Kiss me

……他人で遊ぶのは好きだけど、遊ばれるのは嫌いなのよね。
まったく、この私に下等な人間たちと殺し合えだなんて、本当につまらないことを考えるわ。
見たところ人間でないものや結構強そうなものも混ざっていたみたいだけど…私には無関係なこと。
………ただ心配なのは真琴様の御身。涼子のほうは…どうでもいい。
早く真琴様を探して、ここから脱出しなければ。

     ◇     ◆     ◇

「真琴様ぁ…」

ずるずるずるずると、デイバックをひきずり地面を這いながら我が御主人である三井真琴の元へと急ぐ。
ここは湿った森の中。ぬかるんだ土に摩擦しているセーラー服はきっとどろどろのぐちゃぐちゃだ。
スカートからはみ出した白い足も大変なことになっているだろう。
広い視界の中に、両頬と鼻の先に土が付着しているのもかすかに見えた。
いつもなら真琴に顔を合わせるときは身支度にかなり気を使うのだが……そうしている時間は無い。

…………というか、そんな気力が無い。

「うううううぅ」

彼女、椎名千咲は外見こそ普通の人間なのだが、実は何百年と生きている悪魔。
風と重力を自由自在に操り、殺しても死なない、歳も取らない彼女に、人間たちは恐怖した。
……だが、そんな彼女の力も『無限』というわけではない。
彼女の力の源は若い女の生気。三日に一度、少女とくちづけを交わさなければならなかった。
それが彼女の能力を『完璧』にするものであり、永遠の命を繋ぎとめる『鎖』であった。
………そして今日、己の部下である少女、瑞樹の生気を取り込む予定だったのだが…。
キスをする直前であの部屋に転送されてしまった。
つまり、彼女は今、へろへろ状態なのである。

「こんな状態じゃなければあんなグズども、一ひねりで殺せたのにぃ…」

ミミズのように地道に前進を続ける。
しかし、疲労もそろそろ限界に達そうとしていた。

「むぐぐ、ぐ」

まだよ、まだ耐えなければ!くたばっている場合ではない…。
瞼が重たいのは、きっと地面を照らす月光が眩しいから。
体が震えているのは…そう、武者震いというやつなのよ。
こんなところで終わるわけにはいかない。
真琴様をお守りするのが私の役目。
それがあの子との……綾乃との約束ですもの。

「あひぃ……でも、もう…」

駄目。

最強と謳われた悪魔もここまでか。
千咲の体はとうとう動かなくなり、虚ろな瞳を瞼が覆った。


【椎名千咲@オリジナル
【状態】死にかけ
【装備】無し
【道具】未確認支給品一式
【思考】基本:ゲームからの脱出
1:誰かとキスがしたい。
2:真琴を守る。



【名前】椎名千咲(シイナ チサキ)
【性別】女
【年齢】外見年齢16歳。実際には数百年は生きている。
【容姿】
[服装]黒いセーラー服に赤いリボン。
[髪型]前髪を揃えた胡桃色のロングヘアー。ウェーブがかかっている。
[顔付き]目が丸い。水色と青のオッドアイ。
[身体的特徴]色白、貧乳。身長156センチ、体重42キロ。
【性格】高飛車、高貴。妄想癖。猫かぶり。
【一人称】私(わたくし)
【好きなもの・こと】真琴、寝ること、妄想。
【嫌いなもの・こと】涼子、野菜、牛乳、海(カナヅチ)、あついの(炎)。
【特殊能力】風と重力が操れる。再生能力有り。目標の髪の毛と血を使って相手を操ることが可能(条件有り)。鎌を使っての攻撃も多いため、身体能力も高い。制限不明。
【備考】
人間ではない、悪魔。名前も恐らく仮名。
若いおにゃのことキスをしたがるので変態呼ばわりされることもしばしば。
頭の悪い策略家。

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最終更新:2011年07月26日 20:22
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