オイ!それはオレの魚だぜ!
(原題:Pinguine! Deluxe!、英名:HEY! THAT'S MY FISH!)
発売年 |
2005年 |
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プレイ人数 |
2~4人 |
プレイ時間 |
20分 |
対象年齢 |
8歳以上 |
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デザイナー |
コルネット ギュンター ジャケリウナス アルヴィダス |
備考 |
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ゲーム概要
餌場にひしめくペンギンたちを操り、魚を取り合う陣取りゲーム。
6角形の氷の形をしたタイルの下にいるのは、ペンギンたちが大好きな魚。取ったタイルはそのまま得点になるが、以降は穴が開いて上を通れなくなる。
他のペンギンに横取りされる前に、おいしい餌場を独占してより多くの魚を取ろう。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- 6角形のタイルを並べてゲームフィールドを作る。
タイルには1~3匹の魚が描かれていて、ペンギンを使って獲得すると勝利点となる。
- 1人4匹のペンギンコマを使用(プレイ人数に応じて加減する)。
プレイ上のポイント
- 各プレイヤーは、順番に自分のペンギンコマを1個ずつ、「1匹の魚タイル」を選んで置く。コマを全て置くまでこれを繰り返す。
- 手番が回ってきたら自分の色のペンギンから1匹選び、6角形の辺に向かって直線上にある任意のタイルまで移動してから、
コマが元いた位置の魚タイルを獲得
する。
- 魚タイルにはペンギンが1匹だけ乗れる。取り除かれたタイルの上や他のペンギンがいる場所には侵入できず、また飛び越える事はできない。
他のペンギンコマがどうやっても侵入できない地形の中に入れたら、以降のタイルは一筆書きできる範囲内であれば取り放題。「陣」を取るのが目的ではないゲームなのにプレイ感を陣取り系と表現される事が多い理由はここにある。
- 1人1手番を順に繰り返す。動かせるコマがなくなったプレイヤーは、以降パスされる。
終了条件・得点計算
- 誰もペンギンコマを動かせなくなったら、最後にコマが乗っていたタイルもプレイヤーのものとなってゲーム終了。
- 獲得したタイルに描かれた魚の数の合計がプレイヤーの得点になる。一番得点の多いプレイヤーの勝利。
ゲームの流れ
- タイルを隙間無く並べる
- 各プレイヤーのペンギンコマをタイル上に配置
- プレイヤーが一人ずつ、ペンギンコマを動かしてタイルを獲得する
- タイルがなくなるまで3を繰り返す
コマを動かす、タイルがなくなる。以下繰り返し。これ以上どうしようもないほどシンプル。
コメント
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プレイ感と感想について |
- プレイ難度
- 非常に低い。もちろん「上手く動かすコツ」を覚えるのは容易くはないが、ルールに従ってコマを動かすだけならかなり簡単。言語依存要素もまったく無い。
- ゲーム性
- それでいて奥は深い。得点稼ぎ、妨害、次手番以降の布石、それらの全てが凝縮されるたった1アクションの応酬からなるプレイ模様は、どんな年齢・性格の相手とでも、何人で遊んでも、それぞれ異なる展開が繰り広げられる。
とりわけ2人プレイでは、本格的な理詰めタイプのアブストラクトゲームとして、類例の少ない濃密なゲームを楽しめる。
- コンポーネント・テーマ
- 恐らく日本人の感性からはなかなか生み出されないであろう、ムカつく顔と挑発的なポーズのデカいペンギンコマ。これの出来栄えも、本作の見逃せない魅力の一つ。
アブストラクトと書いた直後になんだが、「魚を求めてシノギを削るペンギン同士の小競り合い」というコミカルなテーマ性が良く表現されている。
欠点
- ペンギンコマの完成度故?の高価格設定。
- その他には、特にない。強いて言うならタイルを並べるのが面倒だが、プレイの軽さを考えれば申し分はないレベルであり、また一見して明らかな改善の余地もない。
お勧めタイプ
基本は万人向け。中でもアブストラクトゲー好きなら、問題なく良作として勧められる作品である。妨害に成功して相手を孤立させようものなら嬉しくてたまらない、という人はなお良し。そんな性格の悪い一面もあってか「for Family」の表示は無いが、オセロ並にルールが簡単なので子供とでも楽しく遊べるだろう。
多人数プレイでは予想外の事故に会う確率が跳ね上がり、盤面の先読みと同程度以上にアドリブへの対応が重要となる。多少の揺らぎは笑って許す大らかな心構えで臨みたい。
【お勧め度:★★★★★★★★☆-】
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【このゲームのイメージ図】 運要素なし。地形を把握したら、後は 一手が常に攻防一体。 大人数では揺らぎの割合が上がる。 |
その他
日本語完全版のタイトルは「それはオレの魚だ!」。改題だけでなく、ペンギンコマのデザインと材質が変わっている。
あまり芸の無いチープな木製コマは、確かに「オイ!」や「HEY!」の似合わないガッカリな出来ではあるが、求め安い価格にはなった。やはりコイツらが原因の一端だったか。
FAQ
- Q:いくらぐらいが「買い」でしょうか。
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A:
正直なところ、日本国内の販売価格「6k」は、勧めやすいとは言えないお値段。ペンギンコマの完成度を諦め、完全版を買うのが無難ですね。
そうはいっても、後を引かない軽妙なイヤらしさを持つこのゲーム。是非とも一度は、本来のコマで遊んでほしいものです。
最終更新:2013年08月07日 22:29