【今回予告】
母は私を捨てました。
母は私をニクみました。
母はわたしを怖ガりまシた。
母はわたシを怨みましタ。
母はワタしをこワしマした。
母は私を殺しました。
ある日、君たちの元に一通の手紙が届いた。
送り主は書かれておらず、中を見ると丁寧に折りたたまれた便箋が一枚。
便箋を開いてみると、そこには一言こうあった。
「私は今日、死にました。」
私はあの時泣きました。あなたから生まれて時泣きました。
それは決して悲しいのではなく、怒っていたのではなく、
ただ、ただ、嬉しくて、幸せで。
あなたに「だいすき」と言いたくて。
でも、泣くことしか出来なくて。
私はあの時泣きました。
私は今、泣き止みました。あなたから生まれて泣き止みました。
それは決して悲しいのではなく、怒っているのではなく、
嬉しいわけでも幸せなわけでもありません。
ただ、ただ、あなたと生きてきた今日までを思い返していただけです。
まるで、走馬灯のように。思い返していただけです。
でも、だから、言いたくて。
あなたに「大好き」と言いたくて。
でも、泣き止むことしかできなくて。
私は今、泣き止みました。
シナリオ名「有角の忌み子」
あなたの親は、誰ですか。
【概要】
PCたちの元に一通の手紙が届きます。
この時、当人たちは知る由もありませんが、それは一人の子どもからの手紙です。
この子どもには、普通人間には存在しない角が生えており、両親に迫害を受けています。
(
ARA2Eの社会では受け入れられています。SW2.0の社会では迫害されています)
父は出産した途端に姿を晦ましてしましますが、それでも母は自力で子を育てようと一時は決意します。
しかし、実際に育てると、成長するにつれ、人型をしてはいるもののそれはあまりにも人間とはかけ離れていきました。
ある程度は覚悟していた母も、その異様な姿を現実に見て失望してしまいます。
さらに不幸な事に、生来持って産まれた角が母の子宮を傷つけてしまい、もう子どもを産める身体では無くなってしまいます。
人生に絶望を覚えた母は、こんなにした我が子を怨み、ありとあらゆる虐待を浴びせます。
最初は「それが当たり前だ」「失敗した自分が悪い」「生まれて来た自分に責任がある」と考えてきた子ですが、
成長するにつれその環境に耐えられなくなり、その場から逃げ出します。
「親から逃げるなんて自分は最低だ」と自身を責めると同時に「もう耐えられない」考える彼(彼女)は、
最近話題になっているPCたちのギルドを頼ります。
手紙に深い内容をありません。ただ、彼の心理状態が悪い。もしかしたら本当に死ぬかもしれない。「怖い文面を送れば
力になってくれるだろう」。色々な理由が考えられると思います。
しかし、子の母への愛着は消えません。いくら酷い人でも、子どもにとってはその人だけが唯一の母親だからです。
問題の解決としては、「親子を仲直りさせる」「子を母の届かない場所に離す」「母が虐待をするのは敵が取り憑いている
からで、敵を倒せば優しい母になる」など、複数考えられると思います。
冒頭のような背景からあなたが相応しいと思う展開にするのが良いと思います。
システムはファンタジー向けと書きましたが、SW2.0が一番向いていると思います。
もしくは、異能が存在する世界なら他のシステムでも運用できるかもしれません。
最終更新:2015年03月26日 22:53