オープニング ◆fUJWpb3ygiKJ
『静粛に静粛に……』
何十人もの人だかりで溢れる空間にスピーカーからの声が響き渡る。
『各人……、すみやかにステージ前にお集まりください。すみやかにお集まりください』
パッと光が点くと、空間の奥にステージが、そしてその壇上には黒服の男たちが立っていた。
「こんばんは。わたくしども………、今日皆様のゲームのお手伝い、このゲームのゲームマスターをおおせつかっております『帝愛グループ』です。
ではさっそくですが……、これから皆様の行うゲームを説明しましょう。
いいですか……、説明は一度のみ。繰り返しません。後に質問されてもお答えしかねますので、どうか皆様集中力を持ってお聞きください」
突然姿を現わした黒服の集団に周囲はまだ対応しきれてはいなく、ざわめきは増すばかりであった。
だが、一同は次の発言に凍りつくことになる。
「では……説明しましょう。今から皆様が行うゲーム、それは『バトルロワイアル』
ルールは簡単、ここにいる皆様方で最後の一人になるまで互いに殺し合う。ただそれだけです」
先程までのざわめきがピタリと止んだ。
一瞬の静寂が広がる。そして再び辺りはざわめきに包まれた。
「静粛に静粛に。では、もう少し詳しくお話ししましょう。
まず皆様には私どものルール説明のあと、こちら側から一斉に会場となる場所にランダムで移動させてもらいます。その際、このバッグを一つ渡します。
この中には食糧や水、筆記用具に時計や地図、参加者の名簿表、そして殺し合いを円滑に進めるための何らかの支給品が幾つか入っております。
では次に開始時間。ゲームは午前零時をスタートとします。タイムリミットはございません。最後の一人が決定するまでこのゲームは続きます。
ですが例外が一つだけ。それは24時間に渡って死亡者が出ない場合。その場合は時間切れとなります。生存者全員の首輪が爆破され、優勝者無しとなります」
ここまでの説明はいたってスムーズだった。
何人かが少しざわめいていただけで、多くは黒服の説明に耳を傾けていた。
そう、それはつまり参加者たちがこれは決して冗談ではないということを肌で、感覚で、そして全身の神経で理解したのである。
「さて、次に先程少し出しましたが、皆様に付けられている首輪について説明しましょう。
首輪には発信機が付いており、皆様の
現在位置と生体反応を常に送信し続けております。これにより、ゲームの状況をこちらが把握している訳となります。
さらに、首輪には爆弾も取り付けられており、首輪を無理に外そうとすると首輪が爆発しますので是非ご注意を。
では次に禁止エリアについて説明いたしましょう。このゲームでは禁止エリアが設定されており、このエリアに足を踏み入れると首輪が爆発する仕組みになっております。
禁止エリアは、こちら側からゲーム開始後6時間おきに、つまり午前と午後の0時と6時の定時放送にて発表され、放送から1時間後、3時間後、5時間後というふうに増えていきます。
また放送ではそれ以外に、前回放送後からその時の放送迄の間に死亡した参加者の名前、ゲームに関する重要なことなども読み上げられますので、注意して聞いて下さい」
黒服の説明が進むにつれ、参加者たちの瞳は徐々に変わっていく。
怯えをなす者、狂気に震える者、正義を貫く者、各人各様、喜怒哀楽、様々な表情をして黒服の説明を聞いていた。
「さて、それではいよいよ核心。一番肝心な話。このゲームにおける『優勝』とは何か……についてお話しします。
この勝負、途中経過は一切問いません。とにかくどうあれ最終的に……最後の一人になれば勝ち……!単純にして明瞭、簡潔です。これは先程も説明いたしました。
そして、最後の一人……。この殺し合いにおける優勝者には……莫大な富、偉大なる名誉、揺らぐことのない地位、つまるところ、自分の望むもの全てを与えましょう」
中央の黒服が周囲の黒服にあいづちを放つ。そして、一同に向かって深く頭を下げた。
「では……、これで私どもの説明の全てを終わらせていただきます。皆様の健闘、心からお祈りいたしております」
【主催】
帝愛グループ
【進行】
黒服
【アニメキャラ・バトルロワイアル3rd 開始】
最終更新:2009年10月23日 20:16