恋する男の子は盲目で恋人を思うともう止まらないの

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「ハァっ……ハァっ……」 少年の額を、脂汗が伝う。 美形と言っても差し支えない端正な顔は、恐怖と絶望に染まっている。 少年の名は工藤雄一。 興津高校2年A組に通う、ごくごく普通の高校生である。 そんな彼は、今現在恋をしていた。 その相手は…同級生の末武健太。 そう、工藤は同性愛者なのだ。 「末武……末武ぇ……!」 心臓は早鐘を打ち、手にはじっとりと汗が滲む。 目の前で女性が死んだ。 それも首に仕掛けられた爆弾を爆破されて。 その衝撃は17歳の少年の精神を壊すには十分すぎたのかもしれない。 「末武ぇ……今お前のもとに帰るからな……みんな、みんな殺して…お前のもとに……」 壊れた心が導き出した思いは、少年に殺人と言う禁忌を犯させるまでに至ってしまった。 工藤はデイパックから武器になりそうなものを探し出すと、ふらふらと歩き出した。 しばらく歩くと、工藤の目の前に少女が現れた。 黒を基調とした、胸元と腹部を露出させた悩ましげな衣裳を身にまとってはいるが、まだ顔にはあどけなさが残る小柄な少女だった。 工藤はその姿を見て、ほくそ笑む。 子どもなら、自分でも十分に殺せる。 そうだ、殺すんだ。 殺して、殺して、生き残って、末武のもとに帰るんだ。 工藤は、少女の前に飛び出した。 「おい!」 「あら…なんですの?」 「黙って俺に……殺されろよおおおお!!!」 そう叫ぶと、工藤は持っていた銃の引き金を引いた。 ぱあん、と乾いた銃声が響いた。 「……痛いですわね!いきなり何をするのよ!」 少女は咄嗟に身をひねり、急所に当たるはずだった銃弾を避ける。 だがそれでも完全にかわしきることはできなかったようで、左腕から血が溢れだす。 「何で避けたんだよおおお!死ねよおおお!!」 もう一度、銃の引き金を引こうとした工藤だったが、目の前の少女が杖を振りかざしているのに気付いた。 そして、気付いた時にはもう遅かった。 「フロスト」 工藤の全身を突き抜けるような凍気が襲う。 どこからともなく現れた氷の塊が、工藤を弾き飛ばした。 「ぐああ…が…?」 何が起こったのか、工藤には分からない。 ただ、目の前の殺そうとしていた少女が怒っている事だけは確認できた。 次の瞬間、地面が一気に黒くなった。 「ペイン」 工藤のいたあたりが、闇に包まれる。 ごう、と大きな音と共に工藤の身体が跳ね飛ばされ、呆気なく工藤は絶命した。 最期に末武の事を思う暇もなく、最期に感じたのは全身を圧し潰されるような苦痛だった。 「ふう…無礼な方でしたわね。お父様に仕立ててもらった服が汚れてしまいましたわ。」 何事もなかったかのように服のほこりを払うと、彼女――シェルトラン・ボルティアーノ、通称シェリーは歩き出す。 「それにしても……どうも魔法を使った時の消耗が激しいですわね。これもこの首輪のせいなのかしら?」 左腕の痛みに眉をひそめつつ、シェリーは考える。 回復魔法を持っていない現状を少し悔やんだが、そう悔やんでばかりもいられないと気を持ちなおすと、シェリーは歩き出した。 彼女は、父親であるライゲンを探している。 父親ならばきっと、この状況も打破してくれるだろう。 彼女にあるのは絶大な信頼。 「お父様…どこにおりますの?」 左腕の傷に風が、ほんの少し染みた。 &color(red){【工藤雄一@せんせいのお時間 死亡】} 【E-5住宅街/1日目朝】 【シェルトラン・ボルティアーノ@カオスウォーズ】 [状態]:左腕に軽い銃創(未処置)、SP消費(中) [装備]:ハッピースタッフ@カオスウォーズ [道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み) [思考]1:お父様はどこですの? 「……な、何なの今の?」 緑川聖奈は唖然としていた。 突然、自分の街を襲った惨劇。 そこから生き残るために自ら銃をとり戦っていたのに、いつの間にか見たこともない所に連れてこられて、そして命じられたのは殺し合い。 そして訳も分からないうちに飛ばされて、目の前で高校生が女の子を襲って、そして見たこともない謎の力であっけなく殺された。 その様に、タフになっていたはずの心は動揺し、聖奈は腰を抜かしてしまった。 「ど、どうしよう……あの子いっちゃった……」 緑川聖奈は、動けない。 【緑川聖奈@のび太のBIO HAZARD】 [状態]:腰が抜けた、健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式(アイテム未確認) [思考]1:どうしよう……    2:のび太と合流したい。    3:殺し合いには乗りたくない 【備考】 工藤の支給品の入ったデイパックが放置されています。 工藤の死体は損壊が激しく、パッと見では誰だかはわかりません。 工藤の装備していたハンドガン@のび太のBIO HAZARDは大破しました。 |013:[[バトロワのエイリアン]]|投下順|015:[[パニックはろくな事を引き起こさない]]| |013:[[バトロワのエイリアン]]|時系列順|015:[[パニックはろくな事を引き起こさない]]| |&color(cyan){GAME START}|工藤雄一|&color(red){GAME OVER}| |&color(cyan){GAME START}|シェルトラン・ボルティアーノ|033:[[Princess and Knight]]| |&color(cyan){GAME START}|緑川聖奈|[[]]|
「ハァっ……ハァっ……」 少年の額を、脂汗が伝う。 美形と言っても差し支えない端正な顔は、恐怖と絶望に染まっている。 少年の名は工藤雄一。 興津高校2年A組に通う、ごくごく普通の高校生である。 そんな彼は、今現在恋をしていた。 その相手は…同級生の末武健太。 そう、工藤は同性愛者なのだ。 「末武……末武ぇ……!」 心臓は早鐘を打ち、手にはじっとりと汗が滲む。 目の前で女性が死んだ。 それも首に仕掛けられた爆弾を爆破されて。 その衝撃は17歳の少年の精神を壊すには十分すぎたのかもしれない。 「末武ぇ……今お前のもとに帰るからな……みんな、みんな殺して…お前のもとに……」 壊れた心が導き出した思いは、少年に殺人と言う禁忌を犯させるまでに至ってしまった。 工藤はデイパックから武器になりそうなものを探し出すと、ふらふらと歩き出した。 しばらく歩くと、工藤の目の前に少女が現れた。 黒を基調とした、胸元と腹部を露出させた悩ましげな衣裳を身にまとってはいるが、まだ顔にはあどけなさが残る小柄な少女だった。 工藤はその姿を見て、ほくそ笑む。 子どもなら、自分でも十分に殺せる。 そうだ、殺すんだ。 殺して、殺して、生き残って、末武のもとに帰るんだ。 工藤は、少女の前に飛び出した。 「おい!」 「あら…なんですの?」 「黙って俺に……殺されろよおおおお!!!」 そう叫ぶと、工藤は持っていた銃の引き金を引いた。 ぱあん、と乾いた銃声が響いた。 「……痛いですわね!いきなり何をするのよ!」 少女は咄嗟に身をひねり、急所に当たるはずだった銃弾を避ける。 だがそれでも完全にかわしきることはできなかったようで、左腕から血が溢れだす。 「何で避けたんだよおおお!死ねよおおお!!」 もう一度、銃の引き金を引こうとした工藤だったが、目の前の少女が杖を振りかざしているのに気付いた。 そして、気付いた時にはもう遅かった。 「フロスト」 工藤の全身を突き抜けるような凍気が襲う。 どこからともなく現れた氷の塊が、工藤を弾き飛ばした。 「ぐああ…が…?」 何が起こったのか、工藤には分からない。 ただ、目の前の殺そうとしていた少女が怒っている事だけは確認できた。 次の瞬間、地面が一気に黒くなった。 「ペイン」 工藤のいたあたりが、闇に包まれる。 ごう、と大きな音と共に工藤の身体が跳ね飛ばされ、呆気なく工藤は絶命した。 最期に末武の事を思う暇もなく、最期に感じたのは全身を圧し潰されるような苦痛だった。 「ふう…無礼な方でしたわね。お父様に仕立ててもらった服が汚れてしまいましたわ。」 何事もなかったかのように服のほこりを払うと、彼女――シェルトラン・ボルティアーノ、通称シェリーは歩き出す。 「それにしても……どうも魔法を使った時の消耗が激しいですわね。これもこの首輪のせいなのかしら?」 左腕の痛みに眉をひそめつつ、シェリーは考える。 回復魔法を持っていない現状を少し悔やんだが、そう悔やんでばかりもいられないと気を持ちなおすと、シェリーは歩き出した。 彼女は、父親であるライゲンを探している。 父親ならばきっと、この状況も打破してくれるだろう。 彼女にあるのは絶大な信頼。 「お父様…どこにおりますの?」 左腕の傷に風が、ほんの少し染みた。 &color(red){【工藤雄一@せんせいのお時間 死亡】} 【E-5住宅街/1日目朝】 【シェルトラン・ボルティアーノ@カオスウォーズ】 [状態]:左腕に軽い銃創(未処置)、SP消費(中) [装備]:ハッピースタッフ@カオスウォーズ [道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み) [思考]1:お父様はどこですの? 「……な、何なの今の?」 緑川聖奈は唖然としていた。 突然、自分の街を襲った惨劇。 そこから生き残るために自ら銃をとり戦っていたのに、いつの間にか見たこともない所に連れてこられて、そして命じられたのは殺し合い。 そして訳も分からないうちに飛ばされて、目の前で高校生が女の子を襲って、そして見たこともない謎の力であっけなく殺された。 その様に、タフになっていたはずの心は動揺し、聖奈は腰を抜かしてしまった。 「ど、どうしよう……あの子いっちゃった……」 緑川聖奈は、動けない。 【緑川聖奈@のび太のBIO HAZARD】 [状態]:腰が抜けた、健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式(アイテム未確認) [思考]1:どうしよう……    2:のび太と合流したい。    3:殺し合いには乗りたくない 【備考】 工藤の支給品の入ったデイパックが放置されています。 工藤の死体は損壊が激しく、パッと見では誰だかはわかりません。 工藤の装備していたハンドガン@のび太のBIO HAZARDは大破しました。 |013:[[バトロワのエイリアン]]|投下順|015:[[パニックはろくな事を引き起こさない]]| |013:[[バトロワのエイリアン]]|時系列順|015:[[パニックはろくな事を引き起こさない]]| |&color(cyan){GAME START}|工藤雄一|&color(red){GAME OVER}| |&color(cyan){GAME START}|シェルトラン・ボルティアーノ|033:[[Princess and Knight]]| |&color(cyan){GAME START}|緑川聖奈|041:[[無情なる風]]|

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