「まだTさんは起きない?」
「ああ、まだぐっすり眠ってるよ」
Tさんを背負い、ホームセンター付近まで歩いてきた2人。
体格のいいTさんはかなり重く、◆WYGPiuknm2の顔に疲労の色が浮かんでいる。
「マズいな。あっちの橋…たしか、禁止エリアだったよな?」
「地図地図…ああ、確かに禁止エリアになってる…困ったなあ…」
「…俺もちょっと疲れた、少し休憩しよう」
その場に腰を下ろし、Tさんもついでに寝かせる。
地面に直接寝かせるなんてTさんが知ったら良い気はしないだろうが…仕方が無い。
とりあえず、デイパックを枕代わりにして、頭の下に敷く。
「…はぁ…来た道を戻る事になるとはな」
「何とかなる…と思うけど…」
しかし、今更引き返して違う道を通るのも…。
思案を巡らせる。
どうすれば、病院へ早く辿り着けるか…。
「…ホームセンターに、何か役に立ちそうな物ってないかな」
「ああ…もしかしたら、あるかもな」
「それじゃあ、行ってみない?」
「ああ。じゃあ、行こう」
寝かせているTさんを再度背負い、立ち上がる。
ホームセンターへ向かおうとしている時に、出来れば出会いたく無かった相手に鉢合わせる。
「ym氏、か…」
「別に驚くことでもねえだろ、歩いてりゃいつかは出会うしな」
「…WYG氏から聞いてるよ、乗ってるんでしょ?」
「まあな、もう3人も仕留めてるよ」
3人も、殺した。想像するだけで、フラついてしまう。
しかし…。
自分には、ym氏を責めることはできない。
無我夢中だったとは言え、自分も。
「…今更、お喋りなんてする気にもならないし、とっととケリ付けさせてもらう」
「こっちも同じだ」
「さあ、どうする?今の所、戦えるのはVx氏だけみたいだけど?」
Tさんは未だ眠っていて、とてもじゃないが戦えない。
今から起こすにしても、寝起きで満足に戦えるかどうか。
それに伴って、Tさんを背負っている自分も、戦えそうにない。
結局、怪我も無く荷物も持っていないVx氏しか戦えない、と言うことになってしまう。
その唯一戦えるVx氏でも、3人も殺害しているym氏に正面きって勝てるかどうか…。
(Vx氏をナメてる訳じゃないが…確実に勝つためには、やはり2人以上でないと…)
「そっちから来ないなら…まず、戦えるVx氏から潰させて貰う!」
素早い動きで◆VxAX.uhVsMの懐に潜り込み、喉目掛け突きを繰り出す。
「…っ!」
間一髪の所で、桜吹雪を盾にしてかわす。
辺りに、鋭い金属音が響き渡る。
「危な…」
「一回防いだぐらいで油断してんじゃねーぞ!!」
今度は、腹部目掛けパンチを繰り出す。
流石に今度はガードが間に合わず、腹にクリーンヒットする。
「うぐっ…」
腹を抱え、桜吹雪を取り落としその場に蹲る。
殴られた部分が痛み、脂汗が滴り落ちる。
「これで暫く動けねーだろ。これで、ゆっくりWYG氏とその男を始末できるな…」
(…仕方ねえ、Tさんが無防備になるが、俺が応戦するしか無え!)
Tさんを降ろし、デイパックから折れた釣りざおを取り出し構える。
「そんな折れた釣りざおで戦う気か」
「これはTさんの釣りざおだ…きっと、Tさんの力が入っているに違いない」
「そんなあるかどうか分からない物に頼って生き延びられる程甘くねーぞ!」
再度爪で斬りつけようと走って近づく。
(頼む…何か起こってくれ!)
藁にもすがる思いで、釣りざおを振り回す。
そんな思いとは裏腹に、何も起こらずに、釣りざおは空を切っただけだった。
「そんな…」
「茶番はここまでだ。ひと足お先に…逝ってもらうぜ!」
(俺は死ぬのか…こんなところで死ぬなんて…)
「まっぴら御免だああああああっ!」
もはや半狂乱な状態で、真っすぐ釣りざおの折れた先を突き刺す。
「ぐ…!?」
折れた釣りざおが左肩に深く突き刺さり、血がにじんでくる。
表情が少し歪む。
「往生際…が悪い、んだよ!」
◆ymCx/I3enUが、◆WYGPiuknm2の喉を切り裂くために右腕を振り上げた瞬間。
「ううん…良く寝たな…」
今まで寝ていたTさんが、やっと目覚めたのだ。
眠たい目を擦っていたが、◆WYGPiuknm2の姿を見るや否や一瞬で覚醒する。
「何が起こっているんだ…おい、そいつから離れろ!!」
青白い光弾の構えを取り、◆ymCx/I3enUを恫喝する。
「もう遅い」
そのまま腕を振り下ろし、◆WYGPiuknm2の喉を切り裂いた。
首から血を噴き出しながら、ゆっくり倒れて行く。
それを見て、構えを解いてすぐ走り寄るTさん。
「…T…さ…」
処置どころか、最期の言葉すら聞き取る前に、◆WYGPiuknm2は力尽きた。
ゆっくりと刺さった釣りざおを引き抜き、その場に投げ捨てる。
「何てこった…」
「そろそろVx氏も復活してくる頃だな…その前に、少しでもお前にダメージ与えとくか」
「…破ぁ!」
不意打ちで青白い光弾を撃ち込む。
わざと、傷口を狙って。
「ぐっ…!」
あまりの痛みに、一瞬意識が飛びそうになる、がギリギリのところで踏みとどまる。
光弾の衝撃で、ほんの少し、出血が弱まる。
「背中がら空き!」
後ろから◆VxAX.uhVsMの声が。
振り返った瞬間、額に衝撃を受ける。
「なっ…」
◆VxAX.uhVsMの持つ桜吹雪の切先が、額を一文字に切り裂いていた。
傷は予想以上に深く、頭蓋骨を通り抜け脳まで達しているようだ。
ゆっくりと、後ろに倒れて行く。
(……そんな……俺が……こんな……)
急速に意識が遠のいて、そのまま消えた。
◇
「…WYG氏…」
「…。」
もう動かない◆WYGPiuknm2の前で悲しみにくれる。
「何で、こんな…」
(今は、何を言っても、悲しみを増幅させてしまうだけだ…暫く、そっとしておいたほうがよさそうだな)
【一日目・朝/D-2】
【Tさん@Tさんシリーズ】
[状態]:健康、疲労(中)
[装備]:特殊警棒
[所持品]:支給品一式、ガム
[思考・行動]:
基本:このゲームを壊し、主催者を破ぁ!する。
1:…今は、何も言わない方がいいな
【◆VxAX.uhVsM@非リレー書き手】
[状態]:健康、ずぶ濡れ、精神的ショック(大)
[装備]:名刀桜吹雪@龍が如く2
[所持品]:端末
[思考・行動]
基本:…。
1:WYG氏…。
【◆WYGPiuknm2@非リレー書き手 死亡】
死因:失血死
【◆ymCx/I3enU@非リレー書き手 死亡】
死因:斬殺
最終更新:2011年07月17日 23:02