なんで高々6時間寝ちゃっただけで、書き手枠が全部埋まってるんだァァァ――――――ッ!(CV鈴村)

前日はろくにPCに触れず、朝イチでしたらばをチェックしたら、既に書き手枠全滅&和不在だった時の感想。
某運命なアスカ風にうわあああああと画面の前で叫び崩れ落ちる。
そんなわけで和ちゃんの没SSです。
アニ3は異様ににまともな考察キャラが少なかったので、どうしても彼女には参加してほしかったorz
ホントはもう少し書く予定だったけど、諸々の事情によりここまで。



 深夜の公園に影が1つ。
 きいこ、きいこと音を鳴らし。
 無人の公園のブランコに、ぽつんと腰掛ける人影が1つ。
 濃い茶髪をショートカットにし、赤縁の眼鏡をかけた少女の姿は、桜ヶ丘高校2年生・真鍋和だ。
「真夜中の公園っていうのは、ちょっと不気味だな」
 ぽつり、と呟く。
 誰へ向けたものでもない独白を漏らし、憂いを帯びた瞳で空を見る。
 頭上に煌くは満天の星。夜という名の漆黒のカーペットに、宝石箱の中身をひっくり返したようだ。
 薄ら寒さすら感じる、冷たい夜空の下の公園には、人っ子一人としていやしない。
 子供達の声で賑わう遊び場に、しかし今は彼女1人。
 周囲を見回してみれば、団地のビルが断崖のように、和を取り囲んでいる。
 閉塞感と寂寥感の入り交じった、不思議な環境。
 お化けでも出てきそうな、怖い場所。
「唯……」
 そんな子供じみた思考を断ち切り、視線を手元へと落とす。
 和の右手に握られていたのは、封筒から出した参加者名簿だ。
 自分の名前は書かれていない。どうやらあの透華なる少女と同じく、少数派の13人のうちの1人だったらしい。
 否。
 そんなことは、さしたる問題ではなかった。
 そこに載っていた名前が問題だった。
 平沢唯――幼稚園の頃から一緒に遊んでいた、少し天然ボケの入った幼なじみ。
 そして対照的にしっかり者な妹、平沢憂。唯の軽音楽部の仲間である、澪、律、紬の3人。
 合計5人もの知り合いが、この殺し合いに招かれていたのだ。
(あの子が殺し合いなんてものを生き残れるわけがない。他のみんなも……)
 自分達は戦闘なんてものとは無縁な女子高生だ。殺し合いなんてできるわけがない。
 特にドジでおっちょこちょいな唯は、あっという間に殺されてしまってもおかしくない。
 状況は絶望的。
 何故無力な自分達などを、殺し合いに招いたのか。あの黒いサングラスの男に、文句の1つでもくれてやりたかった。
 あまりにも辛すぎる現状が、彼女の表情を曇らせる。

「――よう、お嬢さん。ご機嫌は斜めかい?」
 と、その時。
 不意に、声がかかる。
 はっとした表情を浮かべて、反射的に顔を上げた。
 いつからそこにいたのだろうか。
 レンズ越しの視線の先に、1人の少年が立っていた。
 腰まで届く茶髪の三つ編み。にっと笑う不敵な表情。小柄な体格は、自分よりも年下だろうか。
 身に纏った黒き神父服は、まるで喪服か何かのようだ。
 音もなく忍び寄るその様は――まさしく、死神。
「……貴方は?」
 内心の動揺を押し殺し、つとめて冷静に問いかける。
 恐らく相手は、一般人の自分よりも、圧倒的に場慣れした実力者だ。
 気を抜いたらやられる。故に、ここは虚勢を張ってでも、冷静さを保たなければならなかった。
「俺はデュオ。逃げも隠れもするが、嘘はつかないデュオ・マックスウェルさ」
「真鍋和よ。機嫌は……確かに、悪いわね」
「おっ、奇遇だなぁ。俺も同感」
 軽妙な笑みを浮かべながら、デュオと名乗る少年が歩み寄る。
 きぃ、と金属の音が鳴った。
 ゆっくりと立ち上がった和が、僅かに後ずさって身構えたのだ。
「おいおい、そんなに警戒すんなよ。俺はこのバトルロワイアルに乗ったってわけじゃないんだぜ?」
 困ったような苦笑と共に、デュオがおどけたように肩を竦める。
「それでアンタはどうなんだい? 見たところ、普通の学生さんみたいだけどな」
「……私は……みんなと一緒に、帰りたい……」
 軽く目をそらし、ぽつりと溢す。
 真実だ。
 100億円なんて大金はいらない。賞金ゼロで棄権ができるのなら、今すぐにでも棄権したい。
 こんな得体の知れない空間で、命の取り合いをしたくはないし、仲間達にさせたくもない。
「ならよ――俺と一緒に来ないか?」
 ふと。
 気がつくと、そこにあるのは右手。
 いつの間にやら間合いを詰めて、目前へと伸びてきた少年の手。
 にっかと笑った死神の手が、握手を求めるように差しのべられていた。
「俺もここから脱出する方法を探してる。罪もねぇ人達を戦わせる連中には、俺だって腹を立ててんだ。
 俺は多少荒事には慣れてるし、俺より強い仲間もいる……どうだい、魅力的な話だろ?」
「貴方と、組む……?」
 話を進める少年に対し、戸惑いも露わな声を上げる。
「戦わずにここから出られるだなんて、アンタも思っちゃいないだろ?」
 ぴくり、と。
 肩が、震えた。
 眼鏡のレンズの向こうの瞳が、一瞬軽く見開かれた。

「待ってたって状況は好転しない。自分から動かなきゃ何も変わらない……
 だったら同じ状況を変えたい奴同士、手を組むのは悪くないと思うぜ?」
 そうだ。
 その通りだ。
 変化を待っているだけでは、何も状況は変わらないのだ。
 ただ何もしないだけで、あの帝愛グループとかいう連中が、自分達を解放するはずもない。
 皆と一緒に脱出するためには、彼らを打倒する必要がある。
 殺し合いに乗った連中からも、唯達を守らなければならない。
 心配するだけじゃなく、実際に動いて助けに行くこと。
 それがあの平沢唯の、幼なじみとしての自分の責任。
(待っててね、唯、みんな)
 状況は悪いが、逃げ出すんじゃ根性がない。
 展望はないが、度胸でクリアするしかない。
 手にしたいのは、みんなの未来。
 またみんなで元の場所へと帰り、あの他愛のない日常を取り戻すのだ。
「……分かったわ」
 そのためには、戦うしかない。
 与えられた状況に抗うしかない。
 力がないというのなら、力ある者の手を借りればいい。
 自分がしっかりしなければ。
 真鍋和がしっかりとして、皆を守らなければならないのだ。
「よろしくね、デュオ君」
 ふっ、と浮かんだ柔和な笑みと共に。
 差しのべられたデュオの右手を、力強く握り返した。


【E-6/団地内公園/1日目/深夜】

【真鍋和@けいおん!】
[状態]:健康
[服装]:桜が丘高校女子制服
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
 基本:皆で殺し合いから脱出する。
 1:唯達と合流したい。
[備考]
 ※登場時期は2年生になって以降です

【デュオ・マックスウェル@新機動戦記ガンダムW】
[状態]:健康
[服装]:神父服
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
 基本:この殺し合いから脱出する。
 1:ヒイロ、五飛と合流したい。
[備考]
 ※登場時期は未定。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年10月28日 21:54