俺(と阿部)は何とか生きて帰って来れた。
「…丁度いいな、俺の家の前だ」
「…こんな高級マンションに住んでるのか?以外と金持ちなんだな」
「傭兵は常に命懸けな分、給料も結構…死のリスクもあるがな」
オートロックのドアを開ける。
「そういや、阿部…お前、これからどうする?お前、こっちじゃ職が無いじゃないか」
「あー、そう言えばそうだな。まあ、何とかなるだろ」
「呑気だな…俺も今は無職とほぼ同じ状態だが…」
「ま、細かいことはまた後で考えよう。」
エレベーターを待つ間に、あることに気づく。
…返り血が消えている。
結構な量だったはずだ。それが綺麗さっぱり消えている。
(…ま、いいか…)
12階…13階…14階…。
階数表示が15階で止まる。
「15階か…こんな高級そうなマンション、テレビでしか見た事ないぜ」
「その分、家賃も高いけどな」
部屋の中に入り、ソファーに腰かける阿部。
リビングからしてかなり広い。
「皆は、無事に元の世界に帰れたんだろうか?」
「ちゃんと帰れただろう。多分…。確認しようにもする方法がないから、あくまで想像だが」
「なら安心だ…。」
◇
10分ほど経って、脱衣室からパンツのまま出てくる。
かなりガチムチな体で、そっちの趣味が無くても見惚れる。
体には沢山の傷跡が残っている。
銃創や切創の痕…。戦地で付いた傷だ。
「よう、進。結構いい体してるぜ、流石だな」
「あっ、阿部…」
何を聞かれるのか、半ば分かっていた。
ゲーム中も、何度も聞かれたのだ。
「 や ら な い か 」
暫しの沈黙。
ものすごく長いような、短いような…。
…答えは決まっている。
「…分かった。いいだろう。」
阿部の表情がこの上ないほど笑顔になって行く。
天にも登る気持ちだろう。
(まさか、初めてを男に捧げるとはな…)
「じゃあ、早速…力抜かないと痛いぜ」
「おいおい、ここでやるのか?ベッドで頼むぜ」
仕方無く2人でベッドに移動する。
「よし、それじゃ早速行くぜ…」
「…よし、来いっ!」
「「アッ――――――!!」」
◇
…結局、阿部はこっちの世界で自動車整備工場に務めるらしい。
俺は…生憎、世界が平和なお陰で仕事がない。
まあ、蓄えはあるから無問題なんだが…。
「進、またやらな「遠慮する」
…こいつと暮らしてる限り、俺のケツは常に平和じゃなさそうだ…。
【エピローグ:一ノ瀬進・阿部高和編 完】
最終更新:2011年05月31日 22:45