「どうした阿良々木少年。ぼうっとして」
「グラハムさん、僕はおっぱいの神かも知れません」
橋の上を歩きながら、
阿良々木暦は右手をわきわきと動かして大きさを確かめているかのようだ。
「福路のバストは浅上に勝るとも劣りませんでしたよ!憂ちゃんや東横もなかなかの大きさでした!」
「まさか、君は出会った女性全てのバストを触っているのか!?」
その声に多少の怒気が混ざっていることに、グラハム自身も気づいてはいない。
「いえ、そんなことはしませんよ。ただ僕は運命を感じているんです。この先、どのような大きさのおっぱいが待ち受けているのかと!」
薬局での説得でも見せなかった崇高な表情を、阿良々木暦はしてみせた。
台詞さえなければその表情は予言を受けた巡礼者にも匹敵する、敬々しさに満ち溢れている。
おそらくはこれから先に待ち受ける危機に対してリラックスさせてくれているのだろう。
グラハムは無理矢理好意的に解釈した。
上は「奈落」ラストの一コマとして書いたもの。
ボツにした理由:ラストに予定していたタルタロスに持っていけそうに無かったから
お、俺は悪くない!おっぱいの神にそそのかされただけ!
最終更新:2010年06月06日 23:34