あっはっは。本来これの後にマハラギさんとの絡みやらがだらだらあった予定だったけど……
予約かぶっちゃったので単体として投下。
修羅々木さんパートもまた手直しして単体で投下する予定だし。
東横桃子は自分のこの「ステルスモモ」の能力を使うたびにいつも思い出す。
小学生だった頃の家庭訪問で、当時の担任教師は深刻そうに云った。
「東横さん。お宅の桃子さんは友達を全くつくろうとしません。
そう、嫌われているというより全く認識されていないのです。
担任教師としてとても心配です」
母は答えて云った。
「それが……恥ずかしいことですが……親である私にも
……あの子が見えないときがあるんです」
自分はすぐ隣にいてそれを聞いていた。二人とも自分に気づかなかった。
そんなものだ。
子供の頃から思っていた。
町に住んでいるとそれはたくさんの人と出会う。
しかし、普通の人たちは一生で
真に気持ちが通い合う相手がいったい何人いるのだろうか……?
小学校のクラスメイトだった×××××さんの携帯は友人の名前とメールアドレス、電話
番号でいっぱいだ。
五十人ぐらいはいるのだろうか? 百人ぐらいだろうか? それとももっと?
母には父がいる。父には母がいる。
自分は違う。
TVに出ているプロ雀士とかはきっと何万人もいるんだろうな……。
自分は違う。
自分にはきっと一生誰一人としてあらわれないだろう。
なぜなら、この私を見つけて必要としてくれる人は誰もいないのだから……。
認識してくれない相手と真に気持ちがかようはずが無い。
部長、むっちゃん先輩、かおりん先輩、それに加治木先輩に出会うまでずっとそう思って
いた。
加治木先輩のことを考えると胸が苦しくなるのはなぜだろう。
ほかの全てを投げ打っていいと思えるのはどうしてだろう。
それはきっと、自分を初めて必要としてくれたからだ。
みんなで全国大会にいくという夢。
たった1ヶ月の間だったけれど気持ちの通い合った仲間だったからだ。
だというのに、自分は……全国大会に……先輩を……連れて行けなかった。
そうすればもう、自分が先輩のそばにいる意味なんて、ないのに。
そしてこんな場所に連れて来られて、殺し合いをしろといわれて、勇敢にも飛び出した竜
門渕の人の首が飛ぶのを見て、呆然としながらデイパックをあけて、
そこにあった名簿の中に 「 加 治 木 ゆ み 」 の 名 前 を 見 つ け
た 。
ああ。……嫌だ。
先輩にだけは、生きていて欲しい。
デイパックから短剣を取り出す。
東横桃子は「ステルスモモ」を意識して考える―――!
私を昔のように誰にも……誰にも、気づかれなくしてやる。
そう……先輩をこのバトルロワイヤルで生き残らせるために、完璧に気配を消してやろう
。
たとえ先輩が自分を二度と見つけてくれなくても。
【A-1/森の中/1日目/深夜】
【東横桃子@咲-Saki-】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:アゾット剣@Fate/staynight
[道具]:デイバッグ、ランダム支給品×1~2
[思考]:加治木先輩以外を殺して最後に自分が自殺する
基本: 先輩に見つからないようにできるだけ人を殺す
1: もっと中心部に行くっす
2: 生き返り? そんなオカルトありえないっす
3: ……先輩
[備考]
ステルス能力は特に制限なく発動しますが、激しく動いたり音を立てると気づかれます。
また、殺気を見せれば達人級なら反応するかもしれません
最終更新:2009年10月28日 21:53