14話 誰にだってトラウマはできる
「なんで、なの?」
小さい、まるで小動物のようなと言えるような、緑色の制服を着た子供、不二崎千尋。
実際は高校生だが、どう見てもそういうふうには見えないのだが、それは置いておく。
状況をまとめると、殺し合いに参加させられた、だ。
理由もないはずだ、しかし、この殺し合いを企画した奴を見て理解した。
自分たちを閉じ込めて同じことをさせようとした奴だからだ。
しかし、既に殺された自分にとってはあり得ない状況なのである。
まずおかしいこと、一つ目は生き返ったことだ。
人が生き返るなんてことは絶対にない。
二つ目は他の仲間がいる事、苗木誠や自分を殺した張本人、大和田紋土もいた。
つまり、学級裁判が行われてどちらかは必ず死んだのだ。
大和田紋土が死んだのか、他が死んだのかは分からないが。
「怖いな……大和田君、どこにいるんだろうな」
「ちょ、ちょっと、そこの君、ちょっといいかい?」
声をかけてきたのは不二崎と同じ高校生くらいの男だ。
頭髪は短くまとめられ、スポーツでもしてるような風貌だった。
「俺、和歌山純太っていうんだけど、知ってる?」
「え?なんで?初めてあったのに知ってるって……」
「あー、やっぱ知らないよな……俺、甲子園で優勝投手なんだけどね」
「え、そうなの!すごいねぇ!」
「いや、それほどでも……」
彼は和歌山純太、未来のイチロー二世などと言われている逸材らしい。
彼は不二崎の前に座り、笑いながら言った。
「俺さ、好きな人がいて、優勝したら告白しよう、って思ってたんだけど…気づいたらこんなとこにいてさ…参ったよ」
「……そうなんだ」
「でもさ、絶対あきらめちゃいけないんだよ!こんなふざけたもん、ぶっ潰してやるからさ!」
「うん!僕も手伝うよ!」
「おう!ありがとな!で、君の名前は?」
「えっとね、僕の名前は……」
ゴギィン
不快な音がした。
その音と同時に和歌山が前に倒れてくる。
そして、どんどんと、まっかなまっかなちのうみをつくって
「う、、、、、うわああ、、、、、、」
「……なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、」
「え、、、、、、、、、はあ、、、」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
茶髪の少年、卓郎がへこんだ金属バットを振り上げて不二崎目掛けて振り下ろす。
不二崎が目をつむり、恐怖した。
しかし、いつまでたっても衝撃はない。
目をあけると、一人の少年が剣でバットを受け止めていた。
先ほどまで半人半霊の剣士と戦っていた少年、古川正人だ。
「き、君、、は?」
「気にするな、通りすがりだよ」
「なんで、なんでだよ」
「は?」
「なんであいつが殺されなきゃいけなかったんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
「…………………」
「他にだっているだろう!あいつじゃなくたって!そいつが殺されてもよかったんだよ!でも、美香が、美香がなんで!!」
「………………………………………」
「あいつが殺される理由なんてない、だから俺は、許せない!なんであいつが死んだんだよ!そこにいるガキじゃなくて!なんで美香が!なんで!」
「…………………………………………………………」
「だから俺が殺すんだ!そいつを、絶対に、あいつの代わりだ!」
「………………………………………………………………………」
「お前の、お前の、」
「お前のせいだ、クソガキイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!」
「黙れ」
「!?」
怒りのこもった声だった。
そして彼の眼は、冷酷だった。
「お前さ、本当にいらつくわ」
「なんだと……!」
「こいつがなにしたってんだよ。悪いのはあのクマだろ?」
「……知るかよ」
「は?」
「全員殺して、あいつらを生き返らせてもらう!それで、それで終わりなんだよ!」
「じゃあ死ね」
いきなり古川は卓郎を刺した。
「な、い、痛え……」
「お前みたいなやつは死ねばいいんだよね、不愉快だし」
「や、やめ」
「うるせえ」
グチャ
「い、いた、、、おい、、」
ボキィ
「が、、、や、、、お、れ、、がわ、、、るか」
ゴキィ
音が止まない。
少年を蹂躙する音は止まない。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「おい、大丈夫か?」
「……………ガタガタガタ」
「……やりすぎたな、俺もまだまだ精神が弱いな」
「……………………う、うわあああああああああああああああああ!!!!」
「うおっ!」
不二崎は走って逃げて行ってしまった。
しかし古川は会えて追うようなことはしなかった。
速急に死んだ二人のバッグから必要そうなものを押収して、愛する彼女を探すために外に出た。
【和歌山純太@オリキャラ 死亡】
【卓郎@青鬼 死亡】
【残り 34人】
【一日目/深夜/D-4希望ヶ峰学園前】
【古川正人@オリキャラ】
[状態]身体的疲労(小) 返り血(中)
[装備]ブロードソード
[所持品]基本支給品 不明支給品1~5(確認済み)
[思考・行動]
基本:とりあえずどうしようかな。
1:笑子と合流したい。
2:謎の剣士に注意。
3:さっきの子は……。
4:服変えたいな……どこかにあるかな?
[備考]
※魂魄妖夢の容姿を記憶しました。
※和歌山純太、卓郎の死体及び支給品(残っているかは不明)が落ちています。
【一日目/深夜/D-4希望ヶ峰学園某所】
【不二崎千尋@ダンガンロンパ希望の学園と絶望の高校生】
[状態]身体的疲労(大) 精神的疲労(極大)
[装備]なし
[所持品]基本支給品 不明支給品1~3(未確認)
[思考・行動]
基本:死にたくない、でも誰も死んでほしくない。
1:逃げなきゃ、逃げなきゃ。
2:さっきの少年に注意。
3:苗木誠、大和田紋土達との合流。
[備考]
※古川正人の容姿を記憶しました。
※古川正人を乗っている危険人物と判断しました。
≪オリキャラ紹介≫
【名前】和歌山 純太(わかやま じゅんた)
【性別】男
【年齢】15
【職業】高校1年
【性格】軟派な青年。
【好きな物・事】野球、好きなあの子(名前不明)
【嫌いな物・事】勉強全般
【特殊能力】投擲のコントロール抜群
【趣味】野球
【備考】好きなあの子とは…?実は…
最終更新:2011年04月28日 21:52