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第三回放送~シンデレラゲージ-動き出す時計の針-~ ◆CgCz1GHD8o



そこは、そう真っ白な部屋。
雪のように真っ白な部屋。
そこにはあるのは一つの窓と一つの扉。
そして、そこに居るのは一人。
その少女を例えるならばこう言うだろう。
雪の少女――イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、と。

★★★★★★★★

「織田信長の首輪の反応が……消えた?」

それは第二回目放送が終わった後、ちょうど午後の時間帯に発見された。
最初に気付いたのは参加者の位置を確認する役割を持っている黒服の一人。
そしてそれは直ぐ様全員に知れ渡った。
勿論、休憩中の遠藤の元へも……。

「そんなわけあるはずがないだろ! ちゃんと、確認したのか!」

そして、それを伝えに来た黒服にと浴びせかけられた言葉。
しかし、勿論黒服もそんなのはとっくに行っている。

「遠藤様……! これは確かです。おそらくは何かしら機械に不備が出たかと」

「そんなわけがないだろ……! あれは“あいつ”が作った機械で平気なはずじゃなかったのか! それに荒耶が掛けた魔術は」

「それが、近くに居たのが上条当麻らしく」

「何だと……!」

(上条当麻……! この殺し合いが行われる上で注意するべき人物。異能の力を全て打ち消す右手を持っているだからか……!)

「それに、どうやら信長の声が聞こえなくなりました。恐らくですが、電波が遮断された可能性があります」

「電波をだと……」

(どうする、どうすればいい。織田信長……! 確かあいつはこちらに乗りこんでくるといった。今のあいつが乗りこんでこれたら勝てるか……? 答えは……不可能! なら、どうすればいい……!)

「少し一人で考える」

そう言い残して、遠藤は部屋へとこもる。
それを見て黒服も帰ろうとすると、ある事を思い出す。

(そういえばあの人質。昼食の時間じゃないか!? 忘れていた)

そうして、黒服は走る。

★★★★★★★★

「少し良いか?」

人気の無くなった通路で一人の神父はある男を呼びとめる。

「おや、貴方は確か……」

その言葉を掛けられしは一人の男――ディートハルト・リート。

「言峰綺礼、ただの神父、とでも名乗っておこう」

「それで、どうかしたんですか」

一瞬の静寂。
それがこの場を覆い尽くし、それを破るかのように神父は口を開く。

★★★★★★★★

真っ白な部屋の中に一つの音が、連続して響く。

「誰?」

「昼食を持ってきた」

その声と共に一人の黒服が入ってくる。

「そう、良かった。遅いからお腹が空いてしまったわ」

「ほら、ここに置いとくぞ」

そう言って足早に去ろうとする黒服を一つの声が呼びとめる。

「ねえ、ちょっとこっちに来て」

凛とした声には、どこか逆らえない響きが混じっており、黒服を引き寄せる。

「……何だ」

警戒しながら、しかしやはり少女という事もあり少しの油断も持ち黒服に近づく。

「私の目、綺麗でしょ?」

そう言うイリヤの声の通りに黒服はイリヤの目に、視線を運び――

「……っ」

体に電流が走ったかのような感覚にとらわれた。

「ねえ、次も貴方がまた来てね」

「か、考えておく」

そうして、黒服は立ち去る。

扉が音をたてて閉まったのを確認して、イリヤはひとつ息を吐く。

「はぁ……」

(これであの黒服に下準備は出来た……けど、やっぱりそれだけじゃ出られない。今は、機会を狙うべ、うっ!)

そう考えてる途中でイリヤの体に異変が起きる。

(これは、アーチャー? もう、これで三体も。残っているのはライダーと、……バーサーカ―。そして、お兄ちゃん)

そこまで、考えてイリヤは体の変化を抑えるために横になる。

(私の記憶がある内に……お兄ちゃんに会えると良い……な)

そして、少しだけイリヤは目を閉じる。
大好きな人の姿を頭に浮かべ。

★★★★★★★★

神父が話し終わり、男は神父に率直な意見を伝える。

「それは実に興味深いことですね。しかし、なぜそれを私に?」

「ふむ、私の趣味だと思ってくれ。では、私はこれで」

そう言って神父は去っていく。
一人、考える男を残し。

★★★★★★★★

部屋に籠っていた遠藤を呼んだのは、一つの機械的なシスターの声だった。

「次の放送の時間ですが」

「今回はお前一人でやれ」

「分かりました」

そうして、規則正しい、音が一つもずれない歩き方で去って行った。

(なぜ、こうなった……! そもそもこの仕事はもっと楽なものだったはずだ。なのに、何故……!)

そうして、遠藤の頭に浮かぶ二人の男の死にざま。
前の幹部と会長の死にざま。
それが恐怖や不安に駆られるたびに、頭の中に浮かぶ。
血を抜き取られ死んでいった前会長。
事故で誰かを殺した末に撃たれた前幹部。
そして、自分が誰かに殺されるという死のイメージ。
それが今の遠藤の頭の中を埋め尽くしていた。

(何故、こんなことになった……!)

答えの出ない問いを、一人遠藤は繰り返す。

★★★★★★★★

「あれ、シスターちゃん一人かい?」

放送室に入ったインデックスの直ぐ後に入ってきたのはうさんくさいアロハシャツの男――忍野メメ。

「はい。遠藤は調子が悪そうでした」

「へぇー、そりゃ心配だねえ」

そう思ってるのか怪しい調子で忍野は話す。

「ま、いっかな。じゃあ、荷物を取りに来ただけだから、またねシスターちゃん」

その言葉を聞いてインデックスはマイクの方へと向き直り、スイッチに手掛ける。
そしてそれを見て忍野は部屋から出ていく。
部屋からある物を 二つ持ちだして。
だけど、インデックスは気付かない……。

★★★★★★★★

「こんにちはインデックスです」

船内に響く放送を耳にして、和は顔をしかめる。

(また、たくさん人が死んだんでしょうか……)

★★★★★★★★

「ゲーム開始より18時間が経過しました。
 第三回の定時放送を行いたいと思います
 今回も言いますが、くれぐれも聞き逃さないよう注意してください。

 ……………………。

よろしいでしょうか? では連絡事項です
先ほどの放送で伝えた電車の事ですが、【B-4】駅~【C-6】駅間 【F-5】駅~【D-2】駅間の電車の復旧が完了しました。ただし【C-6】~【F-5】の区間に関しては他の交通手段を使ってください。

 次に今までと同じく禁止エリアの発表に移ります。
 第一回、二回と同じく三時間後の午後七時より禁止エリアが三つ増加します。

 では、今回の禁止エリアを発表します。今回の禁止エリアは【】【】【】の三つです。

 では、第二回放送からこの第三回放送までの死亡者の発表に移りたいと思います。

 【トレーズ・クシュリナーダ】
 【伊藤開司】
 【明智光秀】
 【神原駿河】
 【アーチャー】
【ヴァン】
【】

以上の名が今回の死亡者になります。これで残りの人数は名になりました。それでは、今回の放送はこれで終わりとなります」

★★★★★★★★

(今度もこんなに……)

自然に腕の中にあるエトペンを抱きしめる力強くなる。

(咲さん……私頑張りますから無事でいてください)

和はそしてエトペンをさらに抱きしめ、一人部屋の中で咲の事に思いを馳せる。

★★★★★★★★

『だ……ますか』

「んっ……」

休憩していたイリヤの意識を覚醒させたのは誰かが呼ぶ声だった。

(誰……? ここには私以外にいないはずなのに)

そう思ってイリヤが目を開けても、部屋の中には誰もいなかった。
部屋の中には一つの窓と、一つの扉と、少し冷めてしまった昼食と

「これは、何?」

一つの機械。

(こんなのさっきは無かった。これは、何?)

そう思い、イリヤがそれに顔を近付けると

『誰かいますか!?』

「えっ!」

突然、一人の少女の声がした。

「だ、誰?」

機械越しに聞こえる声の持ち主に、警戒の念を込めた声音で答える。

『わ、私は咲。宮永咲って言います。もしかして、貴方もとらわれている、の?』

★★★★★★★★

さっき忍野が持ち出したのは一組みの通信機。
勿論忍野が使うものではない。
忍野自身はもう持っているしそもそもこういう物を好んで使わない。
そう、忍野がこれを持ちだしたのは二人の少女――宮永咲とイリヤスフィール・フォン・アインツベルンに渡すため。
何故、忍野がこんな事をしたのか?
それを説明するに、忍野の言葉を借りるとこうなるだろう。

「この場のバランスを取ってくれって言うから、取ったまでだよ。だって、人質が何かする可能性も作らないと不公平だろ」

【第三回定時放送終了(ゲーム開始十八時間経過)@残り名】

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)
[服装]:
[道具];通信機
[思考]:
基本:帝愛の元からの脱出
1:通信機の前の相手と会話を試みる
2:この部屋からの脱出を図る
3:お兄ちゃんに会いたい。……バーサーカーとも。
[備考]
  • 飛行船のどこかの部屋に閉じ込められています
  • 部屋の中には放送が流れます
  • 黒服の一人に魅了の魔眼をかけました、効き具合は後続の書き手に任せます



最終更新:2010年02月25日 10:28