命を賭けろ

「ここまで来ればもう大丈夫だろう…」
「ですね…」

お互い荒く息を付きながら、地面に座り込む。

(…いくら乗ってるだろうと予測できてても…なんかショックだな…)

知り合いがゲームに乗っている所を見ると、結構心に来る物がある。
何と言うか、「見てはいけない物」を見てしまった時と同じ感覚だ。

「…うううう…うおおお…殺すうううう」

ホームセンターから、異常な程の負のオーラを纏った男が出てくる。
その男は…左腕が切り落とされていた。
なのに、血は出ていない。

「マズいな…あの男…とてつもない負の気を背負っている」
「え…マジで…?」

豚のような男が、こちら目掛け矢を射ってくる!

「…!くっ!」

かわしきれずに、ボウガンの矢が◆WYGPiuknm2の肩を掠める。
そのまま、ボウガンの矢は暗闇の中へ消えて行く。
傷はそこまで深くなく、出血も軽い。

「うううう、矢がまた無くなっちまったあああ」

左腕が無い状態で、再び矢を装填するのにはとてつもなく時間が掛かる。

「また逃げる事になるな」
「…分かりました」

またもや逃走する事になってしまった。
しかし、今度は上手く行かなかった。

「とうとう見つけたわよ…Tさん」
「その声は…あいつか!?よりによってこんな時に…」

赤いワンピースの女…が憑依している遠山純子が2人の前に立ちふさがる。
前にはワンピースの女、後ろはあの男…。
絶体絶命だ。
Tさんが小声で◆WYGPiuknm2に耳うちする。

(今まで2人と戦ったが…ある事に気が付いたんだ)
(何ですか?)
(ここに呼ばれる前と、ここに呼ばれた後で…確実に「破ぁ!」の力が落ちている)
(えっ!あれで落ちてるんですか!?)
(ああ…いつもならノコギリ男なら1回で半身を吹き飛ばせるはずなんだが…)

そうこうしている内にも、どんどん間合いを詰められて行く。

「一か八か、俺が今持てる力全開であの女に「破ぁ!」する。その間にお前は先に行け」
「…それで、もしあいつを倒せなかったら?」
「その時はその時だ…。とにかく、お前は行け!」
「…ごめんなさい、Tさん!」

迷いを振り切り、女の横を走り抜ける。
それに目もくれず、ずっとTさんを睨み付けている。

「フゥー……」

Tさんが「破ぁ!」の構えを取る。
その目には、今までとは違う気…殺気が籠っている。

「…来い」
「今の貴方の力で…私を倒せる?」
「さぁな…やってみないと、分からないだろう!?」

Tさんの手に、どんどん力が集まっていく。
それを見て、一瞬たじろぐがすぐに落ち着きを取り戻すワンピースの女。

(…当たっても外れても…俺はただじゃ済まないな…)

上限ギリギリまで力を溜める。
既に、体力的にかなりキツい。
少しでも気を抜けば、失神してぶっ倒れてしまいそうだ。

(だが…関係無い他人を復讐に利用するなんて…許せん!)
「今にも倒れそうな顔しちゃって…すぐ楽にしてあげる!!」

ワンピースの女が飛びかかってくる、その瞬間。
Tさんの手が輝き…!

「破ぁ―――――――――――!」

とてつもない力が放出され、遠山純子ごとワンピースの女を包む!

「んああああああああ――――――!」

光の中で、もがき、苦しみ…。
体が、崩壊して行く…。

(何故…私は…!)

光が収まった時には、既にワンピースの女の姿は無くなっていた。
ついでに、憑依されていた人間の肉体も。

「………隕石を……撃ち落とした時に…使った……ヤツだからな……この距離で…食らえば……」

地球に飛来してきた隕石にかました光弾と同じタイプの物だった。
もの凄く離れていた隕石をも砕いた光弾だ。
いくら力が制限されているとはいえ、至近距離で食らえば間違い無く消滅する。

「体が……動かないな……疲れた……」

ワンピースの女が消えても、安心できない。
さっきの男が、まだ残っている。
今襲われたら、抵抗すら出来ない。

「ううううう、さっきのは何だああああ」
「っ…!」
「さっきのおお、食らってたら死んでたなああ。あんな攻撃を隠してたなんてえええ」
「ハァ…ハァ…は、破ぁ…」

わずかな力で「破ぁ!」するも、全く歯が立たない。
もはや、ここまでのようだ。

「……八尺様以来だな。ここまで、追いつめられたのは」
「あああ?何訳分かんねえこと言ってんだあああ」
「全く……先に行け、と言ったのに……」

豚の背後に誰か立っている。
慌てて振り向くが、その前に素早く何かで殴り倒される。
ばたりと倒れ、動かなくなるが死んではいないようだ。
多分、気絶したのだろう。

「あああああああ!」
「…やっぱり、先になんて行けませんよ」

さっき、先に逃げさせた◆WYGPiuknm2が、釣りざおを握って立っている。
おそらく、それで殴ったのだろう。
真ん中からポッキリ折れている。

「悪いな…」
「そんなことより、逃げましょう」

Tさんは立ち上がろうとするが、足に力が入らず立ち上がれずにフラフラと倒れる。
顔色も非常に悪い。
まだぐったりとしているTさんを背負って、今自分が出せる精一杯のスピードで走りだした。

【一日目・朝/D-2とD-1の境目辺り】
【Tさん@Tさんシリーズ】
[状態]:健康、疲労困憊
[装備]:特殊警棒
[所持品]:支給品一式、ガム
[思考・行動]:
基本:このゲームを壊し、主催者を破ぁ!する。
1:暫く、体力の回復を待たないと話にならないな…。

【◆WYGPiuknm2@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:折れた釣りざお@Tさんシリーズ
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:ゲームには乗りたくない。
1:Tさんを背負って逃げる。

【一日目・朝/D-2】
【三田村哲也@オリジナル】
[状態]:健康、左腕欠損(傷口凍結)、気絶
[装備]:ボウガン
[所持品]:支給品一式、ボウガンの矢×3
[思考・行動]
基本:目に付いたヤツ全員殺す。
1:(気絶中)
※傷口が凍り付いています。暫くしたら氷が溶けます

【遠山純子@オリジナル 消滅】
【ワンピースの女@Tさんシリーズ 消滅】

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最終更新:2011年06月29日 22:44
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