枚開示された王国の建設者カードが司る。
- この他、自分の入植地コマが隣接している城のマス1つにつき3点加算。
- 最も得点の多いプレイヤーの勝利。1位タイは、共に勝利の扱いとなる。
ゲームの流れ
- セットアップ
- マップの組み立て等々
- 王国の建設者カード3枚を選出
- 手番
- 地形カードを1枚引き、対応する地形に入植地コマを置く
- 特定地域タイルを使用する
- 終了条件が達成されるまで、次の人に手番を回して[2]を繰り返す
カードを引き、コマを置く。これが基本。
得点方法が「10種から3種」のランダムであり、これを見て大体の情勢を把握したら
後はアドリブの連続。
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲーム性
- マップ上にコマを置くゲームとしては、何かとルールの縛りが強い。今引いてきた1枚のカードがその手番を支配する点だけでは、稀に見るクラスの運ゲーにも聞こえる。
しかし、計画性なくしては勝てない程度に得点ルールが個性的であり、ランダムで3種組み合わせるパターン変動システムも上手く活きている。 その場限りのカードをどう上手く使うか、細かい戦術に集中しやすい作りと言える。
- コンポーネント
- デコボコしたマップボードは、行動の融通が利くヘックスマスと、組み合わせで複数のパターンを作り出すシステムとを両立させるグッドアイデアの結晶。
デザイン面を言うなら、絵柄・コマの形などいずれも「普通」。あと、扱う時トゲトゲ部分がちょっと痛い。
- テンポ
- 小技の活きる局面と流すしかない局面がはっきりしているため、シンキングタイムはあまり伸びずテンポ良好。総プレイ時間も短め。
欠点
- 特に最終局面を睨んでみると、引きゲーとしての一面はそこそこ強い。
- 引き寄せた幸運を結果へとつなげるまでがプレイヤーの腕前。そう思えば全体的なゲームバランスは取れているのだが、「最後の最後、ここ一番でクソ手」という状況は当然あり得る。ただただ素直に、巡り合わせの中での最善を目指すべし。
お勧めタイプ
「多めに用意された要素から無作為で一部抜き出して組み合わせ、場を構成する」ゲームデザインは、同じ作者が作った『ドミニオン』(2008年)を思わせるが、ジャンルの違いもあってか全く違う味わいに。
ルールは簡単、手番もシンプルで、広く勧められる。洗練された切れ味抜群の陣取りとしての貫禄ある一作。
あえて言うなら、「引き運を言い訳にしない人向け」ではある。負けを引きずるタイプの人には辛い部分があるかも。
【お勧め度:★★★★★★★☆☆-】
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最終更新:2014年02月18日 10:42