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水が滴るいい男

……辺りをキョロキョロ見回す。
さっきまでいた場所とは全く違う光景が広がっている(まあ、暗くて良く分からないが)。
持っていた名刀・桜吹雪もいつの間にか消滅し、ずぶ濡れだった自分の体も、すっかり乾いている。

(……ここはどこなんだろうか)

水の流れるような音が聞こえてくることから、川のような場所に近いと思うが…。
その時、突然一陣の風が辺りを吹き抜けた。同時に、辺りがやんわりと明るくなる。
雲の切れ目から、月の光が差したのだ。

「やっぱり、川の近くだったんだ」

月の光と言うのは意外と明るいもので、下手な明かりより明るいこともある。
懐中電灯ほどではないが、自分の周りを確認するにはまあ十分だ。
改めて辺りを見ると、月の光に照らされているデイパックを発見する。

(今度は、何が支給されているんだろう)

デイパックからとりあえず物を出してみる。
出てきたのは、小型の銃。名前は、どうやら「Vz.61」と言うらしい。
良く見るとレーザーサイトが付いており、構えると点灯するようだ。
それ以外にもライターが入っていたが、こっちはただのライターのようだった。

(本物の銃だ……流石に2回もモデルガンは支給されないか)

2回も役に立たない物が支給されていたら、心が折れていただろう。

(とりあえず……名簿を確認してみよう)

デイパックからPDAを取り出し、名簿を呼びだす……その直後、名簿を見ている状態で硬直してしまう。
自分の名前が載っている。それだけなら、別に驚く程の物でもない。が、今回は事情が違った。
自分の名前が……2つ、あるのだ。

(自分が……2人?どういう事?)

あまりに予想外すぎる展開に、驚きを隠せない。いくら何でも、自分が2人もいるなんて。
自分のような奴を2人にして、一体何をさせようと言うのか?
主催の意図が分からない。

(何のために……ん?)

さっきまで気づかなかったが、川の中になにかキラキラ光る物が沈んでいる。
もしも、月の光が差していなかったら、アレを発見する確率は大幅に落ちていただろう。
アレを拾いに行くのには、やはり川の中に入る必要がある。
……せっかく乾いているのに、また濡れるのは気分的に良くない、けど。
とはいえ、あの光っている物が何なのか確かめてみないとスッキリしない。

「……靴脱げば、少しは濡れなくて済むかな」

靴と靴下を脱ぎ、その場に置く。
ちょっと躊躇った後、一気に水の中に足を入れる。

「……っ」

やっぱり冷たい。
こういう物は、ダラダラやるより一気に行った方が、冷たい思いを短くできる。
一気にバーっと走って何かの所まで近づき、それを拾い上げる。

(これは……ナイフ?)

水の中に沈んでいたのは、小ぶりのナイフ。
そこまで武器等に詳しい訳ではないのでよく分からないが、普通に使うナイフにしては小さい(と思う)。

「冷た……詳しく観察するのは岸に戻ってからにしよう」






(いてて……また濡れてしまった)

ずぶ濡れの状態で川岸に上がる◆VxAX.uhVsM。
さっき、ナイフを回収し岸に戻ろうとした時の事だった。
回収出来たと言うことで油断したのか、それとも足元の確認を怠ったからか。
どちらかは分からないが、盛大に川の中で転んでしまったのだ。
幸いにも、怪我はちょっと左手を打つだけで済んだが、体はびしょ濡れになってしまった。
唯一乾いている靴と靴下を履きなおし、デイパックの所に戻る。

(何で、ナイフがあんな所に落ちていたんだろう?)

誰かがこの辺りで殺りあったのだろうか?
なら、血とか落ちていてもおかしくは無いはずだが、今の所そんな物は見当たらない。
ひょっとしたら、他の場所に血痕なり落ちているのかも知れないが、それは分からない。
川の中に血が落ちたなら、もう既に流されているはずだし。

(……このナイフにも、血は付いてない。と言う事は、誰かの落とし物なのかも)

戦闘の跡が見受けられない以上、そう考えるしかない。

「ここにいてもどうしようもないや、近くの街にでも行ってみよう」

【一日目・深夜/E-3:川原】
【◆VxAX.uhVsM@途中参加者】
[状態]:健康、ずぶ濡れ、左腕打撲(軽度)
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、Vz.61(20/20)、Vz.61マガジン×3、投げナイフ、アノーマリー探知機
      ライター
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:行く当てもないけど、とにかくどこかへ行ってみよう
2:自分が2人いるのが気になる。
※アノーマリー探知機の存在に気づいていません。また、ルールを確認していません





「何やってんだあいつ……」

遠巻きに◆VxAX.uhVsMを眺める◆uA7Hz14RQg。
土手の上の道を歩いていた時、偶然◆VxAX.uhVsMを見つけたのだが……。
何かあってはいけないと思い、ちょっと観察していたのだ。

(いきなり川の中に入っていったかと思ったら、そこでコケるんだからな……)

最初は一緒に行く仲間が出来るのはいいことだと思ったが、アレを見てやめた。
他にも、強い人がいるはずだ――そう思い、声をかけることをやめたのだった。

(丸腰なのも何とかしないとな)

【一日目・深夜/E-3:土手】
【◆uA7Hz14RQg@オカルト(この謎解けるかな?一日限定)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:どうしたらいいのか分からない。
1:仲間か武器が欲しい…。

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最終更新:2011年08月17日 23:31
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