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増えた謎

「…やっぱりここは、本物の新富製薬だ」

2Fでソファに腰かけ、思案を巡らせる速水。
到着してから休むことなく敷地内を見て回った…新薬研究棟を除いて。
新薬研究棟は――半ば予想通りだったが――ロックされていた。
まあ、あそこの警備が厳重なのは今に始まったことではないから、別にガッカリしないが。

(新薬研究棟に入れなかったのは残念だけど…一体、どうやったらこんな事が出来るんだ)

これは、新富製薬に到着する前に、街にある民家を見た時も思ったことだ。
街にある民家も、詳しく調べた訳では無いが、一応内部を確かめてみた家もあった。
見る家全て、ついさっきまでここで人が生活していたかのような感覚があった。
新富製薬のような建造物はともかく、民家の生活感までコピーするなんて…そんなことできる訳がない。

(訳が分からない…一体何なんだ)

ここに来て、調べてみれば少しでもヒントが得られるかと思ったのに。
逆に、謎を増やしてしまうことになってしまった。
新富製薬をどうやってここに建てたのか?
どうやって民家の「生活感」まで作ったのか?
そもそも……こんな芸当を、本当に「人」が出来るのだろうか?






ボロい神社を離れた後、人通りの多い場所を探して一番近い街にやってきたが。
人の気配が、無い。
たくさんある民家の中にいるのかも知れないが、1つづつ探していたら夜が明ける。
それに、そんな事をして、何処にも人がいなかった時の事を考えると……。

(やっぱり、デカい建物から調べるのが定石なのかな)

とりあえず、近くにある「新富製薬」とやらを調べてみることにした。
今いる場所から、歩いて1分かかるかどうかの距離だ。
そんな事を考えている内に、敷地の入り口らしき所に辿り着く。
敷地内も街同様暗く、視界は悪い。
良く見える所は、自分の持つ懐中電灯で照らした場所くらいだ。

(広そうだなぁ、まあ民家を見て回るよりいいや)

とりあえず、一番近い建物に入ろうとした時、誰かがそこから出てくる。
その出て来た人物も自分に気づいたらしく、こちらに近づいてくる。

「……あの」

近づいてきたのは、白衣を着た痩せ型の男。
その姿は、何となく知的な印象を見た者に思わせる。
しかし、気になるのは左目に巻かれた包帯だ。
ここに来る前に、誰かに襲われて怪我でもしたのだろうか?

「君は……誰だ?」
「あ、えっと……◆8nn53GQqtYです」
「……?」

白衣の男は唖然としている。まあ、無理もないことだろう。
普通に考えて、こんな名前の人間がいるはずがないのだから。
とは言え、本名は思い出せないんだからどうしようもない。

「あなたは?」
「……僕は、速水佑司だ」
「一体、こんな所で何してるんですか?私と同じで、誰かいるか探してたんですか」
「いいや、ちょっと調べ物を……」

そう言い終わると、2人の間をちょっと気まずい空気が。
このままでは色んな意味でマズいと思い、一か八か同行を持ちかけてみることにした。

「……私と、一緒に行きませんか?1人よりいいでしょうし」
「君がいいのなら、一緒に行こう」

思っていたよりあっさりと了承してくれた。
少し悩んだり、もしかしたら断られることも考えていたのだが…。まあ、いい。
ヘタに長々と考え込まれても、こっちとしても面倒だ。

「この中にはなにかありましたか?」
「いいや、特に役に立ちそうな物は無かったよ」






道を歩きながら、会話を交える2人。

「そう言えば、何で速水さんはここを調べてたんですか」
「…自分の知る企業と同じ名前だったから、気になって。それで調べたら、あることが分かったんだ」
「あること?」

さっき考えた結果を、◆8nn53GQqtYに伝える。
最初は半信半疑で聞いていたようだったが、結局困惑した表情で黙ってしまった。
やはり、突拍子すぎただろうか?

「私では、いまいち分からないですね…Yc氏とかなら何か分かるかもしれないのに」
「…Yc氏?」
「私の知り合いです、すごく冷静で頭もいいんですよ」
「そんな人なら、新たに何か分かる可能性がある。でも、どこにいるか分からないな。君は、知っているのか?」
「いいえ、どこにいるかは……でも、会場内を歩いて行けばいつかは会えるかもしれませんね」

確かに、隅から隅まで探せばいつかは見つかるだろう。
しかし、それでは時間が掛かり過ぎるし、第一どこに殺しあう気のある人間がいるか分からないのだ。
そんな状況で、不用心にそこらを歩いて回るのは危険だ。

「……とりあえず、近くの民家に入ろう。路上に立っているより安全だ」
「ですね」






近くの適当な民家を選び、中に入ろうとするが、鍵が閉まっているのか開かない。

「鍵が閉まってる」
「本当ですね……でも、そのバット使えば壊して入れるんじゃないでしょうか」

見た目に反して、結構大胆な発想だな、とちょっと驚く。
人は見た目じゃないとは言うが……。

「壊すのは簡単だろうけど、壊した後の始末に困るよ。この扉を壊してしまうと、今度はこちら側が鍵を使えなくなってしまう」
「あ……確かにそうですね」
「他に入れる場所が無いか、調べてみよう。裏口とかなら、開いているかもしれない」

何かあってはいけないと思い、2人で家の周りを回る。
窓から中を除いてみるが、真っ暗で良く分からない。

「この窓も……鍵がかかってる」
「こっちの窓も駄目ですね」

そうしている内に、裏庭らしき所に出る。
ちょっと広めの空間で、砂利も敷いてあり、そこそこいい庭だ。
もしかしたら、裏口なんかがあるかも知れない。
辺りを見渡してみると……やはり、あった。

(……鍵がかかってなければいいんだが)

祈る気持ちで、ドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す。
……ドアは、ゆっくりと音を立てながら開いた。

「よし……入ろう」
「分かりました」

自分が先頭に立ち、ゆっくり家の中に入って行く。
家の中は、静まり返っている……一瞬、入るのをやめようかとも思うくらい。だが、ここまで来た以上入らない訳にはいかない。
1歩1歩……できるだけ、周りに気を配りながら歩く。なんだか、とてつもない時間をかけて短い距離を歩いている気がする。
そうしている内に、何とかリビングらしき所に到達する。
窓から入る月の光が、一部を照らしている以外は真っ暗で何も見えない。

(明かりは、明かりのスイッチはどこだ)

壁を懐中電灯で照らして行くと……あった。
すかさずスイッチを入れるが、明かりは灯らない。

「壊れてるんでしょうか?」
「さあ……だが、ここの明かりは点かないみたいだ。懐中電灯で我慢しよう」


【一日目・深夜/D-2:民家】
【速水祐司@絶体絶命都市2】
[状態]:健康
[装備]:組長のバット@龍が如く2
[所持品]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・行動]
基本:何故こんなことになっているのか調べる。
1:何故電気が…
2:気になる事が多過ぎる
3:「Yc氏」と呼ばれている人に会いたい

【◆8nn53GQqtY@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:
[所持品]:支給品一式、説明書、予備弾×2、ロケットランチャー@コマンドー
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:Yc氏と連絡を取ってみたい
2:とりあえず、速水さんに付いて行ってみよう
3:書き手さんたちは…どうしようかな

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最終更新:2011年08月19日 20:39
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